憂い視線のその先に

雪村こはる

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糖度150%、スパイス多め

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 2人が会話している姿をどんな顔をして見ていたらいいのかわからなかった。前まで好きだった人と、今好きな人。その2人が身内の中で食事をするのだから、一方通行な想いだったとはいえ、なんとなく気まずい。

「別に用事があるならいいけど。丁度まどかさんと週末はもつ鍋にでもしようって言ってたからさ。千愛希さん、前回鍋食べられなかったし、今回丁度いいかもって思ったんだけど」

 周がそんなことを言ったものだから、早速千愛希に伺った。

「行きたい!」

 二つ返事の千愛希は嬉しそうだった。あんなにもまどかを避けていたというのに、あの時の千愛希はどこへやら。自分以上に切り替えの早い千愛希に翻弄されながら、律の気持ちなどおかまいなしに、鍋パーティーは決行されたのだった。

 早めに到着した千愛希は、珍しくまどかと共にキッチンに立っていた。

「千愛希ちゃん普段料理するんだっけ?」

 守屋家に来てもお客さん扱いの千愛希は、毎度食べる専門だったのだが、今回ばかりは自らお願いしたようなものだと手伝いを買ってでていた。そんな姿が珍しく、今まで触れたことのない料理についてまどかは首を傾げて尋ねた。

「普段しませんね。実家にいた頃は毎日してたんですけどね」

「あー……兄弟小さい子が多いんだっけ? たしか大家族だよね?」

「そうなんですよ。姉と兄もいますけど、家族の人数が多すぎて、皆で手分けして支度しないととてもご飯の時間に間に合いませんでしたね」

 千愛希は、当時の光景を思い出しおかしそうに笑った。成長期の弟達は、おかずの取り合いで、山盛りの唐揚げや野菜炒めはほんの数分で姿を消した。
 何種類ものおかずが全て山になっているにもかかわらず、毎日少しも残り物がでなかった。
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