非日常 学園

ナポ

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そろれぞれ席を決めて落ち着いた頃、やっと先生が来た。

「皆さんこんにちは、今日から1年B組を担当する藤原京です。」

「優しそうな先生だな。」

「そうだね、子供が好きそう。」

「うんうん、小学校の先生にいそう。」

「黒板にある予定の通り、9時50分から自己紹介をしてもらいます。それまでは自由時間になります。トイレ休憩も好きに行って大丈夫ですよ。」

そうだ、自己紹介があるのか‥

「自己紹介苦手なんだよね。」

「わかる!好きな人なんていないよなー。」

「とりあえず、名前と好きな物とか言っとけばいいよね。」

「だな。俺は言葉を噛まないかとかも心配だわ。」

「その時はその時だよ!」

心配性な俺の気持ちは落ち着くことなく、とうとう自己紹介が始まった。

「それでは出席番号1番の、芦田さんからお願いします。」

え、お、俺?!ついアイコンタクトで隣にいるチカに視線を送る。チカも驚いたようで、首をブンブン振っている。

うぇーまじかよ。仕方ないやるぞ!

落ち着いて席を立ち、藤原先生の方を向く。

「芦田はるまです。好きな食べ物は、オムライスです。よろしくお願いします!」

言えた!噛まずに言えたよ!つい嬉しくてチカに笑いかける。俺、やり遂げたよ!

そんな俺に、無情にも先生の一言が飛ぶ。

「芦田さんに何か聞きたいことはありますか?」

「‥‥」

あ、俺、座ってもいいですか?

「はい!」

少しの沈黙の後、手を挙げる生徒。
気を使われたのかな。そんなのいらないんだけど。

「犬塚光さんどうぞ。」

「えっと、部活は何をしてましたか?」

部活、部活か。体操部と料理部入ってたんだけどどっちも言うべきか?

うーん、後出しみたいになるの嫌だし、言っとくか。

「体操部と料理部に入ってました。」

「「「おぉ‥‥」」」

え、なに怖い怖い。なんの、おぉ‥だよ。

「はい!兄弟はいますか?」

「弟がいます。」

そんな感じで5問くらい質問を受け、ようやく席に座ることができた。

「ふぅ、疲れた。」

「良かったよ!噛まなかったじゃん!」

「あぁ、失敗しなくて良かった。チカも頑張れ。」

「うん!」


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