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ファンクラブ
【7】
「なんて素敵な物語! 是非聞きたい! 恋人として、夫婦として一緒に歩んできた人生があるということは、周くんしか知らないまどかさんの顔を知っているということだね……」
「もちろんです。初めて見た涙は吐息が出るほど美しかった。笑顔は天使のようで、照れた顔は全てを忘れさせる程の威力。甘えられたら、死んでもいいと思えるほどの幸福感」
真顔で隣の旦那様はそう語っております。詩人なのか? え? 何言ってんの、本当。
「そ、それは……。羨ましい……。羨ましいけれど、それは周くんの特権なのね!」
「そうです。なんたって夫ですからね」
すっと目を伏せて、キメ顔を作るあまねくん。
お願いだから、外ではやめて。
家の中なら、好きなだけ変態性を出してくれてもかまわない。いや、かまうけれども。しかしながら、外ではやめて。
そう思いながら、あまねくんの腕を掴むと視線はこちらに移動し、「いつ見ても綺麗だよ」そう言って素敵な笑顔を見せてくれた。
その瞬間、心臓を鷲掴みにされたような衝撃が体中に走った。
ダメだ……。その笑顔はダメだ。
バクバクと高鳴る鼓動。私の体は完全にあまねくんの毒牙に侵されていた。
顔が熱くなり、唇を噛みながら両手で頬を覆った。
「はっ……何て可愛らしい表情をされるのでしょうか……。こんな顔をさせられるのは、周くんだけなのね!」
じーっとこちらを向いていた千愛希さんは、すぐに視線をあまねくんに戻し尊敬にも似た眼差しを向けた。
「わかっていただけますか? 俺は、まどかさんの愛を独り占めできる唯一無二の存在なのですよ」
胸を張ってゆっくりと首を縦に振る。そういうのって本来自分で言わないんじゃ……。
「凄い! 凄い! 同じ空間に一緒にいられるだけでも幸せなのに、同じ家に住めるだなんて……」
「ええ。寝る時は、いつも俺の腕の中です」
「きゃー! 眠り姫を拝みながら共に眠りにつくなんて……お伽噺ね!」
いや、違う。違うよ、千愛希さん。
「寝息を肌で感じる程側にいられるというこのポジション。まるで夢物語です」
いや違うよ、あまねくん。
これ、私の話でいいんだよね? 本当になんの話をしてるんだろうか。
またふと冷静になれば、2人はまるで映画のラストを飾る主人公のように感慨深い表情を浮かべていた。
「もちろんです。初めて見た涙は吐息が出るほど美しかった。笑顔は天使のようで、照れた顔は全てを忘れさせる程の威力。甘えられたら、死んでもいいと思えるほどの幸福感」
真顔で隣の旦那様はそう語っております。詩人なのか? え? 何言ってんの、本当。
「そ、それは……。羨ましい……。羨ましいけれど、それは周くんの特権なのね!」
「そうです。なんたって夫ですからね」
すっと目を伏せて、キメ顔を作るあまねくん。
お願いだから、外ではやめて。
家の中なら、好きなだけ変態性を出してくれてもかまわない。いや、かまうけれども。しかしながら、外ではやめて。
そう思いながら、あまねくんの腕を掴むと視線はこちらに移動し、「いつ見ても綺麗だよ」そう言って素敵な笑顔を見せてくれた。
その瞬間、心臓を鷲掴みにされたような衝撃が体中に走った。
ダメだ……。その笑顔はダメだ。
バクバクと高鳴る鼓動。私の体は完全にあまねくんの毒牙に侵されていた。
顔が熱くなり、唇を噛みながら両手で頬を覆った。
「はっ……何て可愛らしい表情をされるのでしょうか……。こんな顔をさせられるのは、周くんだけなのね!」
じーっとこちらを向いていた千愛希さんは、すぐに視線をあまねくんに戻し尊敬にも似た眼差しを向けた。
「わかっていただけますか? 俺は、まどかさんの愛を独り占めできる唯一無二の存在なのですよ」
胸を張ってゆっくりと首を縦に振る。そういうのって本来自分で言わないんじゃ……。
「凄い! 凄い! 同じ空間に一緒にいられるだけでも幸せなのに、同じ家に住めるだなんて……」
「ええ。寝る時は、いつも俺の腕の中です」
「きゃー! 眠り姫を拝みながら共に眠りにつくなんて……お伽噺ね!」
いや、違う。違うよ、千愛希さん。
「寝息を肌で感じる程側にいられるというこのポジション。まるで夢物語です」
いや違うよ、あまねくん。
これ、私の話でいいんだよね? 本当になんの話をしてるんだろうか。
またふと冷静になれば、2人はまるで映画のラストを飾る主人公のように感慨深い表情を浮かべていた。
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