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第3章 絡まった糸をたぐり寄せれば編
心は儚い、コワレモノ4。
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ある程度説明を終え、晴明様も状況を把握されたので、私は立ち上がった。
「章平様もこられたようですし。ちょっと行ってきます。」
にっこり笑を浮べ、ちょっと買い物してきます。的なノリで階へ向かうと、入口に章平様が丁度到着された。
「章平様、左京で出会った妖より数段力は強いと思ってください。ひとまず北へ向かいます。」
下へ降り、章平様に忠告をする。
ある程度は覚悟されているでしょうが、今回はちょっとめんどくさい形だ。
二重の五芒星、本当嫌がらせとしか言いようの無い形が完成する。というより、させないけれど。
やり方がネチッコイし、なんだろな~。
大内裏内を全力に近い状態で走りながら、軽い澱みは浄化していく。
もちろん、その辺りに隠れている雑鬼や無害な妖達に『巻き込まれて消されたくなければ、一度大内裏外へ出なさい』と避難指示をだす。
ある程度のモノ達は、異変に気づき移動を開始している状況であったために、それほど指示をだす必要はなかった。
「姫さん、あいつらと仲良くなるの得意だったりする?」
「私は、基本共存でいいと思っておりますから。無害であれば放置です。どちらかというと、妖より人間の方が、怖い。」
「あー、それは俺も常常思う。」
一番瘴気が濃く、そして次に”呪”を植え込むであろう場所では、朱桜が浄化の炎で辺りを囲っていた。
そして、ここに本体がある。
「朱雀!もしかして、弾かれてる?!」
「もしかしなくても弾かれている。」
中心を囲むように円上に朱雀の炎が囲んでいた。
朱雀より強い炎となると、騰蛇になるけれど、騰蛇かぁ~。
ぱあぁあんと柏手を打つ。
最悪騰蛇ね。
神力、霊力を少し多めに開放しながら、朱雀の炎の中心を狙う。
「ノーボウ アキャシャ キャラバヤ オンマリ キャーバリ ソワカ。彼の地に在りし力を我が前に示せ。」
円の中心に風の塊を大きく叩きつける。
朱雀の炎の熱風と私が叩きつけた風で強風が吹き荒れ、中心からガシャがシャと骨が鳴る音を立てながらガシャドクロが姿を現した。
ただ、白い骸骨ではなく、黒い骸骨。
そして、鬼火の色が異常だ。
「章平様、ガシャドクロとの戦闘経験は?」
「これ、普通のガシャドクロはあるが、これは普通じゃないだろう?!」
「色々な怨念とか入ってますから。ただ、完成前ですので本来の力のを十二分に発揮できないかと。」
「ふふ、良く分かっているね。」
ガシャドクロの後ろの塀にいつの間にか姿を現した、絢音は塀に腰かけ、楽しそうに笑っていた。
「絢音!」
「僕の花嫁は凄く優秀で嬉しいよ。だけど、今日の目的は君たちじゃない。僕の目的は・・・」
そう言いかけた所で、琥珀が雷を落とした。
バリバリっ!!
私を背に隠し、全力で絢音に威嚇をしている。
「白虎!」
「気安く話しかけるな。」
強烈な怒気を感じる。
それは、蒼月も、朱桜も同様だ。
チラリと章平様とガシャドクロを見れば、微動だにしていない。
「章平様!ガシャドクロいけますか?!」
「イケルも何も、やらなきゃダメだろう?!」
「お願いします!青龍もお願い!絢音、貴方の狙いは、右大臣藤原道長公でしょう」
「うん。正解。あいつにも僕と同じ思いをすればいいと思っている。」
にっこりと、しかし歪んだ笑を浮かべた絢音の表情は、全てを、自分さえも諦めている様な表情だった。
「章平様もこられたようですし。ちょっと行ってきます。」
にっこり笑を浮べ、ちょっと買い物してきます。的なノリで階へ向かうと、入口に章平様が丁度到着された。
「章平様、左京で出会った妖より数段力は強いと思ってください。ひとまず北へ向かいます。」
下へ降り、章平様に忠告をする。
ある程度は覚悟されているでしょうが、今回はちょっとめんどくさい形だ。
二重の五芒星、本当嫌がらせとしか言いようの無い形が完成する。というより、させないけれど。
やり方がネチッコイし、なんだろな~。
大内裏内を全力に近い状態で走りながら、軽い澱みは浄化していく。
もちろん、その辺りに隠れている雑鬼や無害な妖達に『巻き込まれて消されたくなければ、一度大内裏外へ出なさい』と避難指示をだす。
ある程度のモノ達は、異変に気づき移動を開始している状況であったために、それほど指示をだす必要はなかった。
「姫さん、あいつらと仲良くなるの得意だったりする?」
「私は、基本共存でいいと思っておりますから。無害であれば放置です。どちらかというと、妖より人間の方が、怖い。」
「あー、それは俺も常常思う。」
一番瘴気が濃く、そして次に”呪”を植え込むであろう場所では、朱桜が浄化の炎で辺りを囲っていた。
そして、ここに本体がある。
「朱雀!もしかして、弾かれてる?!」
「もしかしなくても弾かれている。」
中心を囲むように円上に朱雀の炎が囲んでいた。
朱雀より強い炎となると、騰蛇になるけれど、騰蛇かぁ~。
ぱあぁあんと柏手を打つ。
最悪騰蛇ね。
神力、霊力を少し多めに開放しながら、朱雀の炎の中心を狙う。
「ノーボウ アキャシャ キャラバヤ オンマリ キャーバリ ソワカ。彼の地に在りし力を我が前に示せ。」
円の中心に風の塊を大きく叩きつける。
朱雀の炎の熱風と私が叩きつけた風で強風が吹き荒れ、中心からガシャがシャと骨が鳴る音を立てながらガシャドクロが姿を現した。
ただ、白い骸骨ではなく、黒い骸骨。
そして、鬼火の色が異常だ。
「章平様、ガシャドクロとの戦闘経験は?」
「これ、普通のガシャドクロはあるが、これは普通じゃないだろう?!」
「色々な怨念とか入ってますから。ただ、完成前ですので本来の力のを十二分に発揮できないかと。」
「ふふ、良く分かっているね。」
ガシャドクロの後ろの塀にいつの間にか姿を現した、絢音は塀に腰かけ、楽しそうに笑っていた。
「絢音!」
「僕の花嫁は凄く優秀で嬉しいよ。だけど、今日の目的は君たちじゃない。僕の目的は・・・」
そう言いかけた所で、琥珀が雷を落とした。
バリバリっ!!
私を背に隠し、全力で絢音に威嚇をしている。
「白虎!」
「気安く話しかけるな。」
強烈な怒気を感じる。
それは、蒼月も、朱桜も同様だ。
チラリと章平様とガシャドクロを見れば、微動だにしていない。
「章平様!ガシャドクロいけますか?!」
「イケルも何も、やらなきゃダメだろう?!」
「お願いします!青龍もお願い!絢音、貴方の狙いは、右大臣藤原道長公でしょう」
「うん。正解。あいつにも僕と同じ思いをすればいいと思っている。」
にっこりと、しかし歪んだ笑を浮かべた絢音の表情は、全てを、自分さえも諦めている様な表情だった。
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