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出逢う
しおりを挟むマリン「おーい、何してるの?早く行くよ~」
桃色髪の少女が2人の少年にそう言った。
赤髪の少年と青髪の少年は答えた。
「「ああ」」
3人は大地を踏む。狂った世界の大地を――。
_____________________
魔法の街を統べる王、ロキと彼に仕える
王女アリスにある報告が届いた。
「人間の街から魔法使いの一般兵が現れた
とのことです。恐らく人間のスパイの者かと」
ロ「そうか…捕まえてここに連れてこい」
「承知致しました」
報告官が部屋を出るとアリスが無表情で
問いかけた。
ア「どうして殺さずにここに連れてくるのよ」
ロ「お前に刺激を与えるためだ」
ア「意味がわからないわ」
アリスは呆れてため息をついた。
_____________________
健「って、あっさり魔法の街入っちゃってるけどこれ絶対罠だよな」
葵「罠じゃなかったらいいんだけどな~」
マ「お願いだから殺さないでほしい」
と不吉なことを何のためらいもなく吐いた
マリン。
健「お前が1番早くに死にそうだな」
マ「死ぬ前に助けてね」
健「え、なんで?」
マ「え?」
健「え?」
葵「バカなこと喋ってると殺されるよ~」
と葵が言い終わる瞬間、健斗、マリン、葵、
3人の視界が真っ暗になった。
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
2000年前、人間と魔法使いは共に生活し、
まだ世界に化け物が存在せずとても平和だった
しかしある日、強力な魔力を持つ魔法使いが
世界に大量のモンスターを召喚し、たった1日
で人間の3分の1を虐殺した。
そのことに怒り狂った人間は強力な魔力を
持つ魔法使いだけでなく何もしていない魔法使いまでも裏切り者として扱い、その勘違いに
魔法使いは腹を立て、人間と魔法使いは
たった1日で大きく関係が歪んだ―――。
_____________________
視界が開ける。
ずっと視界が真っ暗だった健斗達は目の前が
チカチカしてよく前が見えなかったが
何分か経つと前がよく見えてきた。
3人が見覚えのないとても広くガラス張りの
部屋だった。
健「っ!?どこだ!?ここ!?」
葵「誰だお前…魔法使いか?」
葵が誰かに問いかけているのを聞き、やっと
健斗も目の前にいる人物に気づいた。
黒髪に少し赤髪が混ざった男がゴミを見るかの
ような冷たい目でこちらを見下ろしていた。
部屋の窓際には金髪の女がこちらに興味を全く
示さず外を眺めていた。
マ「お願いします殺さないで下さい」
この空気でその発言を真顔で言うマリン。
葵「…お前、魔法使いの王だな…?」
ロ「お前達の目も覚めたことだ。命令を下そう」
ア「…命令?」
ロ「今日から5ヶ月間、お前達はアリスと共に生活しろ」
「「は!?!?」」
ア「どういう風の吹き回しよ!?」
健斗達が反論する前にアリスが王に怒鳴った。
ロ「お前のためにやってる」
ア「迷惑よ」
ロ「王の命令は絶対だ」
ア「……」
健「お前は俺達の王じゃない!!!」
ロ「ならここで死ぬか?」
健「…くそがっ!!!」
ロ「ハハ、そう怒るなよ。ここで暮らしている
間はお前達の命は保障する。案外人間共の街より快適かもしれないぞ」
マ「5ヶ月かぁ…」
そう力無くマリンは呟いた。
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