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第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心
【第33話】 再教育(33)クリスティーナ
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■クリスティーナサイド(11)
「せっかくだから、いいことを教えてやろう」
牢屋を先導しながら、ジョンはBS学園について語りだした。
「ティーナが在籍しているのは、世界で三人しか選ばれない特別コースだ」
「知っているわ」
「いや、自分がどれだけ恵まれているか、全く理解していない」
「恵まれているって、あたしは男の子だったのに、無理やり女の子にさせられて……」
誰が好んで女の子になんてなるっていうの。
そう言いたげに、ティーナは眉をひそめる。
「最高の性転換手術を享受できるんだ。もっとありがたいと思うべきだ」
「そんなこと、お願いしてない」
「関係ないさ。神の手を持つ早紀様の性転換手術を受けられるというだけで、十分勝ち組なのさ。しかも、お屋敷でお嬢様として扱われて、暖かいお風呂も、最高級の食事も、最高の教育まで与えられている。恵まれているのさ」
ジョンは、ティーナがいかに恵まれているかを力説する。
だが、どんなに説明されても、納得できない。
無理やりの性転換なんて、許されるはずがない。
「ティーナの立場を狙っている奴は山ほどいるんだぜ。S級だからといって安泰ではないんだ。反抗し続けたら、いつA級に落とされるか分からないんだぜ」
「どういうこと?」
「数百人の補欠がいるのさ。A級からE級までランク付けされて、月一でランクアップの機会を与えられている」
性転換候補は美しさや、性格の女の子らしさで細かくランク付けされているとのことだった。
C級はB級に、B級はA級に、A級はS級に這い上がろうと、熾烈な争いに身を置いている。
「ティーナたちが、のほほんと過ごしている間に、A級やB級は精いっぱい女を磨いて、虎視眈々とS級の座を狙っているのさ。内面の女らしさ、化粧、ファッションセンス、教養によっても、女は輝きを増すからな。ティーナもうかうかしていられないぜ」
評価が下がれば、ランクダウンもあるのだという。
「なんでこんな話をするの?」
「ティーナは女を磨く努力が足りないからな。ブタ小屋にいるE級の子たちだって、ティーナの百倍女らしい。よく見ろ」
そう言って、ジョンは牢屋の中にいる少女を指さした。
見た目は、女子として中の上といったところだろうか。
悪くはない外見だ。
ただ、体は女らしく成長しているものの、骨格をよく見ると男らしさが抜けていない。
欲求不満なのだろうか、スケスケの服を着た少女は、大きな胸を揉みながら、ペニスをしごいていた。
「あっ」
少女は、聡に気が付いて驚きの声をあげた。
ジョン以外の男を久しぶりに見たのだろうか。
頬を真っ赤に高揚させている。
完全にメスの顔になっている。
彼女はしなを作りながら、誘惑するように聡に近づいていった。
「あっ。かっこいいお兄さんだ。ねぇ、お兄さん。あたしといいことしない?」
その声を聞いた他のニューハーフたちも、同様に猫なで声で聡を誘惑し始めた。
「だめよ。お兄さんは、あたしのよ。あげないわ。ねぇ、お兄さんだったらタダでいいわよ」
「大きい胸、好きでしょ。好きなだけ揉んでいいわよ」
少女たちは格子から手を伸ばして、聡に迫ってくる。
クリスティーナは、聡から少女たちの手を振りほどく。
聡君には、一切触れさせないといった雰囲気だ。
「聡君、大丈夫?」
「あっ。ああ」
聡は冷や汗をかいていた。まさか、地下室でこんな目に合うとは。
ティーナは恐怖を押さえつつ、少女たちに語り掛ける。
「ねぇ、みんな。正気に戻って。お願い」
その言葉は、少女たちに届かない。
「なによ、あなた。ちょっと可愛いからって偉そうに」
「そうよ。何様のつもり? あたしたちは正気よ。自分の意思で、ここにいるの。素敵な男性にいじめてもらえるように、女を磨いているの」
「彼氏連れでここに来るなんて、なんて嫌味なメスイヌなの?」
少女たちの反応は散々だ。助けに来てくれたと喜ぶものは一人もいない。
ジョンが割って入る。
「ここにいるティーナは、お前たちと同じニューハーフなんだぜ。信じられるか? しかもS級さ」
その言葉を聞いて、少女たちは羨望と嫉妬の目をクリスティーナに向けた。
「こんな小娘がS級? 男? ありえない。ずるいわ。確かに美人だけど、あたしの方がずっと女らしいのに」
「そうよ。殿方を喜ばせるテクニックでは、こんな無垢な娘に負けないわ」
口々に叫ぶ少女たちに、ジョンはムチをふるう。
「うっせーよ、てめーら」
ジョンに打たれた少女たちの尻にはミミズばれができている。だが、
「あぁん。ジョンさま。気持ちいいです。もっと……」
「あたしも悪い娘です。もっと、お仕置きしてください。あぁん」
少女たちは、むしろ悦びの声をあげている。
「ほら見ろ。こいつらは、もともとマゾ気質が強い変態なのさ。ほとんどのやつらは、調教してもらいたいがために、自分からお金を払ってここにいるんだぜ」
クリスティーナは首を振る。
目の前の光景を受け入れられない。
自ら悦んでムチに打たれるなんて、どう考えてもおかしい。
常識からは考えられない世界だ。
「信じられないかもしれないが、D級とE級は誰も強制されていないんだな。もともと性転換願望の持ち主が、早紀様の手術を受けたいからここにいるってだけだ」
上の階級は、本人の性的指向に関係なく、最高の美少女になる素質がある美少年が選ばれる。
一方で下の階級は、本人の美しさに関係なく、性転換願望が強く、手術費用を賄える子が入ってくる。
クリスティーナは眩暈がしてきた。
「じゃあ、あたしたちが必死に助けようとしていたこの娘たちは……」
「こいつらは、ここを天国だと思っているだろうよ。もともとマゾだったうえに、運が良ければ早紀様の性転換手術を受けられるんだ。ティーナがどう説得しようが、ここから出たがることはないはずだぜ」
「せっかくだから、いいことを教えてやろう」
牢屋を先導しながら、ジョンはBS学園について語りだした。
「ティーナが在籍しているのは、世界で三人しか選ばれない特別コースだ」
「知っているわ」
「いや、自分がどれだけ恵まれているか、全く理解していない」
「恵まれているって、あたしは男の子だったのに、無理やり女の子にさせられて……」
誰が好んで女の子になんてなるっていうの。
そう言いたげに、ティーナは眉をひそめる。
「最高の性転換手術を享受できるんだ。もっとありがたいと思うべきだ」
「そんなこと、お願いしてない」
「関係ないさ。神の手を持つ早紀様の性転換手術を受けられるというだけで、十分勝ち組なのさ。しかも、お屋敷でお嬢様として扱われて、暖かいお風呂も、最高級の食事も、最高の教育まで与えられている。恵まれているのさ」
ジョンは、ティーナがいかに恵まれているかを力説する。
だが、どんなに説明されても、納得できない。
無理やりの性転換なんて、許されるはずがない。
「ティーナの立場を狙っている奴は山ほどいるんだぜ。S級だからといって安泰ではないんだ。反抗し続けたら、いつA級に落とされるか分からないんだぜ」
「どういうこと?」
「数百人の補欠がいるのさ。A級からE級までランク付けされて、月一でランクアップの機会を与えられている」
性転換候補は美しさや、性格の女の子らしさで細かくランク付けされているとのことだった。
C級はB級に、B級はA級に、A級はS級に這い上がろうと、熾烈な争いに身を置いている。
「ティーナたちが、のほほんと過ごしている間に、A級やB級は精いっぱい女を磨いて、虎視眈々とS級の座を狙っているのさ。内面の女らしさ、化粧、ファッションセンス、教養によっても、女は輝きを増すからな。ティーナもうかうかしていられないぜ」
評価が下がれば、ランクダウンもあるのだという。
「なんでこんな話をするの?」
「ティーナは女を磨く努力が足りないからな。ブタ小屋にいるE級の子たちだって、ティーナの百倍女らしい。よく見ろ」
そう言って、ジョンは牢屋の中にいる少女を指さした。
見た目は、女子として中の上といったところだろうか。
悪くはない外見だ。
ただ、体は女らしく成長しているものの、骨格をよく見ると男らしさが抜けていない。
欲求不満なのだろうか、スケスケの服を着た少女は、大きな胸を揉みながら、ペニスをしごいていた。
「あっ」
少女は、聡に気が付いて驚きの声をあげた。
ジョン以外の男を久しぶりに見たのだろうか。
頬を真っ赤に高揚させている。
完全にメスの顔になっている。
彼女はしなを作りながら、誘惑するように聡に近づいていった。
「あっ。かっこいいお兄さんだ。ねぇ、お兄さん。あたしといいことしない?」
その声を聞いた他のニューハーフたちも、同様に猫なで声で聡を誘惑し始めた。
「だめよ。お兄さんは、あたしのよ。あげないわ。ねぇ、お兄さんだったらタダでいいわよ」
「大きい胸、好きでしょ。好きなだけ揉んでいいわよ」
少女たちは格子から手を伸ばして、聡に迫ってくる。
クリスティーナは、聡から少女たちの手を振りほどく。
聡君には、一切触れさせないといった雰囲気だ。
「聡君、大丈夫?」
「あっ。ああ」
聡は冷や汗をかいていた。まさか、地下室でこんな目に合うとは。
ティーナは恐怖を押さえつつ、少女たちに語り掛ける。
「ねぇ、みんな。正気に戻って。お願い」
その言葉は、少女たちに届かない。
「なによ、あなた。ちょっと可愛いからって偉そうに」
「そうよ。何様のつもり? あたしたちは正気よ。自分の意思で、ここにいるの。素敵な男性にいじめてもらえるように、女を磨いているの」
「彼氏連れでここに来るなんて、なんて嫌味なメスイヌなの?」
少女たちの反応は散々だ。助けに来てくれたと喜ぶものは一人もいない。
ジョンが割って入る。
「ここにいるティーナは、お前たちと同じニューハーフなんだぜ。信じられるか? しかもS級さ」
その言葉を聞いて、少女たちは羨望と嫉妬の目をクリスティーナに向けた。
「こんな小娘がS級? 男? ありえない。ずるいわ。確かに美人だけど、あたしの方がずっと女らしいのに」
「そうよ。殿方を喜ばせるテクニックでは、こんな無垢な娘に負けないわ」
口々に叫ぶ少女たちに、ジョンはムチをふるう。
「うっせーよ、てめーら」
ジョンに打たれた少女たちの尻にはミミズばれができている。だが、
「あぁん。ジョンさま。気持ちいいです。もっと……」
「あたしも悪い娘です。もっと、お仕置きしてください。あぁん」
少女たちは、むしろ悦びの声をあげている。
「ほら見ろ。こいつらは、もともとマゾ気質が強い変態なのさ。ほとんどのやつらは、調教してもらいたいがために、自分からお金を払ってここにいるんだぜ」
クリスティーナは首を振る。
目の前の光景を受け入れられない。
自ら悦んでムチに打たれるなんて、どう考えてもおかしい。
常識からは考えられない世界だ。
「信じられないかもしれないが、D級とE級は誰も強制されていないんだな。もともと性転換願望の持ち主が、早紀様の手術を受けたいからここにいるってだけだ」
上の階級は、本人の性的指向に関係なく、最高の美少女になる素質がある美少年が選ばれる。
一方で下の階級は、本人の美しさに関係なく、性転換願望が強く、手術費用を賄える子が入ってくる。
クリスティーナは眩暈がしてきた。
「じゃあ、あたしたちが必死に助けようとしていたこの娘たちは……」
「こいつらは、ここを天国だと思っているだろうよ。もともとマゾだったうえに、運が良ければ早紀様の性転換手術を受けられるんだ。ティーナがどう説得しようが、ここから出たがることはないはずだぜ」
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