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第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心

【第80話】 つばさ女性化計画(2)◆

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 色白の太ももの間にある、まだ数センチの小さな膨らみ。
 美少女には似つかわしくない股間の一物の袋を、銀の針は正確にとらえていた。

「じっとしてれば、痛くないからね」

 傷一つないきれいな体に針が近づいていく。
 日焼けしていた皮膚は、屋内で過ごす日々が続いてすっかり白くなっていた。
 女性らしいいい匂いが、全身から漂っている。
 つばさは日々、スキンケアを怠らず、より女子力を高めようと努力を重ねていた。
 末舛夫妻の教育の賜物だろう。

(いいわ。本格的に女に堕としてあげる。だってが望んだことだもの。しょうがないわよね)

 悪魔じみた微笑を浮かべながら、早紀はつばさに顔を近づけていく。

 プスッ。

 躊躇なく、一気に刺す。
 アルコール消毒された玉袋を通して、針が睾丸へと進む。
 つばさを女の子にするための最初の薬が、細い体に投与されていく。

「あっ」

 身構えていたが、思っていたよりも痛くない。
 チクっとした痒みと共に、睾丸を薬が満たしていく。
 それは、女性ホルモンとセットで絶大な効果を与える魔法のような薬。
 妖艶な女体になるための、大事な布石だ。

「ほら、痛くないでしょ」

 つばさはコクリと頷いた。
 何が起こっているのか、実感があまりない。
 自分の体が男だったことすら、まだ消化しきれていないのだから当然だろう。

 だが、本人が自覚する前に、つばさは越えてはいけない一線を越えてしまっていた。
 ノーマルな男性に与えてはならない禁断の薬が、下半身を容赦なく駆け巡る。

 早紀が投与した薬は、女性ホルモンリセプターを増やすためだけの薬ではない。
 一時的な勃起機能を持たせる、ちょっとした副作用がある。

 特殊な女性化薬が、じっくりと男性器を侵食しながら、股間の全体へと広がっていく。
 暖かな、それでいてムズムズするような高揚感が、つばさの股間を別の生き物に変えていく。

 それは、つばさにとって一足早めの性的な目覚めであった。
 何も知らない無垢なつばさの心に、性的快楽がじりじりと降り注いでいく。

 つばさは心臓のドキドキが止まらない。
 媚薬は、つばさの抵抗力のない体を一気に発情させていく。
 得体の知れない快楽に、体ががくがく震え出す。
 自分の体が自分のものではないようで不安になり、つばさは思わず声をあげた。

「つばさ、変なの。体が熱いの。すっごく」

 早紀は、大丈夫よと言いたげに、つばさの頭を抱き寄せる。
 そして魔法のようなタッチで撫でながら、不安を取り除いていく。

「心配ないわ。もう痛くないでしょ? だんだん気持ちよくなっていくはずよ」

 そう言いながら、つばさのおちんちんをゆっくり撫でる。
 竿の下の部分からゆっくりと、亀頭へとくすぐったいくらいの速度で指を滑らせていく。

「気持ちよく……? この体のぽかぽかのこと?」

「そうよ、分かるでしょ。お股からくるじんわりとした気持ちよさが」

 そう囁きながら、ベッドに横たわるつばさの体に、フェザータッチで刺激を与えていく。
 つばさの意識が否応なしに、股間の心地よさに集中する。
 子供ペニスがむくむくと起き上がる。
 それを避けるように、つばさは身をよじる。
 だが、早紀は攻撃の手を緩めない。
 ペニスはさらに上を向き、膨張した亀頭が顔を出す。

「あっ、つばさのあそこが、なんか変。だめ、だめなの」

 つばさは、ただでさえ嫌悪すべきおちんちんが大きくなったことに、ショックを受けていた。

「ダメじゃないわ。これはね、つばさちゃんが女の子、いいえ女になるための第一歩なのよ」

 早紀はつばさのペニスを優しくしごきながら、むくむくと大きくなっていくのを楽しそうに見ていた。

「だ、だめ。恥ずかしい」

 甲高い声を絞り出しながら、つばさは両手で顔を隠し、首を何度も振った。

「大丈夫よ。よく聞いて。大事なことなの」

 ペニスからの快楽に戸惑うつばさに、早紀は前置きしてから続けた。
 ここで性的に男性として目覚めるか、女性として目覚めるかが、今後に大きな影響を与えるからだ。
 しっかり女性としての一歩をに歩ませる必要がある。

「つばさちゃんの心はまだ、完全に女の子なわけじゃないの」

「そ、そんなわけ……」

「いいから聞いて。だから、もっと心も女の子になれるように、先生の言うことを聞いてくれる?」

 もっと女の子に。その言葉に安心したのか、つばさは火照った顔でゆっくり頷いた。

「いい娘ね」

 目は快楽の波によって、メスの色に染まり始めていた。
 つばさの虚ろな瞳を見て、早紀は口角を上げた。

 もっとあなたをメスに堕としてあげる。
 翔だった時の男の精神を剥ぎ取ってあげる。
 生まれた頃から女の子になりたかった、性同一性障害の子と、同じにしてあげる。
 そう言いたげな、邪悪な欲望が早紀の中でうなりを上げていた。

「いいかしら。つばさちゃんは、これからおちんちんが気持ちよくなっているときは、必ず好きなのことを思い浮かべるの。好きな男性の声、体、優しくされた時のこと。何でもいいわ。大丈夫? できるかしら」

「……はい」

 そんな簡単なこと? つばさはそう言いたげに、頷いた。
 心あらずの生返事だが、既につばさの頭には明人のことが浮かんでいた。

 明人の大きな腕、太くも落ち着くバリトンボイス、そして抱き締められた温もりが、つばさの中で蘇る。
 それが分からない早紀ではない。
 つばさの性的指向をより男性に強く向けさせるため、早紀は洗脳するがごとくゆったりした声で、つばさの心を誘導していく。

「そうよ。いい娘ね。そうやって想像するの。この手は私の手じゃないわ。あなたの大好きなおじさまの手。あなたを愛しく思って、撫でてくれる彼の手。いいかしら。目を閉じてそれを思い浮かべるの」

 言われるがままに、つばさは目を閉じた。

(おじさまの手が、つばさの股の間に。撫でられて、むずむずして……。でも嬉しい)

 その想像に、だんだんと頬が高揚していく。
 つばさの心は、大好きなおじさまからの愛撫で満たされていく。
 子供ちんちんが思いっきり上を向き、性的な興奮をこれでもかと訴える。
 それによって、つばさを女性化する薬も全身の隅々まで行き届いていく。

「……んっ……はぁ」

 吐息が甘みを増していく。想像の中で、つばさは明人に体を愛撫され続けていた。
 そして、子供ちんちんまで舐められる。その瞬間、つばさの体がビクンと上下に震えた。

「だめ、おじさま。そこは」

 つばさの子供ちんちんは、すでに勃起を始めている。
 その性的快楽が、直ちに明人、愛しの男性と結びつく。
 本来目覚めるはずのなかった、つばさの女の性欲が少しずつ開花していく。

「いいのよ。つばさちゃん。あなたは女なんだから、大好きな男性に体を愛されて幸せになるのは当然なの。気持ちいいんでしょ? 男性の体と触れ合う。それだけであなたの心は満たされるの。体は快楽で満たされていくの」

「だめっ……あっ……あんっ」

 自分でも信じられないような甘い声が、つばさの口から洩れる。

「そう。それが感じているメスの声。オスを本能から求めるメスの声。あなたの声よ」

「あっ……なんかっ……あんっ……止まらな……あんっ……止まらない…はぁん」

 早紀は計算しつくした手つきで、リズミカルにつばさのペニスや胸、体全体を撫でていく。
 それは女性が男性に対してするものではない。
 つばさの中の女の本能をゆっくりとあぶり出しながら、つばさのペニスをクリトリスのように扱いながら、本格的に、しつこく丁寧に、これでもかと、愛撫を繰り返す。

「いいのよ。止まらなくて。女の子なんだから、喘ぎ声が止まらなくて当然なの。ほら」

 女のように体をくねらせ、女のように男性の欲望を受け止めることに快感を覚える。
 そう自然に動けるように、発情を高めていく。

「あぁん……おじさま。そこ、舐めないで。きちゃう……何かがきちゃう」

 つばさの下半身がワナワナと震え出す。
 それは投薬によって生じた疑似精液が、睾丸の中で暴れ出している証拠だった。

「そう。あなたのおじさまは、いっていいって言ってるわ。もっと喘いでいいって言っているわ」

「あっ……つばさ……気持ちいい……あんっ……知らない……あんっ……こんなの、しらないの……あぁん」

 つばさの脳裏では、なぜか明人の体に組み敷かれた自分の姿が浮かんでいた。
 髪を振り乱しながら、明人にしがみ付きながら、股間を刺激され続ける自分の姿が。

「そうよ。それが女なの。男性に愛されて満たされる女なのよ」

「あぁん……きもちいい……おじさま……つばさ……変に……変になっちゃう」

「なっちゃいなさい。ほらっ」

「あぁぁぁぁぁん。だ、だめー」

 どぴゅ、どぴゅ、どぴゅ。

 つばさの亀頭から大量の疑似精液が放出される。
 同時に頭が真っ白になる。
 体をばたつかせながら、自身の精液でお腹を汚していく。

 虚ろな顔のつばさに、早紀は語り掛ける。

「どう? 気持ちよかったかしら? つばさちゃんは、これから毎週私のところに来るの。約束よ。そうしたら女の子になるための薬を、いっぱい入れてあげるわ。いい年齢になったら、ホルモン注射も始めましょうね。そうしたら、もっと女としてイかせてあげるわ。イくたびに、あなたは本当の意味でメスに変わっていくの。どんどんエッチな女の子に染まっていくのよ。ふふふっ」
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