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第一章 魔法が生きる世界
訓練終了
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【訓練終了】
「いやぁ~初の共同訓練、思いのほか楽しかったっすね!第三部隊も、まぁまぁだったし」
今回の訓練の勝敗は、言わなくても分かるだろう。
第三部隊もそこそこ粘りはしたものの、やはり完敗と言わざるを得ない。
「おいおい、仲間から苦情が出てたぞ。好き勝手に自分達の獲物を取るなってな」
相変わらず陽気な態度のカイに苦笑しつつ、イクトは伝えた。
「えー、黒龍は弱肉強食じゃないっすか~」
「まぁ、そうなんだが・・・」
戦場においては、そうもいかない状況もある。
戦闘能力も魔力も申し分ないカイは、けれど根にしみた野生を抑える術を知らないらしい。
(流石、グレン直々にスカウトしただけはあるな)
黒龍に入ってくる者のほとんどが、一筋縄ではいかない連中だ。
特にグレンが選んだ兵たちは。
「おっと、噂をすればなんとやら・・・だな」
一番木々が生い茂っている方向から、二つの影が見えてきた。
常に行動を共にしているキリクとルイスだ。
「お疲れ様、思う存分に動けたかい?」
「イクトさん!うっす、軽く柔軟体操にはなったかと!」
「あー、そう・・・」
こんなの第三部隊が聞いたら泣くぞぉ?
まぁ、キリクは悪気があって言っているわけではないのだが。
「ルイス、どうだい?少しは第三部隊も成長しただろう?」
「・・・えー、まぁ、はい」
突然話題を振られたルイスは、言葉を探す様子で答えた。
否定をしないということは、多少なりとも認めているのか。
「ルイス先輩~、何人の敵を倒しましたぁ?」
ルンルン気分でこちらに近づいてくるのは、先週入隊したばかりのカイである。
何故か手には小枝が握られており、先端が少し焦げているように見える。
「・・・そんなの、いちいち数えてねぇよ」
戦闘において、倒した敵の数はルイスにとってどうでもいい。
どれだけ自分の戦闘欲を満たすことが出来たか。それが重要なのだ。
今回は格下の兵士相手で訓練だ。実力の半分もだしていない。
「えぇー!勝負しましょうって言ったじゃないですか!!」
カイは不満そうに頬を膨らます。
そんな彼に、ルイスはただ冷たい視線を送るだけ。
「ほらほらお前ら、みんなもう本部に戻ってるぞ。最後になったら隊長に何を言われるか分かったもんじゃない」
そんな様子をそばで見ていたキリクは、慌てて二人の間に入る。
・・・どうもこの2人は、馬が合わないらしい。
馬が合わないといえば、ルイスとグレンも当てはまるが、このコンビのそれとはまた違う。
「じゃぁ、キリク先輩は何人倒しました?」
「お、俺!?」
矛先が自分に向いてしまったキリクは、アタフタと言葉を濁す。
「いやぁ、俺もいちいち数えてねぇし・・・」
「えぇ~なんなんですかぁ、つまんない!」
カイは不満たっぷりといった様子で二人に抗議した。
「キリク、行くぞ。そんなガキ放っておけ」
「あ!ルイス先輩ひどい!!」
たとえ戦闘能力が高くとも、彼らはやはり、まだまだ子供なのだと改めて思うイクトであった。
「いやぁ~初の共同訓練、思いのほか楽しかったっすね!第三部隊も、まぁまぁだったし」
今回の訓練の勝敗は、言わなくても分かるだろう。
第三部隊もそこそこ粘りはしたものの、やはり完敗と言わざるを得ない。
「おいおい、仲間から苦情が出てたぞ。好き勝手に自分達の獲物を取るなってな」
相変わらず陽気な態度のカイに苦笑しつつ、イクトは伝えた。
「えー、黒龍は弱肉強食じゃないっすか~」
「まぁ、そうなんだが・・・」
戦場においては、そうもいかない状況もある。
戦闘能力も魔力も申し分ないカイは、けれど根にしみた野生を抑える術を知らないらしい。
(流石、グレン直々にスカウトしただけはあるな)
黒龍に入ってくる者のほとんどが、一筋縄ではいかない連中だ。
特にグレンが選んだ兵たちは。
「おっと、噂をすればなんとやら・・・だな」
一番木々が生い茂っている方向から、二つの影が見えてきた。
常に行動を共にしているキリクとルイスだ。
「お疲れ様、思う存分に動けたかい?」
「イクトさん!うっす、軽く柔軟体操にはなったかと!」
「あー、そう・・・」
こんなの第三部隊が聞いたら泣くぞぉ?
まぁ、キリクは悪気があって言っているわけではないのだが。
「ルイス、どうだい?少しは第三部隊も成長しただろう?」
「・・・えー、まぁ、はい」
突然話題を振られたルイスは、言葉を探す様子で答えた。
否定をしないということは、多少なりとも認めているのか。
「ルイス先輩~、何人の敵を倒しましたぁ?」
ルンルン気分でこちらに近づいてくるのは、先週入隊したばかりのカイである。
何故か手には小枝が握られており、先端が少し焦げているように見える。
「・・・そんなの、いちいち数えてねぇよ」
戦闘において、倒した敵の数はルイスにとってどうでもいい。
どれだけ自分の戦闘欲を満たすことが出来たか。それが重要なのだ。
今回は格下の兵士相手で訓練だ。実力の半分もだしていない。
「えぇー!勝負しましょうって言ったじゃないですか!!」
カイは不満そうに頬を膨らます。
そんな彼に、ルイスはただ冷たい視線を送るだけ。
「ほらほらお前ら、みんなもう本部に戻ってるぞ。最後になったら隊長に何を言われるか分かったもんじゃない」
そんな様子をそばで見ていたキリクは、慌てて二人の間に入る。
・・・どうもこの2人は、馬が合わないらしい。
馬が合わないといえば、ルイスとグレンも当てはまるが、このコンビのそれとはまた違う。
「じゃぁ、キリク先輩は何人倒しました?」
「お、俺!?」
矛先が自分に向いてしまったキリクは、アタフタと言葉を濁す。
「いやぁ、俺もいちいち数えてねぇし・・・」
「えぇ~なんなんですかぁ、つまんない!」
カイは不満たっぷりといった様子で二人に抗議した。
「キリク、行くぞ。そんなガキ放っておけ」
「あ!ルイス先輩ひどい!!」
たとえ戦闘能力が高くとも、彼らはやはり、まだまだ子供なのだと改めて思うイクトであった。
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