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34.前代未聞
しおりを挟む「そんな理由で…っ」
「………」
「そんな理由で彼らを…!「殺してないよ」」
「………え?」
「何そのびっくりしたみたいな顔」
「魔王様、あれは『みたい』ではなく本当に驚いているんですよ」
漸く泣き止んだノヴァの補足に彼は「何で」と聞く。
そんな彼にノヴァは額を押さえながら答える。
「先代魔王様の代まで、ずっと城に侵入した人間は始末してきたんです。魔王様の恐ろしさを流布するため敢えて何人かは逃しましたが、貴方のように罠にはめるだけはめて、ただ城外に放り出すだけの魔王など史上初ですよ」
城外に…放り出すだけ?
ノヴァのその言葉にまたもや驚く。
「えー…だってさ、何で他人の生き死にに俺がわざわざ関わんなきゃいけないの。それこそ面倒臭いじゃん」
「貴方って人は…」
頭が痛いと言うように溜め息をつくノヴァを無視して、彼は言った。
「信じられないって言うなら自分の目で確かめて見れば?」
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