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正義の親玉
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俺は正義の味方だ。正義に歯向かう多くの悪い奴らを懲らしめてきた正義の味方だ。この世には悪い奴らがたくさんいる。倒しても、倒しても次々に悪い奴らが現れる。だから俺のような正義の味方が世界には必要なのだ。
ここで一つ忠告しておきたい。俺はあくまでも正義に味方するものであって、俺自身は正義ではないということだ。正義に遣わされ、悪と戦う正義の使者なのだ。
今日も正義に歯向かう悪の手下と親分をやっつけてきたところだった。悪さをしてきた悪の手下とその親玉に正義の代わりに鉄槌を下してきたのだ。その時俺はきづいてしまった。
悪の親玉の捨て台詞。「正義の味方なんかにやられるなんて」
そうだ、いつだってそうだ。悪い奴らは始めこそ悪の手下を使って悪行の限りを尽くしてきた。しかし俺たち正義の味方がそれを阻止していったらどうだ。最後には必ず悪の親分が出てきて戦うではないか。
いつだって正義は勝つ。しかし、正義は、正義の親玉が前線に出ることはない。悪の親玉は前線で戦うのに正義の親玉はいつまでの手下の俺たちを使って戦っている。
一度考え始めると正義への疑念がどんどん深まっていく。いつまでも味方の俺たちの影に隠れて自分は手を出さない正義の親玉よりも、倒されていく手下を見かねて前線に繰り出す悪の親玉のほうが正々堂々としているのではないだろうか。
なんだか正義に対する怒りが湧いてきた。俺たち正義の味方を駒のように使って自分は手を汚さない。悪い奴らにやられそうになっても、助けてくれるのは同じ正義の味方だけ。正義の親玉は手も貸してくれないではないか。そうするとだ、正義の親玉が一番卑怯なやつではないか。
一言ガツンと言ってやろうとしたそのとき同僚が目の前に現れた。
「正義に歯向かう悪い奴め。この正義の味方が成敗してやる」
何を言っているのだ、俺だって正義の味方だぞ。
「お前はもう正義の味方ではない。正義のやり方に逆らうやつはみんな悪い奴だ」
くそう。そういうことだったのか、いくら倒しても悪い奴らが減らないのはこういうことだったのか。正義のやり方に反旗を翻した元正義の味方たちが悪の手下や親玉になっていたのだ。
俺は現れた正義の味方から命からがら逃げだした。正義の奴め。またもや味方を使って自分に楯突くやつを倒しに来たのか。覚悟しておけ正義の親玉。今度はこの俺がその卑怯な性根を叩き直しに行ってやるからな。
今日から俺は悪の親玉だ。
ここで一つ忠告しておきたい。俺はあくまでも正義に味方するものであって、俺自身は正義ではないということだ。正義に遣わされ、悪と戦う正義の使者なのだ。
今日も正義に歯向かう悪の手下と親分をやっつけてきたところだった。悪さをしてきた悪の手下とその親玉に正義の代わりに鉄槌を下してきたのだ。その時俺はきづいてしまった。
悪の親玉の捨て台詞。「正義の味方なんかにやられるなんて」
そうだ、いつだってそうだ。悪い奴らは始めこそ悪の手下を使って悪行の限りを尽くしてきた。しかし俺たち正義の味方がそれを阻止していったらどうだ。最後には必ず悪の親分が出てきて戦うではないか。
いつだって正義は勝つ。しかし、正義は、正義の親玉が前線に出ることはない。悪の親玉は前線で戦うのに正義の親玉はいつまでの手下の俺たちを使って戦っている。
一度考え始めると正義への疑念がどんどん深まっていく。いつまでも味方の俺たちの影に隠れて自分は手を出さない正義の親玉よりも、倒されていく手下を見かねて前線に繰り出す悪の親玉のほうが正々堂々としているのではないだろうか。
なんだか正義に対する怒りが湧いてきた。俺たち正義の味方を駒のように使って自分は手を汚さない。悪い奴らにやられそうになっても、助けてくれるのは同じ正義の味方だけ。正義の親玉は手も貸してくれないではないか。そうするとだ、正義の親玉が一番卑怯なやつではないか。
一言ガツンと言ってやろうとしたそのとき同僚が目の前に現れた。
「正義に歯向かう悪い奴め。この正義の味方が成敗してやる」
何を言っているのだ、俺だって正義の味方だぞ。
「お前はもう正義の味方ではない。正義のやり方に逆らうやつはみんな悪い奴だ」
くそう。そういうことだったのか、いくら倒しても悪い奴らが減らないのはこういうことだったのか。正義のやり方に反旗を翻した元正義の味方たちが悪の手下や親玉になっていたのだ。
俺は現れた正義の味方から命からがら逃げだした。正義の奴め。またもや味方を使って自分に楯突くやつを倒しに来たのか。覚悟しておけ正義の親玉。今度はこの俺がその卑怯な性根を叩き直しに行ってやるからな。
今日から俺は悪の親玉だ。
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