18 / 41
第三章 格差美少女! 折笠 詩乃
3-1 姫川さんにも弱点があった! 学生カップルコンプレックス
しおりを挟む
五月二一日
折笠さんの誕生日パーティーをすることになった。
集合場所はファミレスの『スターダスト』
わたしこと鳴海千尋は一○分もまえにファミレスに到着してしまった。すると、村雨さんはすでに店内でカフェラテを注文していた。
「はやいね。村雨さん」
「鳴海さん、お疲れ様です。プレゼントはなににしました?」
「わたしはマグカップだよ」
「わたくしは万年筆です」
「えー! 高いんじゃないの?」
たわいのない会話をしていると窓の外から姫川さんが手を振っている。彼女の私服をはじめて見たけれど、シンプルなコーディネイトが彼女に似合っていた。いつものパーカーは変わらなかった。彼女は店内に入ってきた。
「よろ~。みんな早いね。じゃあ、行こうか」
「お姉さま、私服可愛いですね」
村雨さんが姫川さんを褒めたたえる。
「それは愛の告白と受け取って……」
「それはもういいです」
わたしはたまらず突っ込みを入れた。
「折笠さんは来ていらっしゃらないのですか?」
「もうすぐ来ると思うよ。わたしが家を知っているから、途中まで歩こうか」
わたしたちはくだらないことをしゃべりながら歩いた。女子高生である。話題はつきない。
そのとき学生カップルが目の前を横切った。男子が女子の腰を引き寄せる。
「うっ! 心臓が!」
姫川さんに異変が起きた。胸を押さえて苦しみだす。
「どうしたんですか。姫川さん」
「発作が……」
「発作ってなにか病気をお持ちなんですか?」
「学生カップルが……苦しい」
「学生カップルがどうかしたんですか」
姫川さんは地面にうずくまってしまった。
「リア充、この世界からいなくなれ……」
「いまなんて?」
「大変! いま救急車を……」
「それには及ばない。発作は……収まるから」
「ヒメ。またやったか。あんたって人は」
そのとき折笠さんがわたしたちを迎えに来た。彼女も私服だった。姫川さんとは対照的な可愛い系コーデだった。
「折笠さん! 大変なんです。姫川さんが発作を起こして」
「なにが発作だ。立てこら」
折笠さんが蹴るまねをする。
「折笠さん!」
「こいつ、学生カップルを見ると、ジェラシーで行動不能になるの」
『えー!』
わたしと村雨さんは異口同音した。
「恵まれた青春をむさぼっている有象無象のごくつぶし連中を見るとあたしのなかでなにかが疼くの」姫川さんは立ち上がった。
「言い方ね。自分もリア充になればいいじゃない」折笠さんの視線は氷のよう。
「女子校に男いないよ~」姫川さんは情けない声をだす。
「護国寺先生は?」
「先生はお兄ちゃんだよ。彼ピじゃないよ。リア充この世界からいなくなれ。あたしのまえで幸せをアピールするな」
「そんなこといって、自分がリア充になったらどうするのですか?」村雨さんが上目遣いに質問した。
「すべてを水に流すわ」姫川さんは真顔で答えた。
「ズコーッ」みんなそろって令和に昭和のずっこけをしてしまった。
折笠さんの誕生日パーティーをすることになった。
集合場所はファミレスの『スターダスト』
わたしこと鳴海千尋は一○分もまえにファミレスに到着してしまった。すると、村雨さんはすでに店内でカフェラテを注文していた。
「はやいね。村雨さん」
「鳴海さん、お疲れ様です。プレゼントはなににしました?」
「わたしはマグカップだよ」
「わたくしは万年筆です」
「えー! 高いんじゃないの?」
たわいのない会話をしていると窓の外から姫川さんが手を振っている。彼女の私服をはじめて見たけれど、シンプルなコーディネイトが彼女に似合っていた。いつものパーカーは変わらなかった。彼女は店内に入ってきた。
「よろ~。みんな早いね。じゃあ、行こうか」
「お姉さま、私服可愛いですね」
村雨さんが姫川さんを褒めたたえる。
「それは愛の告白と受け取って……」
「それはもういいです」
わたしはたまらず突っ込みを入れた。
「折笠さんは来ていらっしゃらないのですか?」
「もうすぐ来ると思うよ。わたしが家を知っているから、途中まで歩こうか」
わたしたちはくだらないことをしゃべりながら歩いた。女子高生である。話題はつきない。
そのとき学生カップルが目の前を横切った。男子が女子の腰を引き寄せる。
「うっ! 心臓が!」
姫川さんに異変が起きた。胸を押さえて苦しみだす。
「どうしたんですか。姫川さん」
「発作が……」
「発作ってなにか病気をお持ちなんですか?」
「学生カップルが……苦しい」
「学生カップルがどうかしたんですか」
姫川さんは地面にうずくまってしまった。
「リア充、この世界からいなくなれ……」
「いまなんて?」
「大変! いま救急車を……」
「それには及ばない。発作は……収まるから」
「ヒメ。またやったか。あんたって人は」
そのとき折笠さんがわたしたちを迎えに来た。彼女も私服だった。姫川さんとは対照的な可愛い系コーデだった。
「折笠さん! 大変なんです。姫川さんが発作を起こして」
「なにが発作だ。立てこら」
折笠さんが蹴るまねをする。
「折笠さん!」
「こいつ、学生カップルを見ると、ジェラシーで行動不能になるの」
『えー!』
わたしと村雨さんは異口同音した。
「恵まれた青春をむさぼっている有象無象のごくつぶし連中を見るとあたしのなかでなにかが疼くの」姫川さんは立ち上がった。
「言い方ね。自分もリア充になればいいじゃない」折笠さんの視線は氷のよう。
「女子校に男いないよ~」姫川さんは情けない声をだす。
「護国寺先生は?」
「先生はお兄ちゃんだよ。彼ピじゃないよ。リア充この世界からいなくなれ。あたしのまえで幸せをアピールするな」
「そんなこといって、自分がリア充になったらどうするのですか?」村雨さんが上目遣いに質問した。
「すべてを水に流すわ」姫川さんは真顔で答えた。
「ズコーッ」みんなそろって令和に昭和のずっこけをしてしまった。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる