炎のように

碧月 晶

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323.貴方が

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怒りを孕んだ眼。

隠しもしないそれに射抜かれて、ぜんまいが止まった人形のように動けなくなった。


「お前…俺に自分の何が分かるって聞いたよな?
…ああ、確かに分からねえよ、俺はお前じゃないんでね。
だがな、そっくりそのまま返してやるよ。お前に俺の気持ちの何が分かる!」
「…っ、」
「聞いてりゃ人の本気を嘘呼ばわりしやがって。じゃあ何か?ヴィント様のお前に対する思いも、信頼も、全部嘘だって言いたいのか?まやかしの自分に向けられたものは全て嘘だとお前が否定するのか?」
「! ちが…!」
「違うと言うのなら尚更言わせてもらう。
今の話を聞いて俺がお前を嫌いになると思ったのか?
お前から離れていくと思ったのか?
俺の思いはその程度だと?」
「それは…」


ドキリと、思わず目を逸らした。


「目を逸らすな。俺の目を見ろ、俺をちゃんとお前の眼に映せ」
「…っ、あ」


低い声に、視線を戻す。


「図星か?」


有無を云わさぬ圧で、迫られ
逡巡して、頷いた。



「……アンタ、結構バカだな」



けれど、少しだけ軽くなった呆れたような優しさを含む語気に

瞑っていた目を開けようとすると、ギュッと温もりに包まれた。


「…嫌う訳ないだろ。ずっとお前だけを見てきたんだ…俺は、お前がイグニートだから好きなんだよ。
寧ろ、今の話を聞けて益々好きになった」
「………へ?」



予想もしていなかった言葉に、声が裏返ってしまった。
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感想 3

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