19 / 22
第一章 魔法が生きる世界
一時的解散
しおりを挟む
【一時的解散】
「さてと、僕とグレンはザヘルさんに詳しい話を聞かなきゃいけないし・・・君たちにはこの街の見回りでもしてもらおうかな」
まるで"お使いにでも行ってもらおうかな"的なノリで部下に指示を出すイクト。
なにより不満そうにしているのは、隣にいるグレンであった。
「あ?話を聞くくらいお前だけで十分だろ。」
何故俺が・・・とでも言いたげに片眉を上げるグレン。
「あのねぇ、君は黒龍の隊長だろ?
黒龍の代表として依頼者の話を聞くのは当たり前!」
そう一括してやると、グレンはチッと舌打ちをした後に部下達の方へ向き直った。
「いいか、あくまでこの街の見回り、警備が中心だ。血が騒ぐからと言って、勝手に魔獣退治に行きやがったら承知しねぇからな」
抜け駆けはしてくれるな・・・という意味を半分、情報量が少ない状態での行動は控えろ・・・という意味を半分込めて、グレンは彼らに釘を刺した。
「えー、まだ魔獣と戦えないんすか?
見回りなんて・・・ここにはあまり人もいないっすよ」
確かに、この広い面積をほこるサバンには、それに見合うほどの人がいないのが現状である。
「けどたまに、ここを勝手に拠点として暴れる厄介な奴らがいるらしいから、警戒しておくに越したことはないぜ。」
ここを見回るということは、そんな輩に対しての牽制の意味も含まれているのだろう。
衰退してしまったとはいえ、アルファ大国内の領地には変わりないのだ。
「じゃぁ、各隊員、やり過ぎない程度に頼むよ。
話が終わり次第魔獣退治を行うから、常に通信機をONにしておいてね」
魔法を主として動く通信機は、科学との融合体でもある。
近年では科学技術も発展し、学者の中には魔法よりも科学を重視した考えを持つ者もいる。
しかし、現実ではその科学の進歩と同時に、一人一人が持つ魔法の質が落ちているのではと呟かれている。
魔法は自然そのもの、魂そのもの。
科学とは常に、反比例の関係である。
「ルイス、せっかくだから海の近くに行こうぜ!!」
「・・・海・・・」
海という言葉にルイスの瞳が輝いた。
月影軍本拠地は、アルファ大国の首都"ラフェル"の端に位置している。
首都はアルファ大国の中心にあるため、海などなかなか眺められるものではない。
よって、ルイス達にとって海というのは少なからず憧れの場所でもあるのだ。
「さすがに泳ぐのは無理だけどよ、近くに貿易倉庫だった場所があるらしいから、そこの見回りついでに・・・てな」
「・・・別に、手をつけるくらいいいんじゃないか」
どうやらどうしても海に触れたくてしょうがないようだ。
水属性の者が水遊びを好むという話はよく聞く。
その場所の水質が自身の水属性と相性が良ければ、真冬の日に水浴びしたって寒くはない。
けれど重要なのは、自然界の水が含む魔素が自分の魔力と合うかどうか。
それは水属性に限らずほかの属性にもいえること。
(でもま、こいつに関してはその心配は無さそうだな)
どうやらルイスの魔力は、どこの水の魔素にも合うらしい。
たまに軍基地の訓練プールに寄ったり、近くの川辺に行ったりするが、一度潜り込んだら1時間は上がってこないなんていつもの事。
「先輩達、海行くんすか?じゃぁ自分も一緒に行きたいっす!!」
ルイス達の間にピョコッと出てきたのは、無邪気な笑顔を振りまくカイであった。
さっきまでグレンのそばで何やらお楽しそうに喋りをしていたはずなのだが、いつの間に・・・・・・
「は?お前が海に入ったら海の生き物が電気ショックで死ぬだろ」
ルイスは嫌悪感丸出しでカイをギロりと睨んだ。
しかし、そんな彼の様子など気にもとめないカイ。それどころか、楽しそうにニコニコ笑いながらルイスに近づく。
「やだなぁ、これでも僕魔力コントロールは得意なんすよ?
間違えてもルイス先輩を感電させたりしませんから」
もやはこれは、挑発的な会話にしか聞こえない。
そしてそんな彼らの仲裁を行うのは、毎度ながらキリクの仕事である。
「さてと、僕とグレンはザヘルさんに詳しい話を聞かなきゃいけないし・・・君たちにはこの街の見回りでもしてもらおうかな」
まるで"お使いにでも行ってもらおうかな"的なノリで部下に指示を出すイクト。
なにより不満そうにしているのは、隣にいるグレンであった。
「あ?話を聞くくらいお前だけで十分だろ。」
何故俺が・・・とでも言いたげに片眉を上げるグレン。
「あのねぇ、君は黒龍の隊長だろ?
黒龍の代表として依頼者の話を聞くのは当たり前!」
そう一括してやると、グレンはチッと舌打ちをした後に部下達の方へ向き直った。
「いいか、あくまでこの街の見回り、警備が中心だ。血が騒ぐからと言って、勝手に魔獣退治に行きやがったら承知しねぇからな」
抜け駆けはしてくれるな・・・という意味を半分、情報量が少ない状態での行動は控えろ・・・という意味を半分込めて、グレンは彼らに釘を刺した。
「えー、まだ魔獣と戦えないんすか?
見回りなんて・・・ここにはあまり人もいないっすよ」
確かに、この広い面積をほこるサバンには、それに見合うほどの人がいないのが現状である。
「けどたまに、ここを勝手に拠点として暴れる厄介な奴らがいるらしいから、警戒しておくに越したことはないぜ。」
ここを見回るということは、そんな輩に対しての牽制の意味も含まれているのだろう。
衰退してしまったとはいえ、アルファ大国内の領地には変わりないのだ。
「じゃぁ、各隊員、やり過ぎない程度に頼むよ。
話が終わり次第魔獣退治を行うから、常に通信機をONにしておいてね」
魔法を主として動く通信機は、科学との融合体でもある。
近年では科学技術も発展し、学者の中には魔法よりも科学を重視した考えを持つ者もいる。
しかし、現実ではその科学の進歩と同時に、一人一人が持つ魔法の質が落ちているのではと呟かれている。
魔法は自然そのもの、魂そのもの。
科学とは常に、反比例の関係である。
「ルイス、せっかくだから海の近くに行こうぜ!!」
「・・・海・・・」
海という言葉にルイスの瞳が輝いた。
月影軍本拠地は、アルファ大国の首都"ラフェル"の端に位置している。
首都はアルファ大国の中心にあるため、海などなかなか眺められるものではない。
よって、ルイス達にとって海というのは少なからず憧れの場所でもあるのだ。
「さすがに泳ぐのは無理だけどよ、近くに貿易倉庫だった場所があるらしいから、そこの見回りついでに・・・てな」
「・・・別に、手をつけるくらいいいんじゃないか」
どうやらどうしても海に触れたくてしょうがないようだ。
水属性の者が水遊びを好むという話はよく聞く。
その場所の水質が自身の水属性と相性が良ければ、真冬の日に水浴びしたって寒くはない。
けれど重要なのは、自然界の水が含む魔素が自分の魔力と合うかどうか。
それは水属性に限らずほかの属性にもいえること。
(でもま、こいつに関してはその心配は無さそうだな)
どうやらルイスの魔力は、どこの水の魔素にも合うらしい。
たまに軍基地の訓練プールに寄ったり、近くの川辺に行ったりするが、一度潜り込んだら1時間は上がってこないなんていつもの事。
「先輩達、海行くんすか?じゃぁ自分も一緒に行きたいっす!!」
ルイス達の間にピョコッと出てきたのは、無邪気な笑顔を振りまくカイであった。
さっきまでグレンのそばで何やらお楽しそうに喋りをしていたはずなのだが、いつの間に・・・・・・
「は?お前が海に入ったら海の生き物が電気ショックで死ぬだろ」
ルイスは嫌悪感丸出しでカイをギロりと睨んだ。
しかし、そんな彼の様子など気にもとめないカイ。それどころか、楽しそうにニコニコ笑いながらルイスに近づく。
「やだなぁ、これでも僕魔力コントロールは得意なんすよ?
間違えてもルイス先輩を感電させたりしませんから」
もやはこれは、挑発的な会話にしか聞こえない。
そしてそんな彼らの仲裁を行うのは、毎度ながらキリクの仕事である。
0
あなたにおすすめの小説
もう観念しなよ、呆れた顔の彼に諦めの悪い僕は財布の3万円を机の上に置いた
谷地
BL
お昼寝コース(※2時間)8000円。
就寝コースは、8時間/1万5千円・10時間/2万円・12時間/3万円~お選びいただけます。
お好みのキャストを選んで御予約下さい。はじめてに限り2000円値引きキャンペーン実施中!
液晶の中で光るポップなフォントは安っぽくぴかぴかと光っていた。
完結しました *・゚
2025.5.10 少し修正しました。
白花の檻(はっかのおり)
AzureHaru
BL
その世界には、生まれながらに祝福を受けた者がいる。その祝福は人ならざるほどの美貌を与えられる。
その祝福によって、交わるはずのなかった2人の運命が交わり狂っていく。
この出会いは祝福か、或いは呪いか。
受け――リュシアン。
祝福を授かりながらも、決して傲慢ではなく、いつも穏やかに笑っている青年。
柔らかな白銀の髪、淡い光を湛えた瞳。人々が息を呑むほどの美しさを持つ。
攻め――アーヴィス。
リュシアンと同じく祝福を授かる。リュシアン以上に人の域を逸脱した容姿。
黒曜石のような瞳、彫刻のように整った顔立ち。
王国に名を轟かせる貴族であり、数々の功績を誇る英雄。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる