炎のように

碧月 晶

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それが何を差しているのか、すぐに理解した。

「これは…聞いてませんでしたけど、面白いですね、君。」

俺の髪を掴んだまま、不気味な笑みを浮かべている。


クソ…離せ…


そう思うけれど、身体はいう事をきかなくて
悔しさから男を睨みつければ

「……………何、その目」

急に無表情になったかと思えば、左頬に鈍い音と痛みがした。

「ぐっ…!」

口の中に鉄の味が広がる。

「おい、止めろ。誰が今手を出して良いと言った。」

それまで後ろで様子を見ていた叔父が、勝手に動くなと男を咎めた。

「……ああ、すみません。つい」

男はすぐに笑みを貼り付け、俺を離した。
引っ張られていた力が無くなって、俺の身体は再び地面に落ちた。

「ごめんね?まだちゃんと躾(しつけ)が出来てなくて。…でも今ので分かったよ。君、『アイセ』でしょ。」

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