魔法使い令嬢は婚約破棄されたあげく

こと葉揺

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彼の望む愛の行方

9 ♡※

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 淫紋の効果は絶大だったのだと痛感した。キスされて胸を優しく触られているが気持ちよさが大きくなるにつれて恥ずかしさも出てきた。

 声が漏れるのが嫌で口を押さえながら体を固くしていた。
 ノエ様は心配そうに私の頭を撫でてくれた。

「シェリア…大丈夫?嫌ならやめるよ?」

「…やだ、やめないで」

 少し動きを止めていたノエ様は深くキスしながら体を手で撫で回してきた。くすぐったいようなずっと撫でていて欲しいような心地よさがあった。

 すると力が抜けたのか敏感なところを探るように触られても気持ちよさが出てきた。

「何回もしてるのにはじめてみたいだ」

 顔が赤くなり欲望に染まった目で私を見つめるノエ様はいつ見ても愛おしかった。

 私の中に指が入ってきたが、いつもされているからか痛みなどなくスムーズな入った。
 私の気持ちいいところを的確に触ってきて何度かわからないが絶頂を迎えられた。
 気持ちいい…。淫紋の効果で発情している時とは違う満足感があった。
 彼に触られて、彼の手でイかされたということが嬉しかった。

「もう、ここが痛くて…もういいかな?」

 行為が始まった時から苦しそうにはりつめていた彼のものを私の入り口に当てて挿入りたそうに亀頭をすりすりと撫でつけられた。

 ゆっくりと私の中に挿入ってきてミチミチという感覚はあったが体は彼のものを覚えているので離さないように引き込むように動いていた。

 私はその感覚に必死になっていると上から水が落ちてきた。
 ノエ様の方を見ると目から涙が落ちていた。

「うれしい…シェリア、シェリアッ」

 胸がきゅうと締め付けられて思わず彼を思いっきり抱きしめた。

「私もうれしいっ…動いて?…っぁ」

 それからは激しく彼が動き、時には弄ぶようにされて2人で快楽の園を楽しんだのだ。









 ノエ様は何度も私の中に精液を出したからか疲れて寝ていた。…いや契約したドラゴンとの魔力の交換はこれであっていた筈だ。契約の紋章がお腹についているのだ。
 彼の魔力を私に移すには性行為をするのがいい。

 嬉しかった。ノエ様とこうして結ばれたのは。本心から体を繋げた。


 でも、もう一つ目的があった。マツリカ様をどうにかすることだ。



 私はノエ様がここから出れないように魔法をかけて繭の外へ出たのだ。









「ひどい…」

 あたりを見ると街だったものは無くなり闇の魔力で瘴気が出来ていた。
 ラ・フォア城だけ残っているということはあそこにマツリカ様がいるのだろう。

「あ、おい。ノエの女」

 声をかけてきたのはルカ様だった。

「ノエは?てかどうなってるんだ?いきなり闇の瘴気が広がったと思ったら他のもの全部溶けてしまった」

 どうやらここにあるもの全てが無に帰った方だった。見れる限りで見回るとそうだったらしい。
 どうしてこのようなことに…。私がシャルル様にしがみつかなけばこんなことにならなかった。悔やんでも仕方ないがやれることはやらなければ。

「そうなんですか…。でもルカ様だけでも生きていてよかったです」

 家族の顔を最後にもう一度見たかった、などというのはおこがましいのだろう。辛い気持ちに支配されそうだったがそんな場合ではないと魔法使いとしての矜持で前を向いた。

「あー…ノエはドラゴンの先祖返りだろ?光の。俺はノエの双子の兄で闇のドラゴンの先祖返りなんだよ。だから逆に元気になってむしろドラゴンとして覚醒しちゃったというか…」

 言われてみるとあの死にそうな顔ではなく元気でツヤツヤしていた。こうしてみると本当にノエ様に似ていた。

「とりかく!あの城に行ってみないか?絶対死なせないから」

 ルカ様の手助けは正直ありがたかった。

「お言葉に甘えて、参りましょう」


 2人で移動魔法を使いマツリカ様のところへ飛んだ。






『きたきたきたきた♡おそいよぉ。たいくつだったの』


 中に入るとつぎはぎだらけのシャルル王子を抱えたマツリカ様様らしき人が迎えてくれた。
 以前とは声も違う気がする。


「げ、聖女じゃないか…?こいつ魔力高すぎて精霊になってるじゃん」

 どうやら闇の精霊と化してしまったのだ。

『あなたたちを倒してこの世界を再生に導くの。マツリカとシャルルが幸せになれる世界…♡』

 彼女は遠慮なく魔法で攻撃してきた。強い…。この場はどうしても闇のマナが多くてこちらは不利だった。


「まぁちょっと任せて」

 ルカ様は前に出て周りのマナを吸収すると体がどんどん変化して行った。
 

『な、なに…こわいこわいしゃるるたすけて』

 どんどん闇のドラゴンに姿を変化させていった。この城中の闇のマナがルカ様に取り込まれたのだ。

「これで五分五分の平等な戦いですね…」

 私はこれを機に反撃を始めた。光の魔法剣を出しマツリカ様へ近づいていった。
 マツリカ様はこの状況の整理ができていないのか固まったままだった。


「すみません。ちょっと痛いですけど我慢してくださいね」

 彼女の胸に剣を刺すと闇の魔力が体の中から抜けていって、元のマツリカ様へ戻っていった。

「…良かった。間に合った」

 元に戻りさえすれば彼女は魔法のバランスを整えることが出来るだろう。私も出来る限りで協力しよう。

 そう思っていた矢先、嫌な予感がした。



「なんで?シェリアはこの女にも優しくするの?」

 肉が弾け飛ぶ音が聞こえた。血が飛び散った奥からはノエ様が歩いてきていた。

「ノエ様…」

「どうして?この女のせいで不幸になったんでしょう?この女が1番罰せされるべきだ。自分の仕事をシェリアにやらせて、必要以上にシャルルを独占し、シェリアの悪口を使用人にいっていじめさせた。この女だけがたすかるのだけは許せない……」

 ノエ様はツカツカと私に詰め寄って強い力で抱きしめた。


「ねぇ?僕のこと好きじゃないの?かってなことしてさぁ…。せっかく結ばれたのに起きたら横にいなかった時の気持ちわかる?それに、アレ。ルカが覚醒してるけど契約した?ルカともセックスしたの?ねぇ?」

「おい、ノエ!やめろ。それにこいつとセックスしてない。それに俺は勃たないの知ってるだろ」

「うるさいな、それでもわからないじゃない。じゃあどうやって覚醒したんだよ」

「マツリカの闇の魔力で…今はもう無の空間になったが、お前が来る前は闇の瘴気でいっぱいたった。もうこの世界には俺たち3人しかいない」

 その言葉を聞いて涙が溢れてきた。そうだ。ここにはもう大切な人たちが居ないのだ。

「うぅ…おとうさん、おかあさん」

「シェリア…。よしよし大丈夫。僕がいるからね。ルカは下僕にして2人で仲良く暮らしていこ?さびしくないよ。それにさ、奇跡的に2つのドラゴンが覚醒したんだ。昔の言い伝えでは世界が滅びると言われていたけど、本当は違う。世界の再生のために2つのドラゴンが空を漂うんだ。行こう」


 また優しく包まれてふわりと空へと飛びたった。
 それに倣いルカ様もふわりと空を飛んだ。


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