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ファンクラブ
【9】
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「まどかさんに似た女の子……。それはもう目に入れても痛くない程可愛いでしょうね」
「当然ですよ。まどかさんの体内から生まれてくるというだけでも想像を絶する程の感動があるというのに!」
まだ生まれてもないのによくこの人達こんなに盛り上がれるな……。
私は深く深く溜め息をつく。
「まどかさんの旦那さんになった人が周くんでよかった! 変な男に捕まったりなんかしたらもう不安で不安で生きていけないもの」
変な男に捕まって殺されそうになったんだけどね。結果オーライなのかな?
「こんなにまどかさんを好きでいてくださる方に認めてもらえたかと思うと俺も幸せです。まどかさんの幸せは、絶対に俺が与え続けます!」
そこまでいくと凄い自信だな……。一時の、私に嫌われたかもしれないと自信喪失していたあまねくんに比べればよっぽど頼もしくていいのかもしれないけれど。
「もう素敵! 素敵な夫婦! ずっと動向を見守りたい! こんなにまどかさんを愛してくれる人に愛されて、まどかさんも幸せだと感じられるなんて……。まさに理想の夫婦!」
……そうなの? 理想かなぁ? ここまで色々あったよ? 盗撮とか、ストローとか、妊娠検査薬とか……。
思い出しては思わず苦笑する。
「お待たせいたしました。カルボナーラとえびのトマトクリームソースがけですね」
先程案内してくれた店員さんがパスタを持ってきてくれた。
それを受け取ると、すぐに店員さんがカウンターへと戻り、千愛希さんのデザートを持ってきた。
食事が開始されたことでようやく少し静かになった。そう思ったら、正面からの痛い程の視線がまた始まってしまった。
食べている姿をじっと見つめられて、食べづらいったらない。
「あ、あの……あんまり見られてると、ちょっと気になるかな……」
そう千愛希さんに言うと「すみません! こんなチャンスはもう二度とないかと思うとなんとしてでも記憶に残しておきたくて」とまたも泣きそうな顔で訴えられる。
「う……。まあ、まあ律くんの彼女さんならまた今後も会うことあると思うし、二度とないとか思わなくてもいいと思うけど……」
家族ぐるみの付き合いになるのであれば、今後も嫌でも顔を合わせることになる筈。何度も会うのはかまわないけれど、じっと見つめるのはやめて。
そんな思いで言った。
「私、律とは付き合ってないんです」
「え?」
「仲良くしてもらってるけど、付き合ってるとかじゃなくて……だからもうまどかさんとは二度と会えないんです」
そう言ってまた目に涙を溜めた。
あ、違ったのね……。でも、律くんが女の子と食事するくらいだから、全く何とも思っていないわけではなさそうだけど。
そう思って律くんを見れば、既に興味を失っているのか、スマホの画面に夢中になっていた。
シャットアウトした!?
私は思わず二度見をする。いやいや、律くんが見放したらこの子どうするのよ。何で知らん顔してるの!? 貴方とのことが話題に出ている大事な時ですけど!!
目で訴えるも虚しく、こちらも見ようとはしない律くん。
「あ、あの……まあ、お付き合いしてなくても仲良しだったら、今後も会うことあると思うよ」
「……本当ですか?」
「う、うん。だからそんなに見なくてもきっとまた会えるからさ」
とりあえずこの場をなんとかしようとそう言ってみると「なんて優しい方! もう感動して涙が止まりません!」と更に目を潤ませていた。
これは何を言ってもダメだ。ここは律くんのように気にしないふりをするのが利口なのかもしれない。
隣のあまねくんは、全く気にする素振りもなく嬉しそうにパスタを食べているし……。
私はそれ以上何かを言うのをやめて、食べることに集中した。
「当然ですよ。まどかさんの体内から生まれてくるというだけでも想像を絶する程の感動があるというのに!」
まだ生まれてもないのによくこの人達こんなに盛り上がれるな……。
私は深く深く溜め息をつく。
「まどかさんの旦那さんになった人が周くんでよかった! 変な男に捕まったりなんかしたらもう不安で不安で生きていけないもの」
変な男に捕まって殺されそうになったんだけどね。結果オーライなのかな?
「こんなにまどかさんを好きでいてくださる方に認めてもらえたかと思うと俺も幸せです。まどかさんの幸せは、絶対に俺が与え続けます!」
そこまでいくと凄い自信だな……。一時の、私に嫌われたかもしれないと自信喪失していたあまねくんに比べればよっぽど頼もしくていいのかもしれないけれど。
「もう素敵! 素敵な夫婦! ずっと動向を見守りたい! こんなにまどかさんを愛してくれる人に愛されて、まどかさんも幸せだと感じられるなんて……。まさに理想の夫婦!」
……そうなの? 理想かなぁ? ここまで色々あったよ? 盗撮とか、ストローとか、妊娠検査薬とか……。
思い出しては思わず苦笑する。
「お待たせいたしました。カルボナーラとえびのトマトクリームソースがけですね」
先程案内してくれた店員さんがパスタを持ってきてくれた。
それを受け取ると、すぐに店員さんがカウンターへと戻り、千愛希さんのデザートを持ってきた。
食事が開始されたことでようやく少し静かになった。そう思ったら、正面からの痛い程の視線がまた始まってしまった。
食べている姿をじっと見つめられて、食べづらいったらない。
「あ、あの……あんまり見られてると、ちょっと気になるかな……」
そう千愛希さんに言うと「すみません! こんなチャンスはもう二度とないかと思うとなんとしてでも記憶に残しておきたくて」とまたも泣きそうな顔で訴えられる。
「う……。まあ、まあ律くんの彼女さんならまた今後も会うことあると思うし、二度とないとか思わなくてもいいと思うけど……」
家族ぐるみの付き合いになるのであれば、今後も嫌でも顔を合わせることになる筈。何度も会うのはかまわないけれど、じっと見つめるのはやめて。
そんな思いで言った。
「私、律とは付き合ってないんです」
「え?」
「仲良くしてもらってるけど、付き合ってるとかじゃなくて……だからもうまどかさんとは二度と会えないんです」
そう言ってまた目に涙を溜めた。
あ、違ったのね……。でも、律くんが女の子と食事するくらいだから、全く何とも思っていないわけではなさそうだけど。
そう思って律くんを見れば、既に興味を失っているのか、スマホの画面に夢中になっていた。
シャットアウトした!?
私は思わず二度見をする。いやいや、律くんが見放したらこの子どうするのよ。何で知らん顔してるの!? 貴方とのことが話題に出ている大事な時ですけど!!
目で訴えるも虚しく、こちらも見ようとはしない律くん。
「あ、あの……まあ、お付き合いしてなくても仲良しだったら、今後も会うことあると思うよ」
「……本当ですか?」
「う、うん。だからそんなに見なくてもきっとまた会えるからさ」
とりあえずこの場をなんとかしようとそう言ってみると「なんて優しい方! もう感動して涙が止まりません!」と更に目を潤ませていた。
これは何を言ってもダメだ。ここは律くんのように気にしないふりをするのが利口なのかもしれない。
隣のあまねくんは、全く気にする素振りもなく嬉しそうにパスタを食べているし……。
私はそれ以上何かを言うのをやめて、食べることに集中した。
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