炎のように

碧月 晶

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71.焦燥 sideヴィント

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アルを(強引に)着替えさせて、(強引に)手を繋いで次の店まで一緒に移動した。

服屋での一件を思い出す。
予想以上に似合っていて正直何故か焦った。

前髪で若干隠れているものの綺麗な顔立ちである事に変わりはない。
実際、すれ違う人間全員、アルに見惚れていた。本人は全く気が付いていないみたいだったけれど…もしかして案外鈍感なのか?

そういえば、さっきアルの長い前髪が邪魔そうだったから、除けようと手を伸ばしたら凄い勢いで避けられて威嚇された。


そんなに見られたくない傷でもあるのだろうか?


勿論、アルの嫌がる事はしたくないのでこれ以上追究するつもりはない。

アルの本名の事も、な。

 

 

今は、だが。

 
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