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第一章 ぶつかり合う感情
変わり始める日常
しおりを挟むあのお茶会以降、何故かクレイ殿下から三日に一度のペースで手紙が送られるようになった。それも花束や可愛らしい小物を添えて。
殿下に嫌味も含め手紙を送るなという内容の手紙を送っているのだけど、
「・・・・・・ナル、ほらほら目を休めて」
「あ~気持ちいい・・・、じゃなくて!今書き終わるからタオルを乗せないで!」
「じゃあすぐ終わらせちゃって。僕が届けてきてあげるから」
「そう言って、王城に届いた試しがないのだけど?」
私は頻繁にレイ殿下からくる手紙の返事に追われ、もう少しで書き終えるという所で弟のリクによって目の上に蒸しタオルを乗せられたのだ。
後、リクが今まで届けると言った手紙は何故か王城に届いてなかったり、殿下の手紙が焼却炉に捨てられた痕跡がある事を使用人から聞いている。リクの可愛い嫉妬で済ませていいのか悩ましいけど。
リクとの攻防も日課になっていて、私が手紙と格闘したり、食事の際にクレイ殿下の話題が出ると私をじっと見てきたりと、何故だか浮気がバレたような心境に至っている。
リク!私が大切なのは今も昔も変わらず貴方だけよ!
と告げると、満面の笑みで抱き着いてくる。
頬ずりしてきて、撫でてと甘えてくる弟を構い倒したくなる私も大概ね。
そんなある日、クレイ殿下ではなく王妃様から私と弟のリク宛に招待状が届いた。
またお茶会かしらと思ったのだけど、どうやら趣旨が違った。
「姉さんは参加するんですか?」
「そうね・・・」
王妃様からの手紙の内容はこうだ。
今度開催するのは、闘技祭。
闘技祭は、剣・弓等の武器、魔法での試合が闘技場で行われたり、会場の外では郷土料理の宣伝や祭ある若者へのスカウトが行われる。
年に一回開かれる、一番盛り上がる行事だ。
そこへ、特等席での観覧のお誘いというわけだ。
・・・私は見るより断然参加したいのだけど。
もしかすると、コルデミッド殿と手合わせできるチャンス?
そうと決まれば、早速着替えて練習ー――
「姉さん、これ」
「、よっと。リク、ありがとう!」
「後で呼びに行くから存分に楽しんできて」
「うんっ、行ってくる!」
書き終えた手紙に封をして、剣を片手に部屋から飛び出した。
ブオンブオンッ、シュッー―――
ストレッチをして、剣を振る事2時間・・・くらい。今どれくらい経ってるのかしら?
腕は鈍ってないみたいね。
最近は淑女教育の一環で鍛錬をさせてもらえなかったから心配してたけど・・・。でも、油断はできないわ。私と戦ってくれる人達に失礼のないよう全力で臨まなくては!
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