236 / 243
新しい風
29
しおりを挟む
「付き合ってるってなんだよ。亜純がお前と付き合いたいって言ったのかよ」
依はとても信じられなかった。亜純に何度も想いを伝えても付き合えなかった。だから真白に頼ることになったのだ。
千景から付き合いと言ったところで、元夫である自分の友人と付き合うなんて、亜純がするはずがないと思った。
「2人で話し合って決めたんだよ。不思議に思うのはわかるよ。俺たちは長い間友達だったし、依とは結婚してたし。だからお互いにないって思ってた」
「じゃぁ何で……」
「亜純が色々苦しんでた。依とのことはもう忘れて、新しく恋愛をしたいって。……俺も、依が好きだった人だから好きになるつもりはかったけど、亜純とじっくり話してたら好きだったんだなって気付いた」
「気付いたってなんだよ。好きって気持ちに気付かないなんてことあるわけないだろ? 気付かなかったなら、お前の気持ちなんかその程度ってことだろ!?」
依はかあっと頭に血が上って、大きな声で叫んだ。依の亜純に対する気持ちは、どんなに頑張って隠そうとしても隠しきれないほど大きな気持ちだ。それを気付かなかったなんて言えるような人間に亜純を好きだと言う資格などないと思った。
「そんなことない。亜純のことはちゃんと好きだよ。一緒にいて穏やかでいられるし、俺が一緒にいたいと思ったんだから」
「一緒にいたいのはお前だけじゃない! そんな、簡単に……」
「簡単じゃないよ。亜純がどれだけ依のことで泣いてたかわかる? 子供が欲しいって言った亜純の気持ちより、自分の独占欲を優先したじゃん」
「そんなのお前には関係ない!」
「関係あるよ。俺は、亜純との子供なら欲しい。子供達と一緒に色んなところに行きたいし亜純が子供の側で笑ってるところを1番近くで見たい。俺にはそれがしてあげられる。だから、関係なくない」
ハッキリと芯の通った声に、依はぐっと押し黙った。千景はいつも依のことを自由にさせてくれた。依が一方的に怒っても穏やかに宥めたし、強く自分の意見を貫き通そうとすることはなかった。
けれど、今回ばかりは違った。こんなにも依の言葉を押しのけて言う千景は初めてだった。
依はとても信じられなかった。亜純に何度も想いを伝えても付き合えなかった。だから真白に頼ることになったのだ。
千景から付き合いと言ったところで、元夫である自分の友人と付き合うなんて、亜純がするはずがないと思った。
「2人で話し合って決めたんだよ。不思議に思うのはわかるよ。俺たちは長い間友達だったし、依とは結婚してたし。だからお互いにないって思ってた」
「じゃぁ何で……」
「亜純が色々苦しんでた。依とのことはもう忘れて、新しく恋愛をしたいって。……俺も、依が好きだった人だから好きになるつもりはかったけど、亜純とじっくり話してたら好きだったんだなって気付いた」
「気付いたってなんだよ。好きって気持ちに気付かないなんてことあるわけないだろ? 気付かなかったなら、お前の気持ちなんかその程度ってことだろ!?」
依はかあっと頭に血が上って、大きな声で叫んだ。依の亜純に対する気持ちは、どんなに頑張って隠そうとしても隠しきれないほど大きな気持ちだ。それを気付かなかったなんて言えるような人間に亜純を好きだと言う資格などないと思った。
「そんなことない。亜純のことはちゃんと好きだよ。一緒にいて穏やかでいられるし、俺が一緒にいたいと思ったんだから」
「一緒にいたいのはお前だけじゃない! そんな、簡単に……」
「簡単じゃないよ。亜純がどれだけ依のことで泣いてたかわかる? 子供が欲しいって言った亜純の気持ちより、自分の独占欲を優先したじゃん」
「そんなのお前には関係ない!」
「関係あるよ。俺は、亜純との子供なら欲しい。子供達と一緒に色んなところに行きたいし亜純が子供の側で笑ってるところを1番近くで見たい。俺にはそれがしてあげられる。だから、関係なくない」
ハッキリと芯の通った声に、依はぐっと押し黙った。千景はいつも依のことを自由にさせてくれた。依が一方的に怒っても穏やかに宥めたし、強く自分の意見を貫き通そうとすることはなかった。
けれど、今回ばかりは違った。こんなにも依の言葉を押しのけて言う千景は初めてだった。
12
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
継承される情熱 還暦蜜の符合
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる