謀られ妻による綿密な復讐

雪村こはる

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就職活動

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 当時の亜月は、ようやく2年目になり1人で仕事を任されることも多くなったが、覚えることがたくさんあって日々こなすだけで精一杯という状況だった。
 侑李もその様子を見て、自分の社会人2年目を思い出したものだ。

 蒔田も2つ下の後輩のため、彼が入社してきた時には同じような状態に陥っていたのを覚えている。
 彼だけは、大学時代に自宅に招いたことがあるほど仲がよかったから、侑李の正体を知っていたが他社員の目がある所ではそれを隠していた。
 会社での先輩、後輩として接し、必要以上に親密な様子を周りに見せることもなかった。

 その蒔田が次回困らないよう、ソノダ飲料からの要望を聞いた。その上で蒔田が提案していくため、侑李は亜月と長時間話すことはなかった。
 当時は、侑李も頑張っている社員だ、くらいに思っていた。

 しかし、担当が蒔田に変わってからは蒔田が亜月と会う度に嬉しそうに話す様子が気になっていた。

「小泉さんって本当に感じのいい方なんですよ! 本当に俺よりも年下かなと思えるくらいしっかりしてて、頭の回転も速くて聞き上手で」

 蒔田がそうやって女性を褒めるのは珍しいことだった。今でこそpoiseも女性社員の割合が多くなっているが、その頃はまだ圧倒的に男性社員の方が多くて、デジタル社会なのにもかかわらず機械に疎い女性社員もいて手を焼いていた。
 最近の新入社員は、女性でも機械に強い人間が多く、上司の方が助けられる場面も度々ある。

 蒔田は特にパソコンは得意な方だったから、そういった点では厳しい意見もあった。決して女性を軽視しているわけではないが、会社の中では男女平等が主義の蒔田は女性に対してというよりも仕事の効率が悪い人間に対して厳しかった。

 その蒔田が楽しそうに仕事をするものだから、もう少し亜月のことを知りたいと思っていたのだ。
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