21 / 41
第三章 格差美少女! 折笠 詩乃
3-4 折笠パパご登場!
しおりを挟む
「いらっしゃい」
現れたのは折笠さんのパパである折笠征十郎さんだった。
折笠さんは勉強まで彼に教わっているらしい。
年齢は五七歳。お父さんというよりおじいさんという年齢だが四〇を過ぎてできた娘を文字通り溺愛しているとか。だが背筋がピンとした年齢より若く見えるタイプである。
「うるさかった? わたしたち?」
折笠さんが彼に問う。
「女三人寄れば姦しいともいうからね」
「いやだわ。女子高生四人いれば騒々しいでしょう。征十郎くん」
折笠さんは父親のことをくんづけで呼んでいる。
「折笠さんはお父様のことをくんづけで呼んでいるのですか」
わたしが気になっていることを村雨さんが質問した。直で尋ねるとか勇者だなあ。
「年齢はかなり離れているけど彼はわたしにとって優しい兄よ」
折笠さんは髪の房をいじくる。征十郎さんは微笑んだだけだった。
「わたしは兄妹みたいな親子になりたかったんだ。詩乃は神様がわたしにくれた宝物。彼女はわたしの夢を叶えてくれただけさ。ごゆっくり」
それだけいって退場した。
「そういえば護国寺先生は彼女さんとかいるのでしょうか」
村雨さんは人差し指でブリッジをつくり上目遣いに質問した。
「やめたほうがいいわよ。護国寺先生はスクールカウンセラーの小山ひかり先生が好きだから」
折笠さんが髪を指で巻きながら忠告する。
「どこでそんな情報を仕入れてくるのよ」
姫川さんは折笠さんの情報網の広さになかば呆れ気味である。
「彼女がいるのにわたくしを誘惑したのですか?」
村雨さんは相当なショックを受けている。
いやいやいや。護国寺先生は自己紹介しただけだ。
「いんや。護国寺先生の片思い。ひかりちゃんの前で護国寺先生タジタジなんだもん」
「村雨さん、惚れっぽいって言われたことある?」
わたしは村雨さんに尋ねた。
「エスパー⁉ 中学のときよく言われました」
そりゃそうだ。好みのタイプが挨拶してくれただけで勘違いしているんだもん。
「ところで姫川さんと折笠さんはいつからの付き合いなんですか?」
「あれは太平洋戦争が終わったとき、シベリアから逃亡したあたしを匿ったのが詩乃でした……」
「ずいぶん昔ですね」
姫川さんの大ボケに村雨さんが真面目なかえしをする。
「どあほう。あれはコトジョの入学式……」
折笠さんは回想をはじめた。
現れたのは折笠さんのパパである折笠征十郎さんだった。
折笠さんは勉強まで彼に教わっているらしい。
年齢は五七歳。お父さんというよりおじいさんという年齢だが四〇を過ぎてできた娘を文字通り溺愛しているとか。だが背筋がピンとした年齢より若く見えるタイプである。
「うるさかった? わたしたち?」
折笠さんが彼に問う。
「女三人寄れば姦しいともいうからね」
「いやだわ。女子高生四人いれば騒々しいでしょう。征十郎くん」
折笠さんは父親のことをくんづけで呼んでいる。
「折笠さんはお父様のことをくんづけで呼んでいるのですか」
わたしが気になっていることを村雨さんが質問した。直で尋ねるとか勇者だなあ。
「年齢はかなり離れているけど彼はわたしにとって優しい兄よ」
折笠さんは髪の房をいじくる。征十郎さんは微笑んだだけだった。
「わたしは兄妹みたいな親子になりたかったんだ。詩乃は神様がわたしにくれた宝物。彼女はわたしの夢を叶えてくれただけさ。ごゆっくり」
それだけいって退場した。
「そういえば護国寺先生は彼女さんとかいるのでしょうか」
村雨さんは人差し指でブリッジをつくり上目遣いに質問した。
「やめたほうがいいわよ。護国寺先生はスクールカウンセラーの小山ひかり先生が好きだから」
折笠さんが髪を指で巻きながら忠告する。
「どこでそんな情報を仕入れてくるのよ」
姫川さんは折笠さんの情報網の広さになかば呆れ気味である。
「彼女がいるのにわたくしを誘惑したのですか?」
村雨さんは相当なショックを受けている。
いやいやいや。護国寺先生は自己紹介しただけだ。
「いんや。護国寺先生の片思い。ひかりちゃんの前で護国寺先生タジタジなんだもん」
「村雨さん、惚れっぽいって言われたことある?」
わたしは村雨さんに尋ねた。
「エスパー⁉ 中学のときよく言われました」
そりゃそうだ。好みのタイプが挨拶してくれただけで勘違いしているんだもん。
「ところで姫川さんと折笠さんはいつからの付き合いなんですか?」
「あれは太平洋戦争が終わったとき、シベリアから逃亡したあたしを匿ったのが詩乃でした……」
「ずいぶん昔ですね」
姫川さんの大ボケに村雨さんが真面目なかえしをする。
「どあほう。あれはコトジョの入学式……」
折笠さんは回想をはじめた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる