炎のように

碧月 晶

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160.シルバープレート

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「ピィー」

アルが出て行った部屋で動けないままそのまま佇んでいると、不意に鳴き声が聞こえた。声がした方を見れば

「…エルモソ?」

そこには青と緑の体毛と、黒い瞳を瞬かせている者がいた。


あの時の?


以前アルと再会した森で遭遇した時の事を思い出す。
断定する事は出来ない。だけど、そうだと思った。

こちらを探るように視線を送り続けている者に近付くと、ふとその首にかかっている銀の小さなプレートが付いたネックレスに目がいった。
恐らくアルが着けたであろうそれには、何か文字が書いてある。

「すまない、そのプレートを見せてはくれないか?」

かがんで視線を合わせ懇願すると、暫く間を置いた後に許可するように首を傾けてくれた。

「ありがとうな」

礼を言って軽く頭を撫でてやれば、アルの香りがしたような気がした。

プレートを手に取って確認すると、そこにはこの国の物ではない、異国の文字が刻み込まれていた。

「これは…」

刻まれている文字には見覚えがあった。確か…

 

「…オラージュ、か?」

 

 
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