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46.押付
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うとうととしてきて、このまま寝ようかなとか思ってたら
「で、さっきの続きなんだが。答えを聞かせてくれないか」
「…あんたなかなかに鬼畜だね」
疲れたっつってんのに追い打ちを掛けてくるよ、この人。
「返事ならさっきした」
「あれは返事には入らない」
「入る」
「入らない。アメの気持ちを聞いていない」
「………」
べしっとルカの手を叩き落として寝返りをうつ。
別にルカは怒ってる訳でも声を荒げた訳でもないのに、背中に感じる視線に心臓がぎゅっと締め付けられたような気がした。
これも知ってる。多分気まずいってやつ。
「…アメは歳はいくつなんだ」
暫く黙っていたら唐突にそんな事を聞かれる。
「十八…じゃない十九」
向こうの世界にいた時、誕生日が近かったから多分もう過ぎてる。
「ルカは」
「私は今年で25になる」
「若いね」
「それはこちらの台詞だな」
それもそうだね。
でも会話がなくなったからって無理に話し掛けて来なくてもいいのに。
思春期の娘持ってるお父さんみたい。
「…俺の気持ちって何」
「…………」
「面倒臭いって言った」
それだって立派な俺の気持ちじゃないか。
「『楽しい』って何。それってそんなに重要なの」
「………」
「…知らないとおかしいの」
「………」
「そんなの、勝手だ。俺にそれをさせてくれなかったのはそっちじゃん」
運動も
『柳瀬が入るとつまらない』
勉強も
『何であんなつまらなさそうな奴が一番なんだよ』
会話も
『柳瀬にはつまんない話だよ』
つまらないと、俺に押し付けてきたのはそっちが先だったくせに。
何かすれば嫌味かと文句をつけてきたくせに。
自分の力不足を俺のせいにするな。
「で、さっきの続きなんだが。答えを聞かせてくれないか」
「…あんたなかなかに鬼畜だね」
疲れたっつってんのに追い打ちを掛けてくるよ、この人。
「返事ならさっきした」
「あれは返事には入らない」
「入る」
「入らない。アメの気持ちを聞いていない」
「………」
べしっとルカの手を叩き落として寝返りをうつ。
別にルカは怒ってる訳でも声を荒げた訳でもないのに、背中に感じる視線に心臓がぎゅっと締め付けられたような気がした。
これも知ってる。多分気まずいってやつ。
「…アメは歳はいくつなんだ」
暫く黙っていたら唐突にそんな事を聞かれる。
「十八…じゃない十九」
向こうの世界にいた時、誕生日が近かったから多分もう過ぎてる。
「ルカは」
「私は今年で25になる」
「若いね」
「それはこちらの台詞だな」
それもそうだね。
でも会話がなくなったからって無理に話し掛けて来なくてもいいのに。
思春期の娘持ってるお父さんみたい。
「…俺の気持ちって何」
「…………」
「面倒臭いって言った」
それだって立派な俺の気持ちじゃないか。
「『楽しい』って何。それってそんなに重要なの」
「………」
「…知らないとおかしいの」
「………」
「そんなの、勝手だ。俺にそれをさせてくれなかったのはそっちじゃん」
運動も
『柳瀬が入るとつまらない』
勉強も
『何であんなつまらなさそうな奴が一番なんだよ』
会話も
『柳瀬にはつまんない話だよ』
つまらないと、俺に押し付けてきたのはそっちが先だったくせに。
何かすれば嫌味かと文句をつけてきたくせに。
自分の力不足を俺のせいにするな。
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