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本編
贈り物
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ついにアミュレットが完成した。アルフレッドが眠った後にこっそり仕上げをしたのだ。
翌日タイミングを見て渡そう。
そう思って今となっては違和感すら抱かなくなったアルフレッドのベッドに潜り込む。
翌朝。いざ渡そうと思うと、やはりこんなもの要らないと言われるのではという不安が顔を覗かせる。そうやってうだうだしている間にアルフレッドは出かけてしまった。
事情を知ってるハワードさんに笑われて恥ずかしい思いをしながら、帰ったきたら絶対渡そうと決意を固める。
そうして帰ってきたアルフレッドは、可愛らしいラッピングが施された小包を持っていた。
「それ、どうしたんだ?」
貰い物だろうか。自分も物をあげようとしている手前、ハードルを上げないで欲しい。
「ああ、誕生日プレゼントだって。」
「へ?誕生日?」
「そう、誕生日。」
「誰の?」
「俺のに決まってるだろ。」
「え、まさか今日なのか?」
「ああ」と答えたアルフレッドに、やってしまったと頭を抱えた。
誕生日だなんて知らなかった。そもそも孤児院では誕生日が不明のやつも多かったので、無いも等しかったのだ。
「ふっ、別に覚えてなくたっていい。それが普通だからな。むしろこれを渡してきた女が特殊なんだ。」
「その女ってもしかして・・・」
「・・・ああ。お前の初恋相手。」
(やっぱりナタリエちゃんか・・・)
なんとなくそんな気はしたが・・・。物語の強制力的な力でも働いているのだろうか?
流石というか、屋敷内の雰囲気も至って平常通りで、アルフレッドの誕生日を知っているのは彼女だけなんじゃ無いだろうかとさえ思える。
お礼のつもりで作ったアミュレットだが、今日渡すと誕生日プレゼントになってしまう。
(それでも無いよりはマシか・・・)
俺は意を決して口を開いた。
「あのさ、これ・・・」
「これ、要らないんだけど、お前食うか?」
「えっ?」
小包を開けていたアルフレッドは中身を見て顔を顰めたかと思うとそんなことを言ってくる。中身は手作りと思われるカップケーキのようだ。
「でもこれお前の誕生日プレゼント・・・」
「甘いものは苦手だし。」
「いや、俺に気を遣ってるなら見当違いだからな。せっかくナタリエちゃんがお前のために作ってくれたんだから食えよ。」
「いらない。お前が食べないなら捨てる。」
「なっ!」
本当にゴミ箱に捨てようとするアルフレッドから慌てて小包をひったくる。
「なんてもったいないことを・・・捨てるぐらいなら食うよ。」
せっかく自分の誕生日を覚えていた貴重な人からのプレゼントだというのに。やっぱりこいつは要らないものなら人からのプレゼントも平気で捨ててしまうのだ。
それを目の当たりにして俺は用意していたアミュレットをポケットの奥に押し込んだ。
カップケーキは少し変わった味がしたが、手作りだからだろうか。甘すぎるが美味しいと言えなくもない。
(まあ、甘いものが苦手なアルフレッドにこれはきつかったかもな・・・)
そう自分を納得させてカップケーキを飲み込んだ。
翌日タイミングを見て渡そう。
そう思って今となっては違和感すら抱かなくなったアルフレッドのベッドに潜り込む。
翌朝。いざ渡そうと思うと、やはりこんなもの要らないと言われるのではという不安が顔を覗かせる。そうやってうだうだしている間にアルフレッドは出かけてしまった。
事情を知ってるハワードさんに笑われて恥ずかしい思いをしながら、帰ったきたら絶対渡そうと決意を固める。
そうして帰ってきたアルフレッドは、可愛らしいラッピングが施された小包を持っていた。
「それ、どうしたんだ?」
貰い物だろうか。自分も物をあげようとしている手前、ハードルを上げないで欲しい。
「ああ、誕生日プレゼントだって。」
「へ?誕生日?」
「そう、誕生日。」
「誰の?」
「俺のに決まってるだろ。」
「え、まさか今日なのか?」
「ああ」と答えたアルフレッドに、やってしまったと頭を抱えた。
誕生日だなんて知らなかった。そもそも孤児院では誕生日が不明のやつも多かったので、無いも等しかったのだ。
「ふっ、別に覚えてなくたっていい。それが普通だからな。むしろこれを渡してきた女が特殊なんだ。」
「その女ってもしかして・・・」
「・・・ああ。お前の初恋相手。」
(やっぱりナタリエちゃんか・・・)
なんとなくそんな気はしたが・・・。物語の強制力的な力でも働いているのだろうか?
流石というか、屋敷内の雰囲気も至って平常通りで、アルフレッドの誕生日を知っているのは彼女だけなんじゃ無いだろうかとさえ思える。
お礼のつもりで作ったアミュレットだが、今日渡すと誕生日プレゼントになってしまう。
(それでも無いよりはマシか・・・)
俺は意を決して口を開いた。
「あのさ、これ・・・」
「これ、要らないんだけど、お前食うか?」
「えっ?」
小包を開けていたアルフレッドは中身を見て顔を顰めたかと思うとそんなことを言ってくる。中身は手作りと思われるカップケーキのようだ。
「でもこれお前の誕生日プレゼント・・・」
「甘いものは苦手だし。」
「いや、俺に気を遣ってるなら見当違いだからな。せっかくナタリエちゃんがお前のために作ってくれたんだから食えよ。」
「いらない。お前が食べないなら捨てる。」
「なっ!」
本当にゴミ箱に捨てようとするアルフレッドから慌てて小包をひったくる。
「なんてもったいないことを・・・捨てるぐらいなら食うよ。」
せっかく自分の誕生日を覚えていた貴重な人からのプレゼントだというのに。やっぱりこいつは要らないものなら人からのプレゼントも平気で捨ててしまうのだ。
それを目の当たりにして俺は用意していたアミュレットをポケットの奥に押し込んだ。
カップケーキは少し変わった味がしたが、手作りだからだろうか。甘すぎるが美味しいと言えなくもない。
(まあ、甘いものが苦手なアルフレッドにこれはきつかったかもな・・・)
そう自分を納得させてカップケーキを飲み込んだ。
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