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4:1年と4か月前
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体育館で待ってた奏さんと合流し、器具庫に入る扉を抜けて新田さんの待つ「D」の部屋に戻った。
「お疲れ!」
「お世話になりました。またお願いします。」
「はいよー!」
一瞬立ち止まって挨拶した奏さんの後を追うように、俺たちも礼だけして「D」の部屋を抜け、白い部屋へと降り立った。
「あれ……?『K』の部屋は?」
螺旋階段を降りようとする奏さんに声をかける。洸一さんが待ってるはず。
「ここは、1年と4か月前。洸一や俺自身に会ってはマズイ。急ごう。」
まだ何が何だか分からなかったが、急いで階段を降りていく奏さんの後に続いた。駿也も何も言わずに俺の後ろをついてくる。モールのバックヤードの受付を通って外に出た。
「ふうっ! ちょっとだけ安心した。けど……走るぞ。」
「今何時?」
「1時……13分。でも関係ない。」
奏さんの後を走りながら駿也に話しかける。コンパスの長さの違いか、駿也は余裕がある。ちょっとだけ悔しい。
さっき「K」の部屋から出てきたと思しき物置小屋に着いた。こうやって見ると、2メートル四方ぐらいの何の変哲もない、ただのコンクリートでできた物置小屋に見える。入り口と植木の間に入り込んで引き戸を開けた。
「あれっ? こんなでしたっけ?」
一歩足を踏み入れると、駐車場で使うものだろう、赤と白の縞模様になったロードコーンと、黒と黄色の仕切り棒が雑多に詰め込んであった。右側に人が通れる隙間がある。奏さんは何も言わずにそこを通って壁の裏側に入って行った。
「この奥に扉があるんだ。行こう。」
駿也に手を掴まれて裏側に入ると、ポッカリ空いた空間から「K」の部屋を見る事ができた。けど、目の前に……抱き合う洸一さんと奏さん。呆気に取られているうちに、音もなく入り口が閉まっていった。
「ね、奏さんと洸一さんって……。」
「ああ、結婚してる。洸一さんは開発者。奏さんは昔から開発部で仕上げた技術を体験する仕事をしていたみたいだ。俺も……ここに就職して洸一さんのような開発者になりたいと思ってる。」
そして望と一緒に年を重ねていきたい。そう言って体を引き寄せられ、ギュッと抱きしめられた。
「お、お、俺も……。駿也と一緒がいい。」
メガネが邪魔をしていつものように顔が埋められない。けど、駿也の温かさと爽やかな香りは堪能できる。俺は駿也の背中に腕を回してギュッと抱きついた。
「望の髪……お日さまの匂いがする。初めて嗅いだ日から……忘れられない。」
耳をつけた胸から声が響いてくる。駿也は俺の頭に顔を乗せていた。お日さま? 帽子の上からでも分かるわけ? 自分で自分の髪の匂いが嗅げるわけじゃない。毎日のようにシャンプーしてるけど……俺の髪ってお日さまの香りなのか? 毎日照らされているから?
「ごめん、お待たせ。」
『見られた!』
いつの間にか顔が真っ赤になった奏さんが扉を開けていた。今度は俺の顔が沸騰する。俺は、駿也から体を離して前に立ち、扉を潜った。
「お疲れ!」
「お世話になりました。またお願いします。」
「はいよー!」
一瞬立ち止まって挨拶した奏さんの後を追うように、俺たちも礼だけして「D」の部屋を抜け、白い部屋へと降り立った。
「あれ……?『K』の部屋は?」
螺旋階段を降りようとする奏さんに声をかける。洸一さんが待ってるはず。
「ここは、1年と4か月前。洸一や俺自身に会ってはマズイ。急ごう。」
まだ何が何だか分からなかったが、急いで階段を降りていく奏さんの後に続いた。駿也も何も言わずに俺の後ろをついてくる。モールのバックヤードの受付を通って外に出た。
「ふうっ! ちょっとだけ安心した。けど……走るぞ。」
「今何時?」
「1時……13分。でも関係ない。」
奏さんの後を走りながら駿也に話しかける。コンパスの長さの違いか、駿也は余裕がある。ちょっとだけ悔しい。
さっき「K」の部屋から出てきたと思しき物置小屋に着いた。こうやって見ると、2メートル四方ぐらいの何の変哲もない、ただのコンクリートでできた物置小屋に見える。入り口と植木の間に入り込んで引き戸を開けた。
「あれっ? こんなでしたっけ?」
一歩足を踏み入れると、駐車場で使うものだろう、赤と白の縞模様になったロードコーンと、黒と黄色の仕切り棒が雑多に詰め込んであった。右側に人が通れる隙間がある。奏さんは何も言わずにそこを通って壁の裏側に入って行った。
「この奥に扉があるんだ。行こう。」
駿也に手を掴まれて裏側に入ると、ポッカリ空いた空間から「K」の部屋を見る事ができた。けど、目の前に……抱き合う洸一さんと奏さん。呆気に取られているうちに、音もなく入り口が閉まっていった。
「ね、奏さんと洸一さんって……。」
「ああ、結婚してる。洸一さんは開発者。奏さんは昔から開発部で仕上げた技術を体験する仕事をしていたみたいだ。俺も……ここに就職して洸一さんのような開発者になりたいと思ってる。」
そして望と一緒に年を重ねていきたい。そう言って体を引き寄せられ、ギュッと抱きしめられた。
「お、お、俺も……。駿也と一緒がいい。」
メガネが邪魔をしていつものように顔が埋められない。けど、駿也の温かさと爽やかな香りは堪能できる。俺は駿也の背中に腕を回してギュッと抱きついた。
「望の髪……お日さまの匂いがする。初めて嗅いだ日から……忘れられない。」
耳をつけた胸から声が響いてくる。駿也は俺の頭に顔を乗せていた。お日さま? 帽子の上からでも分かるわけ? 自分で自分の髪の匂いが嗅げるわけじゃない。毎日のようにシャンプーしてるけど……俺の髪ってお日さまの香りなのか? 毎日照らされているから?
「ごめん、お待たせ。」
『見られた!』
いつの間にか顔が真っ赤になった奏さんが扉を開けていた。今度は俺の顔が沸騰する。俺は、駿也から体を離して前に立ち、扉を潜った。
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