407 / 909
第二十四章 大神の集落にて悪魔の子を救出せよ
堕天の君
しおりを挟む
呻き声を上げて倒れている住民達の上を歩き、オファニエルは十六夜に手を翳す。十六夜の腕や足を貫いた魔法による糸は月の魔力に曝されて溶けており、彼女の身体は地面に投げ出されていた。
「……ぁ、天使、さま?」
『平気か? 私には傷は治せない、だが痛みはマシになったはずだ。少し下がっていろ』
「天使様……あんな、小さな子を、殺すんですか?」
『見た目に騙されるな、アレは堕天使そのものだ。子供ですらない』
グロルは母親が自分を庇って死んだ事にも、ヘルが腕を犠牲にして助けた事にも特に反応を見せなかった。
突き飛ばされた先で棒立ちをして、じっとオファニエルを見つめている。
『堕天使は悪魔よりも忌むべきもの。悪魔が害を成せば信仰は場合によっては増えるが、彼等が人間に害を成せば創造主の信仰は減るだろう…………だから、上は絶対に殺せと言ってきている』
グロルはゆっくりと顔を俯かせ、前髪で瞳を隠す。だが、醜く歪んだ口元は隠し切れていない。
『……参る!』
キィンッ、と金属音が響く。オファニエルの剣はトールが持った槌の短い柄に受け止められていた。
『貴方はこの世界の神性ではないでしょう! こちらの事情に関わらないでいただきたい!』
『小人の無事は友人の弟の望みだ』
『アレは子供などではない! 魔物使いも気が付くはずだ、アレは守るべきものなどではないと!』
オファニエルの剣と鎧が一際強く輝き、トールを吹っ飛ばした。
『善性の神を封じる結界か……ロキなら、効かなかっただろうな』
『そこで寝ていろ!』
オファニエルは柄でトールの頭を殴りつけ、彼を気絶させるとグロルに向き直った。ようやく視界を戻したアルが飛びかかるタイミングを図るが、エアによって止められる。
『あの脳筋が負けたんだ、君に勝てるわけない。高濃度の月の魔力を大量に浴びているのですら危ないんだ、出しゃばらない方がいい。自分がどうなってるかくらい分かるだろ? 身体の内側から爛れていく感覚があるだろ?』
『……だが、あの子はヘルが助けると決めた子だ』
『出来ませんでしたでいいだろ? あの子と君、どっちを失ったらヘルがより悲しむか考えなよ。ま、君が死んでもあの子が死なないとは限らないけど』
『あの子を守っても、私が死ぬとは限らない』
アルは再び姿勢を低くし、耳を寝かせる。前足が地面から離れた瞬間、後ろ足に触手が絡みつき、アルの身体はヘルの隣に引き摺られる。
『離せっ……!』
『流石は賢者の石、凄い出力だ。今の僕には君を抑えるのは難しい、でも……』
触手の先端に牙が現れ、アルの腹を食い破って体内に入り込む。
『僕が石の力を直接吸収すれば、君に生命維持に必要な魔力しか渡さなければ……』
アルは首元に回されたエアの腕に噛み付く。言葉を発することはなく、ただ無意味に唸りながら。
『……痛い? 良かったね、可愛くなくて。可愛い声上げてたら、もっとぐちゃぐちゃにしてたよ』
エアは腕をアルに噛ませたまま、もう片方の腕をオファニエルに向ける。魔法陣が指先に現れるが、光が灯る前に指がボロボロと風化した石のように崩れだした。
『月の魔力による魔力崩壊がここまでとはね』
エアは妨害を諦め、細胞の正常化よりも体積を増やす事に集中し、アルとヘルを体内に沈めた。
『…………フェルは、まだ使えるか……? 魔力及び神力耐性の自己進化アルゴリズムは全細胞に組み込んであるから、僕よりも早く適応するはずだけど……溜めさせた魔力が少ないからな、式はできてても使えるかどうか……』
崩れた手をちぎり、新しい手を生やし、その手をじっと睨む。
『魔法陣を組み込み過ぎた、失敗だよ。容量がもう無い。解析に使える細胞は腕二本分ってとこかな』
虚空に伸ばした手は再び石のように固く変質し、表面にヒビが入る。先程と同じだが、先程よりも崩壊は遅い。
エアが月の魔力への耐性獲得に執心している頃、オファニエルは足に縋りついた十六夜によってグロルへの剣を止めさせられていた。
『……鳴神』
「ダメ、です……天使様、こんな……小さな子を、殺す、なんて……」
『何をやっているんだ、無理に動くな! 傷が開いて……あぁ、私には傷は治せないといつも言っているだろう!』
オファニエルが先程行ったのは簡単な止血と麻痺。だから十六夜は痛みに囚われることなく、自身の損傷を考慮出来ずに這いずった。
「……オファニエル、って言ったっけ?」
グロルはオファニエルの剣が届かない位置まで下がり、可愛らしく首を傾げる。
「今度はその娘にご執心? 相も変わらず女好きだな、お揃いお揃い、仲良くしようぜ?」
『…………本性を表したか、アザゼル! 聞いたな鳴神! 今すぐ離せ!』
十六夜に既に意識は無かった。だが、オファニエルの足に絡みついた腕の力は変わらない。
今のオファニエルにはその腕を振りほどきグロルを切るなど造作もない事だったが、十六夜の腕を無理に動かせばオファニエルには止められない程の血が溢れ、死んでしまうかもしれない。だからオファニエルは彼女自身に腕を動かしてもらいたかった。
「あの……なんて言ったっけか、うん、忘れた。黒かったり白かったり……変な色の天使が居ただろ、お前の想い人、自由意志を司るとかいう意味分かんねぇ奴。アレはもう死んだか? 乗り換えか?」
『黙れ堕天使が!』
「……なぁ、オファニエル? 俺は確かにこの女に子を孕ませ、今はその子の身体に乗り移っている。けどなぁ、この身体は正真正銘人間のもの。そこらの人間共が守ろうとした、子供のものだ。いーのかよ、俺ごと子供切って!」
『……っ、上の命令は絶対だ!』
グロル──いや、アザゼルはオファニエルと戦う訳にはいかなかった。子供の身体は脆く、魔力の蓄積量も出力も低い。真正面から戦闘となれば確実に負ける。
だからアザゼルは、月の魔力による被曝から「自分を守ろうとしている連中」が回復する時間を稼ぎたかった。
「天使なんてつまらねぇだろ? それもお前みたいに感情が成長している奴にはよ。あの史上最悪の天使長様だって、封印されただけで済んでる。お前みてぇな木っ端天使が堕ちたところで誰も殺しにきやしないさ」
『馬鹿を言うな! 全ての堕天使には抹殺命令が出ている、ルシフェルは殺しきれていないだけだ!』
「ふんっ……俺も結構な時間放置プレイ食らってたけどな。その間に何人作ったか……ま、今回は少し派手にやり過ぎたから見つかっただけだろ。慎重に人間の身体を移り歩けば見つかりやしない。
それになぁオファニエル、お前は前の想い人に「つまらない奴だ」とフラれたんだろ? なら、堕天でもして真面目だけじゃないところ見せてやれよ、惚れ直すかもしれねぇぜ」
『…………たぁちゃんが?』
「そんな名だったっけ? ああ、そうだ、惚れ直すだろうよ」
オファニエルの瞳に迷いが宿る、だが、その迷いは集落を覆っていたドームが消えたことにより頭の隅に追いやられた。
「……っ!? 結界の方が早かったか……! 飛べるか……!?」
小さな女の子の背中の皮膚を突き破り、血を撒き散らして真っ黒い翼が生える。アザゼルはグロルの身体に負荷をかけてでも逃げる必要があった。これまで角や翼を現したのはどれだけの負荷に耐えられるかという試験のみ、本当に飛ぶのはグロルの身体では初めての試みだった。
『よし! 神の力なら鳴神の傷も少しは癒せる!』
オファニエルにも翼が戻り、神力の供給も戻る。十六夜の出血を止め傷を僅かに塞ぐと、オファニエルはアザゼルを追って飛び立つ。
『待てアザゼル! 裁きを受けろ!』
『駄目だ、遅いっ……嫌だ、くそっ……』
アザゼルは翼を畳み、重力に身を任せ急降下する。その先にはエアがいた。
「た、たすけておにーちゃーん!」
エアに抱き着き、可愛らしい声を発する。エアは戸惑いながらも剣を構えて降りてくるオファニエルに対応する為、結界を構築しようと手を掲げる──が、その手はまた崩れた。
『まだダメかっ! どうする、どうやって……っ!』
グロルを引き剥がして遠くに投げる、という案を思い付くと同時に、エアは岩陰に倒れた男が起き上がるのを見た。
「……ぁ、天使、さま?」
『平気か? 私には傷は治せない、だが痛みはマシになったはずだ。少し下がっていろ』
「天使様……あんな、小さな子を、殺すんですか?」
『見た目に騙されるな、アレは堕天使そのものだ。子供ですらない』
グロルは母親が自分を庇って死んだ事にも、ヘルが腕を犠牲にして助けた事にも特に反応を見せなかった。
突き飛ばされた先で棒立ちをして、じっとオファニエルを見つめている。
『堕天使は悪魔よりも忌むべきもの。悪魔が害を成せば信仰は場合によっては増えるが、彼等が人間に害を成せば創造主の信仰は減るだろう…………だから、上は絶対に殺せと言ってきている』
グロルはゆっくりと顔を俯かせ、前髪で瞳を隠す。だが、醜く歪んだ口元は隠し切れていない。
『……参る!』
キィンッ、と金属音が響く。オファニエルの剣はトールが持った槌の短い柄に受け止められていた。
『貴方はこの世界の神性ではないでしょう! こちらの事情に関わらないでいただきたい!』
『小人の無事は友人の弟の望みだ』
『アレは子供などではない! 魔物使いも気が付くはずだ、アレは守るべきものなどではないと!』
オファニエルの剣と鎧が一際強く輝き、トールを吹っ飛ばした。
『善性の神を封じる結界か……ロキなら、効かなかっただろうな』
『そこで寝ていろ!』
オファニエルは柄でトールの頭を殴りつけ、彼を気絶させるとグロルに向き直った。ようやく視界を戻したアルが飛びかかるタイミングを図るが、エアによって止められる。
『あの脳筋が負けたんだ、君に勝てるわけない。高濃度の月の魔力を大量に浴びているのですら危ないんだ、出しゃばらない方がいい。自分がどうなってるかくらい分かるだろ? 身体の内側から爛れていく感覚があるだろ?』
『……だが、あの子はヘルが助けると決めた子だ』
『出来ませんでしたでいいだろ? あの子と君、どっちを失ったらヘルがより悲しむか考えなよ。ま、君が死んでもあの子が死なないとは限らないけど』
『あの子を守っても、私が死ぬとは限らない』
アルは再び姿勢を低くし、耳を寝かせる。前足が地面から離れた瞬間、後ろ足に触手が絡みつき、アルの身体はヘルの隣に引き摺られる。
『離せっ……!』
『流石は賢者の石、凄い出力だ。今の僕には君を抑えるのは難しい、でも……』
触手の先端に牙が現れ、アルの腹を食い破って体内に入り込む。
『僕が石の力を直接吸収すれば、君に生命維持に必要な魔力しか渡さなければ……』
アルは首元に回されたエアの腕に噛み付く。言葉を発することはなく、ただ無意味に唸りながら。
『……痛い? 良かったね、可愛くなくて。可愛い声上げてたら、もっとぐちゃぐちゃにしてたよ』
エアは腕をアルに噛ませたまま、もう片方の腕をオファニエルに向ける。魔法陣が指先に現れるが、光が灯る前に指がボロボロと風化した石のように崩れだした。
『月の魔力による魔力崩壊がここまでとはね』
エアは妨害を諦め、細胞の正常化よりも体積を増やす事に集中し、アルとヘルを体内に沈めた。
『…………フェルは、まだ使えるか……? 魔力及び神力耐性の自己進化アルゴリズムは全細胞に組み込んであるから、僕よりも早く適応するはずだけど……溜めさせた魔力が少ないからな、式はできてても使えるかどうか……』
崩れた手をちぎり、新しい手を生やし、その手をじっと睨む。
『魔法陣を組み込み過ぎた、失敗だよ。容量がもう無い。解析に使える細胞は腕二本分ってとこかな』
虚空に伸ばした手は再び石のように固く変質し、表面にヒビが入る。先程と同じだが、先程よりも崩壊は遅い。
エアが月の魔力への耐性獲得に執心している頃、オファニエルは足に縋りついた十六夜によってグロルへの剣を止めさせられていた。
『……鳴神』
「ダメ、です……天使様、こんな……小さな子を、殺す、なんて……」
『何をやっているんだ、無理に動くな! 傷が開いて……あぁ、私には傷は治せないといつも言っているだろう!』
オファニエルが先程行ったのは簡単な止血と麻痺。だから十六夜は痛みに囚われることなく、自身の損傷を考慮出来ずに這いずった。
「……オファニエル、って言ったっけ?」
グロルはオファニエルの剣が届かない位置まで下がり、可愛らしく首を傾げる。
「今度はその娘にご執心? 相も変わらず女好きだな、お揃いお揃い、仲良くしようぜ?」
『…………本性を表したか、アザゼル! 聞いたな鳴神! 今すぐ離せ!』
十六夜に既に意識は無かった。だが、オファニエルの足に絡みついた腕の力は変わらない。
今のオファニエルにはその腕を振りほどきグロルを切るなど造作もない事だったが、十六夜の腕を無理に動かせばオファニエルには止められない程の血が溢れ、死んでしまうかもしれない。だからオファニエルは彼女自身に腕を動かしてもらいたかった。
「あの……なんて言ったっけか、うん、忘れた。黒かったり白かったり……変な色の天使が居ただろ、お前の想い人、自由意志を司るとかいう意味分かんねぇ奴。アレはもう死んだか? 乗り換えか?」
『黙れ堕天使が!』
「……なぁ、オファニエル? 俺は確かにこの女に子を孕ませ、今はその子の身体に乗り移っている。けどなぁ、この身体は正真正銘人間のもの。そこらの人間共が守ろうとした、子供のものだ。いーのかよ、俺ごと子供切って!」
『……っ、上の命令は絶対だ!』
グロル──いや、アザゼルはオファニエルと戦う訳にはいかなかった。子供の身体は脆く、魔力の蓄積量も出力も低い。真正面から戦闘となれば確実に負ける。
だからアザゼルは、月の魔力による被曝から「自分を守ろうとしている連中」が回復する時間を稼ぎたかった。
「天使なんてつまらねぇだろ? それもお前みたいに感情が成長している奴にはよ。あの史上最悪の天使長様だって、封印されただけで済んでる。お前みてぇな木っ端天使が堕ちたところで誰も殺しにきやしないさ」
『馬鹿を言うな! 全ての堕天使には抹殺命令が出ている、ルシフェルは殺しきれていないだけだ!』
「ふんっ……俺も結構な時間放置プレイ食らってたけどな。その間に何人作ったか……ま、今回は少し派手にやり過ぎたから見つかっただけだろ。慎重に人間の身体を移り歩けば見つかりやしない。
それになぁオファニエル、お前は前の想い人に「つまらない奴だ」とフラれたんだろ? なら、堕天でもして真面目だけじゃないところ見せてやれよ、惚れ直すかもしれねぇぜ」
『…………たぁちゃんが?』
「そんな名だったっけ? ああ、そうだ、惚れ直すだろうよ」
オファニエルの瞳に迷いが宿る、だが、その迷いは集落を覆っていたドームが消えたことにより頭の隅に追いやられた。
「……っ!? 結界の方が早かったか……! 飛べるか……!?」
小さな女の子の背中の皮膚を突き破り、血を撒き散らして真っ黒い翼が生える。アザゼルはグロルの身体に負荷をかけてでも逃げる必要があった。これまで角や翼を現したのはどれだけの負荷に耐えられるかという試験のみ、本当に飛ぶのはグロルの身体では初めての試みだった。
『よし! 神の力なら鳴神の傷も少しは癒せる!』
オファニエルにも翼が戻り、神力の供給も戻る。十六夜の出血を止め傷を僅かに塞ぐと、オファニエルはアザゼルを追って飛び立つ。
『待てアザゼル! 裁きを受けろ!』
『駄目だ、遅いっ……嫌だ、くそっ……』
アザゼルは翼を畳み、重力に身を任せ急降下する。その先にはエアがいた。
「た、たすけておにーちゃーん!」
エアに抱き着き、可愛らしい声を発する。エアは戸惑いながらも剣を構えて降りてくるオファニエルに対応する為、結界を構築しようと手を掲げる──が、その手はまた崩れた。
『まだダメかっ! どうする、どうやって……っ!』
グロルを引き剥がして遠くに投げる、という案を思い付くと同時に、エアは岩陰に倒れた男が起き上がるのを見た。
0
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。
森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。
一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。
これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる