俺が送ったメールは瞬時に既読になる。けど、アイツからの返事は一切ないんだ。……俺はいつまで待っていればいい? 〜明日のその先〜

もこ

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4:1年と4か月前

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「あちーっ! 何だ、今日はめちゃくちゃ暑いな?」
狭い空間から外に出ると、奏さんが上着を脱いでワイシャツの袖を捲り上げた。太陽が頭上で輝き、真夏のような暑さだった。

『本当に……過去に飛んだの?』
自分のスマホを見ても、1月30日で何も変わらない。でも、この暑さ……1月では絶対にない。過去に……来たのか?

出てきた建物と、目の前の植木の間を通ると、そこはモールの裏手にある駐車場の端だった。建物は……何だか物置みたいだ。ここにこんな建物があるなんて気づかなかった。

「よし、11時半。洸一、聞こえる?」
先に行く奏さんの後ろを駿也と並んで歩く。何だか……モールに戻ってる? 建物が近づいた時、いきなり奏さんが後ろを振り返った。

「はい、これ身分証。今日は施設見学の態で中に入ってもらう。」
「受付に必要なんだ。」
黄色いカードを手渡されて、それを見た駿也が説明してくれた。

「戻るの?」
「ああ。今に分かる。」
駿也が俺の右手を取って握って……離した。駿也の顔を見るとモールの建物を睨んでいるようだった。今日は緊張してる? さっきから、口数が少ないような気がする。駿也の指の感触が手のひらに残る……何だか、何だか物足りない。

駿也の体の脇に自然に垂れている左手を手に取った。駿也が驚いた顔でこちらを見てきた。
「へへ……俺がこうしたい。」
笑って見せると、駿也の顔がクシャッと崩れるのが分かった。

「俺もしたかった……。」
ギュッと右手に力がかかった。受付に着くまで、俺たちは手を繋いで歩いた。

『2分っていうとこだな。聞こえた。これからは奏だけに話す。2人との通信はオフにする。そのつもりで。』
「了解。」
「「分かりました。」」

いきなり洸一さんの声が聞こえてびっくりした。さっきよりはかなり小さな声だけど、聞き逃すほど小さいわけではない。2分……って、声が届くまでに時間がかかるっていうこと?

受付でさっき渡されたカードを機械に通してバックヤードから中に入り込んだ。さっきも駿也のお兄さんとここを通った。何だか変な感じだ。

同じように階段で三階に上がり、三階のバックヤードを端まで移動してパーティションの裏まで来た。
「し、駿也。また行くの?」
「そう。でも今回の目的地はちょっと違う。」
螺旋階段を登ると白い部屋を、さっき俺たちが入った部屋のさらにまた奥へと歩を進めた。

「ここ。……洸一行くよ。」
奏さんが呟きながら壁に手を合わせると、「M」や「K」の部屋と同じように扉が開いた。

「いらっしゃいませ。」
中に入って声のする方をみると、さっき別れたばかりの新田さんがこちらを見ていた。

「奏くん、待ってたよー。」
ニコニコ笑っている新田さんは……新田さんだ。でも、髪の毛が短い。さっきは髪をゴムで後ろに束ねていたのに……。それに服も……。やっぱり、過去に来たとしか思えなかった。




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