したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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将来の夢

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「なぁ、亜純には相談してんの? お前が俺のこと好きだって」

 高校時代、そう真白に尋ねた。自分の恋路を邪魔されるのは許せなかった。

「言ってないよ。私が言ったら亜純が身を引きそうで怖いんでしょ?」

 真白はそう言って意地悪そうに笑った。昔から真白は勘が冴えていた。男女の感情に敏感な『女の勘』というやつだ。
 だから、依がされたら嫌なことも、亜純が次に起こしそうな行動も全て読めていた。

「わかってんなら言うなよ……」

「別に言うか言わないかは私の勝手じゃない? 亜純は私の友達なんだけど」

「友達って……本当にそう思ってんのかよ。俺に近付くために亜純を利用したんだろ」

 依にだって真白の魂胆は目に見えていた。依と千景と楽しそうに話す亜純の姿を見ても「久保さんは対象外だよね。なんの心配もいらないわぁ」そう女子たちが笑ってバカにする中、それを傍観する真白の姿も確認していたのだから。

「あながち間違ってないけど、私は亜純を傷付けるために近寄ったわけじゃない。現に亜純は私を友達だと思ってるし、私の悪口を聞いた事ある?」

 そう聞かれたら依は何も言えずにぐっと拳を握った。

「千景とくっつけようと思ったのは、亜純が邪魔だからじゃない。相性がいいと思ったからよ」

「2人はお互いに好きでもないのに周りが世話を焼く必要なんかないだろ!? 相性がいいかどうかを決めるのは本人たちだ」

「そうかな? 本人たちが気付いてないだけで、周りから見てよく見えることもある。見えてないのは依でしょ?」

「なんだよそれ。俺に振られた腹いせか?」

「ふふふ。そうかもね。ねぇ、依。1回私を抱いてみない?」

「……は?」

「抱いてくれたら亜純にアンタをオススメしてみてもいいけど」

 真白は綺麗で可愛かったが、どこか妖しくて怖い女だった。何を考えているのかわからない。好きだと言いながら簡単に手放そうとするし、そうかと思えばどんな手段でも使って手に入れようとする。
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