したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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今夜は同窓会

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 真白は亜純の言葉に驚かされた。依が亜純に嘘をつくとは思えなかったし、それなら本当に子供をつくるつもりはあったのだろうか……と考えてみる。
 けれど、それが本当だとしたら現状はやはり不可解だ。

「そう……。それならなんでだろうね」

 真白もそう聞きながら、色んな可能性について考えた。もしかしたら、真白のことがタイプではなかっただけで、亜純も真白も知らない浮気相手がいるんじゃないかと……。
 亜純と依では休みが合わない日が存在する。その時間を使って浮気をしようと思えばできてしまう。亜純には女性としての魅力を感じていなくても、他の女性になら……そんなことを想像して真白は大きく息をのんだ。

 毎日優しく接するのも、キスやハグがあるのも好きの意味が違うのかもしれない。子供ができたら遊べなくなるから? やることが増えるから? 
 けれど、どれもイマイチピンとこなかった。

「わかんない……。避妊してもいいからしようって言ったらしてくれるのかな……」

「え?」

 ポツリと言った亜純の言葉に真白は瞼を上げた。高校時代には全く男を知らなかった亜純からそんな言葉を聞く日がくるとは思わなかった。
 真白の中では今でも亜純は純粋なままで、本当は依とセックスしていることだって想像できない。亜純が子供を産むという行為はなぜか神聖なものにみえる。
 避妊しながらのただのセックスなんて、その辺の男がしたがるものと変わらないじゃないか……と不謹慎ながらに思ってしまった。

「私は……依のことが好きだよ。いい旦那さんだと思ってる。結婚してよかったとも思ってる。大事にしてもらってるって実感してたけど……えっちしないことがこんなに愛されてる実感がなくなってくものだって思わなかった」

「亜純……」

 真白はガックリと肩を落とした。亜純にではない。歪んだ自分の考え方に落胆したのだ。一瞬でも、亜純を動物と同じ考え方だと疑ってしまった自分が嫌になった。
 亜純にとってセックスはあくまでも愛情表現の1つで、真白が今まで見てきた快楽だけを求める行為とは違う。そんなことなどわかっていたはずなのに、価値観の違いを見せつけられた気がした。

「えっちしなくても愛されてるものだと思ってたけど……してた時の方が依からの好きを感じてた気がする」

「うん……」

「私だって母親になる自信はないけど、依とだったら大丈夫だって思ったの。子供のことも私と同じように大事にしてくれるって」

「そう……だね」

「でも、子供をもつのが怖いならせめて私のことだけでも愛して欲しいって思う……。それは贅沢かな?」

 亜純が寂しそうに顔を伏せるものだから、真白はついかあっと頭に血が昇った。

「贅沢なわけないでしょ! 依の方が亜純に惚れて結婚したんだから、亜純が幸せを感じられるように努力するのが当然だと思う!」

 そんなことを口に出して言ったことはなかったのに、真白は冷静ではいられなかった。
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