君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

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本編 東の妖精姫

ただ貴方だけに届いて欲しい。

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「お帰り、二人とも。」
「ただいま。」
「ただいま戻りました、ライラック様。」

私とレティをそれぞれ、エスコートするように馬車から降ろしていただく。
購入した品物はアルマと、マリーさんがそれぞれ部屋に運んでくれるようで、私はしっかりと手を握られているライラック様に繋がれたまま、レティも同様で二人して顔を見合わせる。

「・・・仕事はちゃんと終わらせたからな。それで、約束通りお茶をしようかと準備して待って居た。」
「あら、それはお疲れ様。それなら、甘いもの食べましょう。メリーはある程度甘いものは平気?」
「ある程度の甘さでしたら大丈夫ですわ。」
「お茶はライが煎れてくれのでしょう?」
「全部準備している。」
「え?」
「では、行きましょうか。」

と、手は握ったまま王族居住区の手前にあるバラ園でお茶をすることになった。
席に着くまで、ライラック様に手を引きながら席まで案内され、指定席のごとく椅子に座らされた。
正面にライラック様、左側にレティが座っている。
アルマとマリーさんの元へは従者が伝言を伝えに行っていて、私達がどこに居るかを伝えに行ってくれている。
ついでにノアお兄様が部屋にいらしたら、お茶をしてくる旨も伝えて欲しいと伝言を頼んだ。
案内されたテーブルには、三段スタンドのティスタンドが二つ有りひとつは、サンドイッチ、スコーン、ミニケーキとミニタルトが乗っているモノと、全てケーキが乗っているスタンドが置いてあった。
飲み物はミルクティでも大丈夫なものと、オステンでよく飲んでいたフルーツティーが準備されていた。

「メリーは苦手なもの無い?」
「お茶は好みがよくわからなかったから二種類準備したけれど、飲めそうですか?」
「大丈夫です。母国でも良く飲んでいた種類ですので嬉しいです。お気遣い有難うございます。ライラック様。」
「よろこんでいただいて良かった。」

良かったと言うライラック様は、どこか安堵したような表情を見せた。

「ねぇ、レティはいつもこの量食べているの?」
「いつもじゃないわよ。疲れが溜まった時とか、姉さま達とお茶するとき位しか準備しないわ。」
「それで、その体型・・・・。護身術しか出来ないけれど、私も本格的に武習った方がいいのかしら?」
「メリッサ王女はそのままでいいですよ。レティみたいになったら色々と大変です。」
「失礼な。ちょっと、その辺の男子より強いだけじゃない。」
「ちょっと?かなりだろ?どこの令嬢がちょっと強いだけで、騎士科のトーナメント戦で決勝まで勝ち上がって、武門のアークの攻撃を受け流すことができるなんて普通の令嬢はできないし、しない。」
「周りが弱いのよ。」
「レティが強すぎるだけだ。だから、下手に護衛が付けられないって知っていたか?」
「知ってるわよ。」

当然の様に言い切ったレティとライラック様のやり取りを見ていて、学生時代から変わらないなとつくづく思う。

「ふふ。お二人は相変わらず仲がよろしいのね。確かに私じゃあレティみたいに強くはなれないけれど、全力で逃げれるように体力は付けておくべきかしら?」
「逃げる体力はどの令嬢も必須よね。」
「やはり少しは運動すべきね。」

お互い好きな方のお茶をカップに注ぎ、軽食のサンドイッチをお皿に取りながら話を続ける。
ライラック様と言えば、そんな私たちに少し驚きつつも同様にサンドイッチとスコーンをお皿に取られていた。

「二人はそんなに仲が良かったか?」
「ライが思っている以上に以外と学生時代から仲良しよ?」
「そうですわね。留学中はほとんどレティと一緒にいたような気がします。」
「そういえば、昼食は忙しくない限り一緒に食べていましたね。」

と、思い出したようにライラック様が頷き、レティはじっとライラック様を観察しながら、私と目が合うとニッコリと微笑んだ。
その笑が意図することは、恐らく”ほら素の部分と完璧王子がいりまじっているでしょう”という事だろうと思う。
先程のカフェでの会話から考えても間違い無いと思える。
”レティとも仲良しか”と、ぽつりとつぶやかれた言葉は、私にははっきりと届かなかった。

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