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今夜は同窓会
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父は、キャミソール姿の真白を見て怪訝な顔をした。いつも肌を隠すようにして父から逃げていた少女が、堂々と白い腕やデコルテを露にさせていたからだ。
毎晩抱いていても、それは真白の部屋のベッドの中。煌々とした灯りの下で血の繋がらない娘の肌を見られるとは思わなかったのだ。
眉をひそめたのは一瞬だけで、すぐに父はゴクリと唾を飲んだ。すぐにでもその体を貪りたいと思った。
しかし、真白の足元で小さく震える妻を発見して思考を停止させた。
真っ赤に目を腫らして、視点も虚ろだった。しかも腫れているのは目だけではない。誰かに殴られたであろうことは一目瞭然で、おそらく真白の仕業だろうと予想はつくがとても信じられないことだった。
男が知る真白はいつも無抵抗で泣きながら自分の下で揺さぶられていた。少し脅してやれば怯えた目を向けた。
いつの間にか母に縋ることもやめ、諦めたように体を差し出した。それなのに今日の真白はどこかおかしかった。
男はすぐに真白が化粧をしているからだと気付いた。髪も綺麗に巻いていて、普段よりも大人びて見えた。
女の色気が漂っていて、誘われている気分にもなる。それなのになぜだかザワザワと胸騒ぎがした。
「……お前がやったのか?」
男は静かに尋ねた。妻に手を上げることはなかった。あくまでも真白にだけだ。そんな妻の傷を見て、男が思ったのは俺が疑われるじゃねぇか……。だった。
妻の心配などしていない。若くてハリのある綺麗で従順な娘が手に入ったのだから、戸籍上の妻などにはもう興味もなかった。
否、最初から目的は可愛い真白でこの女には微塵も好意などなかったのだ。
だからといって面倒事は起こすまいと妻には暴力を振るわずにいたのに、余計なことをしやがってと男は憤りを覚えた。
毎晩抱いていても、それは真白の部屋のベッドの中。煌々とした灯りの下で血の繋がらない娘の肌を見られるとは思わなかったのだ。
眉をひそめたのは一瞬だけで、すぐに父はゴクリと唾を飲んだ。すぐにでもその体を貪りたいと思った。
しかし、真白の足元で小さく震える妻を発見して思考を停止させた。
真っ赤に目を腫らして、視点も虚ろだった。しかも腫れているのは目だけではない。誰かに殴られたであろうことは一目瞭然で、おそらく真白の仕業だろうと予想はつくがとても信じられないことだった。
男が知る真白はいつも無抵抗で泣きながら自分の下で揺さぶられていた。少し脅してやれば怯えた目を向けた。
いつの間にか母に縋ることもやめ、諦めたように体を差し出した。それなのに今日の真白はどこかおかしかった。
男はすぐに真白が化粧をしているからだと気付いた。髪も綺麗に巻いていて、普段よりも大人びて見えた。
女の色気が漂っていて、誘われている気分にもなる。それなのになぜだかザワザワと胸騒ぎがした。
「……お前がやったのか?」
男は静かに尋ねた。妻に手を上げることはなかった。あくまでも真白にだけだ。そんな妻の傷を見て、男が思ったのは俺が疑われるじゃねぇか……。だった。
妻の心配などしていない。若くてハリのある綺麗で従順な娘が手に入ったのだから、戸籍上の妻などにはもう興味もなかった。
否、最初から目的は可愛い真白でこの女には微塵も好意などなかったのだ。
だからといって面倒事は起こすまいと妻には暴力を振るわずにいたのに、余計なことをしやがってと男は憤りを覚えた。
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