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番外編:グレースの終わらない悪夢
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齢21歳のうら若き女性であるグレース・ハリソンは、その日もまた同じ朝を迎えた。
戦争が終わったばかりの国の奥地、荒れ果てた谷間。
ここは文明とは程遠い場所だ。乾いた風が岩肌を削り、遠くではコヨーテの遠吠えが響く。日差しは苛烈で、谷の奥に建てられた小屋は灼熱の牢獄のようだった。
ディヴィッド・マクミラン准将、かつて軍隊に仕え、今や敗残兵として生きる男にさらわわれ、この谷へと連れてこられた。
グレースが掠奪されたのは、静かな夜だった。家族が眠るなか、扉を蹴破る音とともに、男たちが押し入ってきた。銃を構えたディヴィッド・マクミランが彼女を引きずり出し、抵抗する間もなく馬に乗せられる。妹の叫びを背に、彼女は闇の中へと連れ去られた。
マクミランの上司だった彼女の父を、ディヴィッドは憎んでいた。ハリソン将軍こそ彼を追放した宿敵、と。その報復として、グレースを叩きのめすためだけに彼はグレースを奪った。
そのはずだったのに。いつのまにか彼は彼女を「妻」と呼び、自らの傍に置き続けた。何か新たな目的があるかのように。
グレースは、薪を拾い集めるために外へ出る。小さな家の周囲は荒涼としており、砂と岩と灌木が広がるばかりだった。朝の空気はまだ冷たかったが、日が高くなれば容赦なく暑さが襲ってくる。
火を起こし、昨日の残りのとうもろこしパンを少し温める。食糧は乏しい。ディヴィッドが狩に出たあとは、彼女が自力で生き延びるしかない。彼は去る前に「俺がいない間に逃げようとしても無駄だ」と言い残した。
確かに、この谷から出るのは容易ではない。四方を険しい岩山に囲まれ、砂漠のような大地が広がる。水場は限られ、ディヴィッドが掘った井戸がなければ、生きることすら難しい。
しかし、彼女は諦めるつもりはなかった。愛する男性と、誰よりも大切な弟たちや家族と再び巡り会うために。
まずは何をさて置いても水の確保だ。ディヴィッドが残した水瓶を満たし、無駄なく使う。水の供給がなければ、谷を脱出することすら考えられない。
彼が用意したのは、井戸の水が詰められた木の樽ひとつだけだった。砂漠に囲まれたこの谷では、水は命に直結する。逃げることを考えたところで、たどり着ける水場はない。井戸の場所を知っているのはディヴィッドだけだった。
彼女はため息をつくと、木のバケツを持って家の外に出た。朝の光の中で、彼女の影が砂の上に長く伸びる。
小屋の裏には、小さな畑のようなものがあった。彼女がここに連れてこられてすぐ、ディヴィッドは「お前が世話をしろ」と命じた。食糧は彼が狩ってくる肉ばかりで、野菜や果物が乏しかった。彼は彼女に畑仕事をさせることで、「役目」を与え、谷の中での生活を形作らせようとしているのだろう。
水は貴重で、一滴たりとも無駄にできない。慎重に手桶を傾け、土の表面に染み込ませる。乾いた大地は貪欲に水を吸い込み、すぐに蒸発してしまう。
「この水があとどれくらいもつかしら」
グレースは呟きながら、空を見上げた。雲ひとつない。ここでは雨すら気まぐれだ。
それから食料の管理。干し肉の残りを確認し、野草や食べられる植物を探す。彼女は本で学んだ知識を頼りに、谷に生えている植物の性質を見極めようとしていた。
そして住居の修繕に、馬の世話。ディヴィッドの馬に水をやる。男が帰ってきたとき、馬が衰えていれば怒りを買う。それだけは避けなければならない。
彼女は一日のうちのほとんどを生き延びるための作業に費やした。
正午を過ぎると、熱がすべてを支配した。外に出るのは危険だった。屋内にこもり、本を開く。ディヴィッドが持ち出した本の中には、文学や科学書が混ざっていた。彼は自分が「教養ある男」であることを誇示するために、それらを手放そうとしなかった。
だが、それは彼女にとって武器でもあった。書物の中には、地形学や気象学について記されたものもある。彼女は地形を学び、この谷から脱出する方法を考え続けた。
空が紫色に染まり、気温が下がり始める。グレースは、ディヴィッドが帰ってくるのではないかと思い本を片付けた。
ディヴィッドが帰ってきた。獲物を肩に担ぎ、汗にまみれた顔で彼女を見つめる。
彼女は何も言わず、静かに肉を受け取った。
デイヴィッドはグレースを抱き寄せ、彼女のうなじに口付けた。
「いい匂いだ」
その言葉にグレースは堪えきれず眉をひそめてしまう。彼の視線には、支配と執着、そして理解できない何かが混ざっている。
彼が彼女を本当に愛しているのか、それとも単に戦争の敗北者としての孤独を埋めるために執着しているのか。
「グレース」
ディヴィッドは瞳に奇妙な光を宿しながら、彼女に告げた。
「明日の安息日、俺の仲間が六名ここに訪問する予定だ。俺と同様にもてなしてやってくれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
広がる谷間には赤い砂と荒涼とした岩山が続き、乾いた風が頬を打つ。今日もまた、彼らが来る日だった。
彼女の手は無意識に震えていた。
ディヴィッド・マクミランは、彼女の手首を掴んで言った。
「グレース、頼んだぞ」
週に一度、この辺境の谷間には男たちが集まる。軍隊崩れのならず者たち。戦争に敗れ、居場所を失った兵士たち。彼らにとって、彼女は「聖なる存在」だった。
彼らはグレースを「砂漠の女神」と呼び、崇め、そして触れることで己の慰めとした。
ディヴィッドは、グレースをこの谷の象徴にすることで、彼らの忠誠を保っていた。
遠くに馬の蹄の音が響いた。グレースは息を詰め、背筋を伸ばした。
やがて、砂塵を巻き上げながら四、五人の男たちが現れた。皆、粗末な軍服の名残を身にまとい、長旅の疲れをにじませながらも、彼女を見つめる目だけは熱っぽかった。
「おお……グレース夫人、今日も美しい」
最初に声を上げたのは、ヘンリーという男だった。かつて騎兵隊に所属していたというが、今はただの流れ者だ。
彼は慎重に近づきながら、汚れた手をそっと伸ばした。グレースの頬に触れる寸前で、一瞬、ためらうような仕草を見せたが、すぐに指先を彼女の肌に滑らせた。
グレースは何も言わなかった。
反応すれば、彼らはそれを喜ぶ。拒めば、ディヴィッドの目が光る。
彼女の沈黙は、唯一の抵抗だった。
「グレース夫人。ほら、これを持ってきたんだ」
別の男が、小さな金のペンダントを差し出した。どこかの略奪品だろう。彼女の首に掛けることを許されることが、彼らにとって一種の名誉であるかのようだった。
彼女は目を伏せ、ただ耐えた。
ディヴィッドは、少し離れたところから彼らを見ていた。
火のついた葉巻を片手に、無造作に腰掛けながら、彼は微笑んでいた。
「俺の妻は、神聖な存在だ。大切にしてやってくれ」
男たちは笑い、頷いた。
グレースはその言葉に、内側から焼き尽くされるような怒りを感じた。
彼は「妻」である彼女を「与える」ことで、人望を保っている。決して完全に手放すわけではなく、ほんの少しの「接触」だけを許す。彼らにとっては、それで十分なのだ。
彼らはこの戦争に敗れ、国も家も失った。そして今、ディヴィッドの手のひらの上で生きている。
彼らにとって、彼女はただの女ではなく、砂漠の聖母だった。
しかし、彼女にとっては地獄の時間だった。
日が落ちるころ、男たちは満足げに笑いながら帰っていった。
彼らの手が彼女の髪を撫で、指先が、舌が、肌に触れた余韻が、なおも体に残っていた。
グレースは冷えた風を浴びながら、指で首元のペンダントを外し、無言で地面に落とした。
「気に入らなかったか?」
ディヴィッドの声がした。
彼女は答えず、ただ彼を睨みつけた。
彼は笑い、つかつかとグレースのもとに歩み寄る。
彼女を抱き寄せると、グッと彼女の臀部を掴んだ。彼女が無表情で彼を見つめる中、彼女の顎を掴み口づける。激しいキスがグレースの心をまたも粉々にした。
「愛しい妻よ。お前はいったい、何を与えられたら満足するのやら」
彼はそう呟くと、グレースの腕を引っ張りベッドへと放り投げた。
長い悪夢がまた始まる。
戦争が終わったばかりの国の奥地、荒れ果てた谷間。
ここは文明とは程遠い場所だ。乾いた風が岩肌を削り、遠くではコヨーテの遠吠えが響く。日差しは苛烈で、谷の奥に建てられた小屋は灼熱の牢獄のようだった。
ディヴィッド・マクミラン准将、かつて軍隊に仕え、今や敗残兵として生きる男にさらわわれ、この谷へと連れてこられた。
グレースが掠奪されたのは、静かな夜だった。家族が眠るなか、扉を蹴破る音とともに、男たちが押し入ってきた。銃を構えたディヴィッド・マクミランが彼女を引きずり出し、抵抗する間もなく馬に乗せられる。妹の叫びを背に、彼女は闇の中へと連れ去られた。
マクミランの上司だった彼女の父を、ディヴィッドは憎んでいた。ハリソン将軍こそ彼を追放した宿敵、と。その報復として、グレースを叩きのめすためだけに彼はグレースを奪った。
そのはずだったのに。いつのまにか彼は彼女を「妻」と呼び、自らの傍に置き続けた。何か新たな目的があるかのように。
グレースは、薪を拾い集めるために外へ出る。小さな家の周囲は荒涼としており、砂と岩と灌木が広がるばかりだった。朝の空気はまだ冷たかったが、日が高くなれば容赦なく暑さが襲ってくる。
火を起こし、昨日の残りのとうもろこしパンを少し温める。食糧は乏しい。ディヴィッドが狩に出たあとは、彼女が自力で生き延びるしかない。彼は去る前に「俺がいない間に逃げようとしても無駄だ」と言い残した。
確かに、この谷から出るのは容易ではない。四方を険しい岩山に囲まれ、砂漠のような大地が広がる。水場は限られ、ディヴィッドが掘った井戸がなければ、生きることすら難しい。
しかし、彼女は諦めるつもりはなかった。愛する男性と、誰よりも大切な弟たちや家族と再び巡り会うために。
まずは何をさて置いても水の確保だ。ディヴィッドが残した水瓶を満たし、無駄なく使う。水の供給がなければ、谷を脱出することすら考えられない。
彼が用意したのは、井戸の水が詰められた木の樽ひとつだけだった。砂漠に囲まれたこの谷では、水は命に直結する。逃げることを考えたところで、たどり着ける水場はない。井戸の場所を知っているのはディヴィッドだけだった。
彼女はため息をつくと、木のバケツを持って家の外に出た。朝の光の中で、彼女の影が砂の上に長く伸びる。
小屋の裏には、小さな畑のようなものがあった。彼女がここに連れてこられてすぐ、ディヴィッドは「お前が世話をしろ」と命じた。食糧は彼が狩ってくる肉ばかりで、野菜や果物が乏しかった。彼は彼女に畑仕事をさせることで、「役目」を与え、谷の中での生活を形作らせようとしているのだろう。
水は貴重で、一滴たりとも無駄にできない。慎重に手桶を傾け、土の表面に染み込ませる。乾いた大地は貪欲に水を吸い込み、すぐに蒸発してしまう。
「この水があとどれくらいもつかしら」
グレースは呟きながら、空を見上げた。雲ひとつない。ここでは雨すら気まぐれだ。
それから食料の管理。干し肉の残りを確認し、野草や食べられる植物を探す。彼女は本で学んだ知識を頼りに、谷に生えている植物の性質を見極めようとしていた。
そして住居の修繕に、馬の世話。ディヴィッドの馬に水をやる。男が帰ってきたとき、馬が衰えていれば怒りを買う。それだけは避けなければならない。
彼女は一日のうちのほとんどを生き延びるための作業に費やした。
正午を過ぎると、熱がすべてを支配した。外に出るのは危険だった。屋内にこもり、本を開く。ディヴィッドが持ち出した本の中には、文学や科学書が混ざっていた。彼は自分が「教養ある男」であることを誇示するために、それらを手放そうとしなかった。
だが、それは彼女にとって武器でもあった。書物の中には、地形学や気象学について記されたものもある。彼女は地形を学び、この谷から脱出する方法を考え続けた。
空が紫色に染まり、気温が下がり始める。グレースは、ディヴィッドが帰ってくるのではないかと思い本を片付けた。
ディヴィッドが帰ってきた。獲物を肩に担ぎ、汗にまみれた顔で彼女を見つめる。
彼女は何も言わず、静かに肉を受け取った。
デイヴィッドはグレースを抱き寄せ、彼女のうなじに口付けた。
「いい匂いだ」
その言葉にグレースは堪えきれず眉をひそめてしまう。彼の視線には、支配と執着、そして理解できない何かが混ざっている。
彼が彼女を本当に愛しているのか、それとも単に戦争の敗北者としての孤独を埋めるために執着しているのか。
「グレース」
ディヴィッドは瞳に奇妙な光を宿しながら、彼女に告げた。
「明日の安息日、俺の仲間が六名ここに訪問する予定だ。俺と同様にもてなしてやってくれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
広がる谷間には赤い砂と荒涼とした岩山が続き、乾いた風が頬を打つ。今日もまた、彼らが来る日だった。
彼女の手は無意識に震えていた。
ディヴィッド・マクミランは、彼女の手首を掴んで言った。
「グレース、頼んだぞ」
週に一度、この辺境の谷間には男たちが集まる。軍隊崩れのならず者たち。戦争に敗れ、居場所を失った兵士たち。彼らにとって、彼女は「聖なる存在」だった。
彼らはグレースを「砂漠の女神」と呼び、崇め、そして触れることで己の慰めとした。
ディヴィッドは、グレースをこの谷の象徴にすることで、彼らの忠誠を保っていた。
遠くに馬の蹄の音が響いた。グレースは息を詰め、背筋を伸ばした。
やがて、砂塵を巻き上げながら四、五人の男たちが現れた。皆、粗末な軍服の名残を身にまとい、長旅の疲れをにじませながらも、彼女を見つめる目だけは熱っぽかった。
「おお……グレース夫人、今日も美しい」
最初に声を上げたのは、ヘンリーという男だった。かつて騎兵隊に所属していたというが、今はただの流れ者だ。
彼は慎重に近づきながら、汚れた手をそっと伸ばした。グレースの頬に触れる寸前で、一瞬、ためらうような仕草を見せたが、すぐに指先を彼女の肌に滑らせた。
グレースは何も言わなかった。
反応すれば、彼らはそれを喜ぶ。拒めば、ディヴィッドの目が光る。
彼女の沈黙は、唯一の抵抗だった。
「グレース夫人。ほら、これを持ってきたんだ」
別の男が、小さな金のペンダントを差し出した。どこかの略奪品だろう。彼女の首に掛けることを許されることが、彼らにとって一種の名誉であるかのようだった。
彼女は目を伏せ、ただ耐えた。
ディヴィッドは、少し離れたところから彼らを見ていた。
火のついた葉巻を片手に、無造作に腰掛けながら、彼は微笑んでいた。
「俺の妻は、神聖な存在だ。大切にしてやってくれ」
男たちは笑い、頷いた。
グレースはその言葉に、内側から焼き尽くされるような怒りを感じた。
彼は「妻」である彼女を「与える」ことで、人望を保っている。決して完全に手放すわけではなく、ほんの少しの「接触」だけを許す。彼らにとっては、それで十分なのだ。
彼らはこの戦争に敗れ、国も家も失った。そして今、ディヴィッドの手のひらの上で生きている。
彼らにとって、彼女はただの女ではなく、砂漠の聖母だった。
しかし、彼女にとっては地獄の時間だった。
日が落ちるころ、男たちは満足げに笑いながら帰っていった。
彼らの手が彼女の髪を撫で、指先が、舌が、肌に触れた余韻が、なおも体に残っていた。
グレースは冷えた風を浴びながら、指で首元のペンダントを外し、無言で地面に落とした。
「気に入らなかったか?」
ディヴィッドの声がした。
彼女は答えず、ただ彼を睨みつけた。
彼は笑い、つかつかとグレースのもとに歩み寄る。
彼女を抱き寄せると、グッと彼女の臀部を掴んだ。彼女が無表情で彼を見つめる中、彼女の顎を掴み口づける。激しいキスがグレースの心をまたも粉々にした。
「愛しい妻よ。お前はいったい、何を与えられたら満足するのやら」
彼はそう呟くと、グレースの腕を引っ張りベッドへと放り投げた。
長い悪夢がまた始まる。
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