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最恐の男
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「付き合い始めたばかりの頃はそれなりに仲良くやってたんですけどね。特に喧嘩をしたわけではないんですが……お互いあまり思ってることを口にしなかったので、知らず知らずの内に色々拗れてしまったんでしょうね。でもまあ、これを機に結婚まで考えていけたらなって思ってるので」
千愛希の頭の中には律の「ちゃんと断ってきて」という言葉が響いていた。睦月に嫉妬していたと知った時、千愛希は心底嬉しかった。律の愛情をひしひしと感じたのだ。
だからこそ、そこまで想ってくれている律をこれ以上嫌な気持ちにさせない努力はするべきだと千愛希は思う。
ここでハッキリさせておくことが3人にとってのベストであると感じていた。
「驚いたな……千愛希の口から結婚のことを考えていきたいなんて言葉が聞かれるなんて」
睦月は面白くなさそうに背を向けた。両手をズボンのポケットにしまい真っ直ぐ前に顔を向けるが、視点は定まらずにいた。動揺している証である。
「あー……結婚については考えていましたよ。もちろん仕事は辞めたくなかったし、今後も仕事量を減らす気はありません。でも、私も実家は大家族ですし、自分の家庭を持ってみたいって気持ちはありましたよ。だから曽根さんとの結婚だって、楽しみではあったんです」
今まで聞けなかった千愛希の気持ちを不意に知ることになり、睦月は瞳を揺らした。
楽しみではあった? 結婚よりも仕事を優先したのに? 結婚が楽しみだったなら、なんで俺とのことを優先させてくれなかったんだよ。俺との結婚が楽しみだってあの時伝えてくれてたら、俺だってもっと2人にとって最善の方法を考えたのに……。
今となってはもう遅い過去の感情が湧き上がった。昔の後悔と、今でも諦め切れない思いが入り交じり、睦月は胸焼けがするかのように体の内部がモヤモヤと渦を巻いた。
千愛希の頭の中には律の「ちゃんと断ってきて」という言葉が響いていた。睦月に嫉妬していたと知った時、千愛希は心底嬉しかった。律の愛情をひしひしと感じたのだ。
だからこそ、そこまで想ってくれている律をこれ以上嫌な気持ちにさせない努力はするべきだと千愛希は思う。
ここでハッキリさせておくことが3人にとってのベストであると感じていた。
「驚いたな……千愛希の口から結婚のことを考えていきたいなんて言葉が聞かれるなんて」
睦月は面白くなさそうに背を向けた。両手をズボンのポケットにしまい真っ直ぐ前に顔を向けるが、視点は定まらずにいた。動揺している証である。
「あー……結婚については考えていましたよ。もちろん仕事は辞めたくなかったし、今後も仕事量を減らす気はありません。でも、私も実家は大家族ですし、自分の家庭を持ってみたいって気持ちはありましたよ。だから曽根さんとの結婚だって、楽しみではあったんです」
今まで聞けなかった千愛希の気持ちを不意に知ることになり、睦月は瞳を揺らした。
楽しみではあった? 結婚よりも仕事を優先したのに? 結婚が楽しみだったなら、なんで俺とのことを優先させてくれなかったんだよ。俺との結婚が楽しみだってあの時伝えてくれてたら、俺だってもっと2人にとって最善の方法を考えたのに……。
今となってはもう遅い過去の感情が湧き上がった。昔の後悔と、今でも諦め切れない思いが入り交じり、睦月は胸焼けがするかのように体の内部がモヤモヤと渦を巻いた。
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