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12 ダイナマイトボディ
高級衣装室で騒ぎを起こした姉、イレザ。
眼の前で頼みの護衛騎士は利き手を凍らされた後に公爵のハイキックの一撃で落ちた。
姉の属性は炎。
公爵の属性値は多分氷。
相性的にも魔力量も段違いで部が悪い。
しかも、貴族の階級も違う。
姉は仮面の公爵を眼の前にして、震え上がっている。
ざまぁ!
「ウィステリア、せっかく選んでくれたこの服だが、この服はボタンが多くて着替えに時間がかかった、サイズもかっちりしすぎなので買うのはやめようと思う」
え、今それを言うタイミング?
とは思うが、返事はする。
「えと、あ、はい、わかりました」
しかし、その時ビシッと音がした。
「痛っ!」
なんと、公爵のたくましく鍛え上げられた胸筋の圧に耐えられず、シャツのボタンが弾け飛び、それがイレザの頬にブチ当たり、イレザは床にへたり込んだ。
イレザは今、頬を押さえて震えてる。
「妻を侮辱した件は伯爵家に厳重に抗議させていただく」
「……」
もはや何も言えないイレザはただ項垂れるばかりなりけり。
公爵、さっき「次はお前の番だ」とか言ってたけど、ボタン攻撃で(不可抗力)ビックリしてへたり込んでる女は殴れなかったみたいね。
しかし、立派な胸筋だなぁ。
引きこもりで暇だったから筋トレに励んでいたとかなの?
いや、領主が暇ってことはないな。
ラノベや漫画では大抵書類仕事だけでも大変そうだもの。
外交ほぼしなくてもたまに皇帝から召喚かかるみたいだし……。
広くても冬が長くて大変みたいだし……。
でも、北海道とか寒くても広くて美味しい食べ物が沢山だし。
海あたりにも活路がないかな?
……蟹とかホタテとかさ。
とかなんとか考えてると、公爵は店員さんに話しかけた。
「ボタンが弾け飛んだのでやはりこの服は買い取りをすることにした」
真面目だ!
売り物にダメージ入ったからちゃんと買い取るんだ!
えらい! 優しい!
「あ、すみません、ありがとうございます」
「それとこれは騒ぎを起こしてすまなかった詫びだ。しかし、ほぼあの伯爵令嬢が悪いからな」
「は、はい、ありがとうございました!」
公爵は金貨数枚を店員に渡し、私を連れて店を出た。
護衛騎士達も慌てて後を追ってきた。
「なんかとんだ外出になってしまい、すみませんでした」
私は帰りの馬車の中で公爵に謝罪した。
「いえ、こちらこそ。ちゃんと守れなくて」
「いえ、御守りありがとうございました! これちゃんと護ってくれましたよ!」
公爵の口元が笑みを刻んだ。
「……魔力を補充しますから、御守りペンダントを一度外してください」
「あ、はい」
でも、口元だけ笑っても仮面のせいで眉や目元が見えず、表情がわかりにくい。
苦笑いだったのかもしれない。
私は言われるまま、ペンダントを首から外して公爵に返した。
公爵はペンダントの石部分を握りこんで魔力を注いだ。
魔力のオーラ的なものは魔力なしと言われる私にも見えた。
どうぞと返されたペンダントを受け取ると、公爵の魔力のせいか、ペンダントはひんやりしてた。
冷たくなった石を私は握りこみ、手のひらの中で温めた。
「あ、すみません、冷たかったんですね」
「いえ、別に。夏は良さそうですよね、ひんやりして」
「ははっ」
公爵が声を上げて笑った。
何故かは分からないけど、わざと声に出して笑ってくれたような気がした。
場を和ませるために。
「もし、私が熱を出したらそのひんやりした手で額に触れてくれますか?」
「あなたがそれをのぞむのであれば」
やはり、化け物とか言われるわりにかなり優しい人では?
このエドラールと言う人は。
「エドって、名前で呼んでもいいですか?」
「あなたは私の妻なのでお好きなように」
「そんなこと言うならニーサンとか呼ぶかもしれませんよ」
「私はあなたの兄ではありませんが」
エドって言えばニーサンさん呼びを思い出す。
某錬金術師漫画もほのかに借りたけど面白かった。
「はは、そうですよね、やはりエドって呼ぶので安心してください」
「そうですね、ニーサンは他の者が聞くとややこしくなると思います」
眼の前で頼みの護衛騎士は利き手を凍らされた後に公爵のハイキックの一撃で落ちた。
姉の属性は炎。
公爵の属性値は多分氷。
相性的にも魔力量も段違いで部が悪い。
しかも、貴族の階級も違う。
姉は仮面の公爵を眼の前にして、震え上がっている。
ざまぁ!
「ウィステリア、せっかく選んでくれたこの服だが、この服はボタンが多くて着替えに時間がかかった、サイズもかっちりしすぎなので買うのはやめようと思う」
え、今それを言うタイミング?
とは思うが、返事はする。
「えと、あ、はい、わかりました」
しかし、その時ビシッと音がした。
「痛っ!」
なんと、公爵のたくましく鍛え上げられた胸筋の圧に耐えられず、シャツのボタンが弾け飛び、それがイレザの頬にブチ当たり、イレザは床にへたり込んだ。
イレザは今、頬を押さえて震えてる。
「妻を侮辱した件は伯爵家に厳重に抗議させていただく」
「……」
もはや何も言えないイレザはただ項垂れるばかりなりけり。
公爵、さっき「次はお前の番だ」とか言ってたけど、ボタン攻撃で(不可抗力)ビックリしてへたり込んでる女は殴れなかったみたいね。
しかし、立派な胸筋だなぁ。
引きこもりで暇だったから筋トレに励んでいたとかなの?
いや、領主が暇ってことはないな。
ラノベや漫画では大抵書類仕事だけでも大変そうだもの。
外交ほぼしなくてもたまに皇帝から召喚かかるみたいだし……。
広くても冬が長くて大変みたいだし……。
でも、北海道とか寒くても広くて美味しい食べ物が沢山だし。
海あたりにも活路がないかな?
……蟹とかホタテとかさ。
とかなんとか考えてると、公爵は店員さんに話しかけた。
「ボタンが弾け飛んだのでやはりこの服は買い取りをすることにした」
真面目だ!
売り物にダメージ入ったからちゃんと買い取るんだ!
えらい! 優しい!
「あ、すみません、ありがとうございます」
「それとこれは騒ぎを起こしてすまなかった詫びだ。しかし、ほぼあの伯爵令嬢が悪いからな」
「は、はい、ありがとうございました!」
公爵は金貨数枚を店員に渡し、私を連れて店を出た。
護衛騎士達も慌てて後を追ってきた。
「なんかとんだ外出になってしまい、すみませんでした」
私は帰りの馬車の中で公爵に謝罪した。
「いえ、こちらこそ。ちゃんと守れなくて」
「いえ、御守りありがとうございました! これちゃんと護ってくれましたよ!」
公爵の口元が笑みを刻んだ。
「……魔力を補充しますから、御守りペンダントを一度外してください」
「あ、はい」
でも、口元だけ笑っても仮面のせいで眉や目元が見えず、表情がわかりにくい。
苦笑いだったのかもしれない。
私は言われるまま、ペンダントを首から外して公爵に返した。
公爵はペンダントの石部分を握りこんで魔力を注いだ。
魔力のオーラ的なものは魔力なしと言われる私にも見えた。
どうぞと返されたペンダントを受け取ると、公爵の魔力のせいか、ペンダントはひんやりしてた。
冷たくなった石を私は握りこみ、手のひらの中で温めた。
「あ、すみません、冷たかったんですね」
「いえ、別に。夏は良さそうですよね、ひんやりして」
「ははっ」
公爵が声を上げて笑った。
何故かは分からないけど、わざと声に出して笑ってくれたような気がした。
場を和ませるために。
「もし、私が熱を出したらそのひんやりした手で額に触れてくれますか?」
「あなたがそれをのぞむのであれば」
やはり、化け物とか言われるわりにかなり優しい人では?
このエドラールと言う人は。
「エドって、名前で呼んでもいいですか?」
「あなたは私の妻なのでお好きなように」
「そんなこと言うならニーサンとか呼ぶかもしれませんよ」
「私はあなたの兄ではありませんが」
エドって言えばニーサンさん呼びを思い出す。
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