非日常 学園

ナポ

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友達

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寮での生活が始まり、2週間。


なんだろう。こう、さ?非日常を求めてしまう気持ちっていうか。

何してるんだろう自分?みたいな。

これ以上何かを変えたいとか無くもないというか。

ああ、なんだろうな、これ。

チカを見ていると楽しそうだなーてなって、
一番は俺でいてほしいな、とか思っちゃうんだよな。

だから、チカが好きって言ったら、それも好きになって、色んな事を共感してわかり合いたいっていう、謎の感情。

どうしてもっと早く会えなかったんだろう‥なんて。

小学校時代の黒歴史を思い出しちゃったわ。

「はる?」
「うん?」
 
クラスメイトと楽しそうに話すチカの隣で、現実逃避をする俺。

「部活どうする?締め切り明日までじゃん」
「うーん、料理部にしようかな」
「僕はテニス部にする」
「後で入部届出しに行こ」
「うん」


クラスメイトって、友達なのかよく分からないよな‥そもそも、友達の定義とはなんだろう。

「俺も出してないや、一緒に行ってもいい?」
「もちろん。ね、はる?」
「うん」
「すずりは何部に入るの?」
「俺は美術部かな」
「絵が好きなの?」
「うん、書くのも好きだし、鑑賞するのも楽しいよ!」
「今度見せて」
「いいよ~でも、あんまり上手くないから期待しないでね」
「僕よりはうまいと思うよ」
「そうかな」
「うんうん」

ここにいるのがすごい気まずい。
どこに視線を向ければいいか分からず、教室の時計と目を合わせる。

「二人とも、絵描いたりする?」
「しないかな」
「俺も」


『キーンコーンカーンコーン』

授業のチャイムが鳴り、各自席につく。
そっとため息を飲み込む。

今の所よく話すのは高木すずりくんと、誰だっけ名前忘れた。まぁ、数人とは話せるようになった。



放課後になり、入部届を提出しに職員室へ向かう。

職員室独特のコーヒーの香りに癒やされる。


「失礼します。藤原先生いらっしゃいますか?」
「はーい」

職員室の奥からひょっこりと姿を現した藤原先生。

「入部届出しに来ました」
「「お願いします」」
「はい、受け取りました」

無事に入部届を提出し、職員室を出る。

「「「失礼しました」」」

「ふぅ、職員室って緊張するよね」
「わかる」
「うん」

自然とチカを真ん中にして歩き出す。

「そういえば、僕達寮なんだけどすずりは? 」
「え、俺も!」
「ほんと!それじゃ一緒に帰れるね!」
「うん!」





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