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しおりを挟むいま俺がいるのは魔物が多く住んでる魔国の近くににある森らしい。ものすごく危険な森らしくマッチョに守られながら歩く。
マッチョは騎士団の団長でみんなの反対を押し切って転移魔法陣をつかい俺を助けにきてくれたらしい1人で。
1人なのは魔法陣の数が足りないとかなんとか。
詳しく説明されたがファンタジーすぎてよくわからなかった…。さすが異世界。
魔法陣は森の出口に設置してあるらしく俺達はそこを目指して現在歩いてる。
神託により助けに来たと言っていたからやはり俺の転移場所が間違っていたのだろう。あの駄神が!!
正直、最初は頭がぶっとんでるヤバいやつかと思ったがこの人ものすごくいい人だ!
神子じゃないという主張は聞いてくれないがそれ以外は俺の話をちゃんと聞いてくれるしどこの誰かとは違って会話が成り立つ。感動した!
今だって「ギャーギャー」騒ぐうるさい俺を怒ったりせず暖かい目で見守りながら俺を守るために魔物を真っ二つに切ったり、叩き切ったりしてくれている。めっちゃ強い。
でも切った魔物をこちらに見せてくるのはやめてほしい。地球人だからね俺?グロすぎて吐きそう…。
まぁ、でも優しいし、強いとか最高じゃないか!!
ちなみにマッチョはレジスという名前らしい。
ふふふ、これが、異世界交流か!
カモン俺のスローライフ!!
「る~るる、る~るん♪」
変態野郎から離れられたこともあり気分が良くなった俺はよくわからない歌を歌いながら森を歩く。
レジスは俺の歌を聴きながら「なんて素晴らしい歌だ」と言って感動していた。わけわからん。
何十匹目かの魔物を斬り終えたレジスがつぶやく。
「ふむ、それにしてもやはりここら辺の魔物は強いな。魔王のしわざか?」
「魔王?」
「ここの森のさらに奥に行き続けると魔国があるんだ。そこの王だな。ここの森の魔物をドラゴンと戦わせて強くさせてるという噂がある。あくまで噂だが…」
へー、そうなんだ、
あのドラゴンだったりして笑
まぁ、そんなわけないか。
「ほぇー。そうなんだぁ。こわいねぇ」
「そうだな。一応我が国と魔国は協定を結んでいるから大丈夫だと思うがここの魔物とあのドラゴンが攻めて来られた時を思うと恐ろしい…。まぁ、神子様は俺が守るから安心してくれ!」
レジスはそう言って背中をバシバシ叩いてくる。
まぁでも協定結んでるんだったらなんかよくある魔王を倒せ!みたいのじゃないのか、よかった、と安心してたらレジスがボソッと呟いた。
「あの時のドラゴンとドラゴンに乗っている魔王は美しかったな。」
「ドラゴンは漆黒だが魔王は白銀の髪を靡かせていてドラゴンとは対照的だがだからこそ美しく人々を魅了していた…」
背中に冷や汗が落ちる。
えっ?今なんて言いました?
白銀の髪に漆黒のドラゴン?wat??
俺は恐る恐る「瞳の色何色でした?」と聞いたらレジスは「聴こえていたのか、すまない。確か赤色をしていた。」と答えてくれた。
ノォォォオオオオオ!!
え?魔王?あいつ魔王?あの変態が?
えっ?レジス埋めたよ、魔王?
魔王埋めちゃったよ?どうすんの?
ていうか、あの状況的にあいつからしたら俺が埋めた感じになってない?
レジス顔見られてないけど俺みられてるよ?
死んだ、絶対終わった。俺の人生。
「………」
あ、そうだ、聞かなかったことにしよ。
「レジス、俺は何にも知らないし聞いてないからねっ!」
「おっ、おう、あぁ、」
困惑するレジスを放っておいて俺は再び歌いながら出口に向かい森を歩くのだった。
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