俺が送ったメールは瞬時に既読になる。けど、アイツからの返事は一切ないんだ。……俺はいつまで待っていればいい? 〜明日のその先〜

もこ

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2:君の名前は?

2

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「はぁーっ! 暑い……。結構気合入ったな。」
体育館の更衣室で良太や他の男子たちと着替える。10月になって結構寒くなったと思うけど、汗をかいた。ジャージを脱いで、下に着ていたTシャツも脱ぐと、冷たい空気で体がブルっと震えた。

俺は急いで替えのTシャツとパーカーを着た。……後ろから視線を感じる。
「何? 寒がってんじゃん。」
後ろを振り返ると、良太が服を脱ぎながら話しかけてきた。髪がちょっとだけ乱れて前髪が下りてきている。

「汗で余計に冷えるんだよっ!」
パーカーを纏って少しだけ落ち着いた。今日の試合は、良太と同じチーム。良太の活躍で僅差で3年中心のチームに勝てた。

「打ち上げ行く?」
髪を整えながら良太が聞いてきた。週一のサークル活動の後、町に繰り出して打ち上げするのが恒例。初めの3回は真面目に出てたけど、お酒を飲むわけでもないし、強制でもないと知って行かないことが多くなった。

「いや、お酒が飲めるようになったら参加するよ。」
俺が20歳になるのは来年の8月だ。一年生の中には、ちゃっかりと飲み会に参加している奴もいるけど、そうまでして飲みたいとは思わなかった。

「俺、誘われてるんだよね。一緒に行かない?」
「ごめん。遠慮しとく。今日はバイトもないし、駅前の本屋にでも寄って帰るわ。」
「そ。んじゃ駅までは一緒だな。」

更衣室を出ると、美久ちゃんが俺らを待っていた。
「一緒に帰ろ。」
美久ちゃんの家は結構街の中心街から近い。行ったことはないけど。話を聞くと、駅から5分もかからなそうだった。

良太と美久ちゃんと3人で今日の試合のことを話しながら、電車に揺られる。周りにはサークルの先輩方も多く乗っていたけど、今日は女子率が低いかもしれない。美久ちゃんと仲良しの沙織ちゃんが休みで少し寂しそうだった。

「ね、最近良太くん雰囲気変わったよね。」
「え? そう?」
面白いものでも見たような顔で良太が美久ちゃんを見下ろした。美久ちゃんは背が低いから自然と顔が上を向く。美久ちゃんはジッと良太の顔を見ていた。

「うん……なんていうかな……。」
「そこは男前になったっていうとこだろ。」
良太が悪戯っぽくウィンクしながら、美久ちゃんに言った。

男前になったか? 何だか無理してそうだ。髪型も、香水の香りも……。爽やかなサッカー少年だった良太は? 美久ちゃんの言葉で、俺も良太の変化に気づいた。そうだ……それだ、何か違和感があったんだ。言葉にしない思いを胸の中に仕舞い込み、電車の窓に写る自分たちの姿を眺めていた。



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