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第二章
暗き海にその身を沈めて ≪side 光希≫
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≪光希視点≫
自分の力がクルイモノに通じる――その事実に胸が高鳴る。誰かの役に立てたことが、快感に似た充実感を押し上げていた。
そう浮足立つ一方で、全身に『危険だ、逃げろ!』と警告が鳴り響く。周囲には異常種の気配は一つもない。それなのに――
確かに、クルイモノ達の巣窟である曲野だから一般種は出現するし、中にはそれなりに凶暴なものもいるし、一気に多勢で襲ってくることも少なくない。でも、先輩方、透、柘榴ちゃん、僕たちでも十分対応できている。
それなのに胸の奥に引っかかる違和感は消えない。安定こそ嵐の前の静けさ――そう考えるだけで肌が粟立った。
さっき、カイエンが干渉してきたことも気がかりだ。僕が覚えている限り、あいつはせせらぎが全身全霊を持って自分ごと封印したはずだ。それなのになぜ、動いている?まさか――。いや、考えるのはやめよう。
まずはあいつの目的が何であるのか分からない以上、より一層気を引き締めていかないと。僕だけではなく、透達まで魔の手が及ぶかもしれない。それだけは防がないと。
そうだ。達成感に浸っている場合ではない。ここは、冷酷無比に命のやり取りをする戦場だということを噛みしめなければならない。
「菱谷くん、そんなに神妙な顔して……。体調、まだ本調子じゃないの?班長から、君は今日復帰したばかりだと聞いたけど……。余り調子が芳しくないのなら、一度休む?今日はなかなか順調に進んでいるし。」
前から聞こえた穏やかな声が、意識を現実へと引き戻した。声の主である添田先輩は、ただでさえ白い顔を青ざめさせながら飲み物を片手に僕のことをオロオロと覗き込んでいた。
冷や汗が背を伝い、焦りは止まらない。
「添田さん、大丈夫ですよ。多分、光希のやつ思考の海に沈んでいるだけですから。彼、何かに集中するとこうなることが多いんです。……あ、現実に戻って来たか。俺もお前と組むの久しぶりだからすっかり忘れていたけど、お前の集中力はやっぱりすごいなぁ。」
「……すみません。復帰したばかりで変に緊張しているからこうなっていると思います。」
「そっか、体調が悪いわけじゃないんだね。よかった。でも、さっき言った通り無理は余りしないでね。」
先輩は眉尻を緩く下げ、僕の頭を撫でながら優しく微笑んだ。彼もずっと不安だったのだろう、青ざめていた頬にようやく赤みが戻った。
透がいたことに心の底から感謝しないと。きっと自発的にしゃべるのが苦手な僕だけだったら、ここまで円滑なコミュニケーションをとることはできなかった。
透に感謝の意を込めて軽く会釈すると、彼はお茶目にも親指を立てながらウィンクを返す。こういう機転の利いた対応が自然とできるところは昔から何も変わっていない。
「それで、一体何について考えていたんだ?ただ集中しているだけだったらそこまで眉間に皺を寄せる必要はないだろう。うまく言葉にできそうなら教えてくれないか?」
彼は優しく僕に対して問いかける。喋るのがあまり上手じゃない僕に対する気遣いがひしひしと伝わり、すぐに答えられない自分にやるせなさを覚えてしまう。
これはあくまで僕の直感であり、何の根拠もない。それを堂々と彼らに伝えるべきなのだろうか。
『ごめんな、今まで。もう、俺と関わらなくていいから。』
涼介と決別してしまったときのことを思い出してしまう。あの日の記憶がヘドロのように喉に絡みつき、息が詰まる。
伝わらないかもしれない。怒らせてしまうかもしれない。その不安に押し潰され、この場から逃げ出したくなる。
『過去を後悔しても、過去を変えることはできません。けれど、未来なら変えることができる。なぜなら、まだ起こってもいないことなのだから。』
学院長先生の言葉が小さな灯火となって僕の胸に火をつける。そうだ。僕は決めたんだ。逃げないって。不安に押しつぶされそうになっても進み続けるんだって。
「さっき、本当に一瞬だけど、あの施設にいた異常種の中でも格別な強さを誇るクルイモノが干渉してきたんです。……あの男はせせらぎが彼女ごと封印したはずなのに。」
誰も一切言葉を発さずに僕が続きを言うのを静かに待つ。
「今すぐ、ここから離れた方がいいかと思います。恐らく、媒介手段にあ・の・イ・ン・ク・の・よ・う・な・瘴・気・を利用している。」
瘴気は、空から落ちる闇をかき混ぜたような色をして、絶え間なく流れていた。川のように広がり、ところどころで鏡・の・よ・う・な・反射を見せる。
カイエンが僕に干渉してきたとき、手で触れられたという感じはしなかった。何か液状に近いものが全身に纏わりついているという表現が適切だろう。
「せせらぎは腐っても水神だった。そして、あの男はせ・せ・ら・ぎ・が・人・間・だ・っ・た・頃・か・ら・彼女に執着している。」
必死に言葉を選んだつもりだ。それでも伝わっただろうか。上手く彼らに響いたのだろうか。そうじゃないと困る。
心臓が破裂しそうなほど鼓動が跳ねる。握りしめた拳からは汗が滴っていた。
「そういうことね。さっきから無数の目線を感じるような心地をするわけが分かったよ。……隆志、撤退の準備を。本部から指示が出ていないけど、それを仰ぐ時間は恐らくない。一刻も早く撤退を。」
「了解。でも、本当に本部に連絡しなくて大丈夫なのか?」
彼らのやり取りは、体全体にかかっていた余計な力をふっと抜けさせる。変にこわばっていた体はもう自由に動くみたいだ。
「いいの、そもそも異常種と接触している時点で撤退しても何も言われないわ。それに、連絡も不可能みたいだし。」
彼女は何とも言えない顔をしながら、端末とにらめっこしているようだった。ため息を一つついたと思ったら、僕の方に近づいてくる。
「菱谷くん、ありがとう。」
その短く告げられた言葉には、彼女なりの僕に対する最大限の敬意と感謝があるようだった。
「じゃあ、撤退しよう、か?!……なに、この揺れ?」
撤退を開始しようとした瞬間、突如として地面が大きく揺れ始める。縦横無尽に動き続けるさまは、大地が嘆き怒っているようだった。
立っていられるはずがない。余りの揺れに何度も目が回り気を失いかけてしまう。そんなことをしたら、空に弾き飛ばされ、地面に叩きつけられて――終わる。
「光希、後ろ!!後ろ見ろ!!」
「え?」
「ヘドロみたいのが、へばりついてる!!……あぁ、クソ。こんな揺れじゃそっちに行けない!!」
揺れの轟く音の中、かすかに聞こえる透の必死な声が耳に届く。彼は目を見開き、必死に身振りで僕に訴えかけていた。
うつ伏せになっている体を何とか捻り、自分の状態を確認する。揺れで視界がぶれる中でも、足に黒いナニカがまとわりついているのだけは分かった。
「これ、あのインクみたいな瘴気か。……あぁ、もう全然取れない!!」
瘴気はモチのように粘りつき、短刀で斬っても離れない。斬るほどに分裂するみたいで全身へ広がり、僕を呑み込もうとしていた。
「努力は認めましょう。ですが、それも終わりです。報われはしない。――その場所では、生きることすらできないのですから。さあ、眠りに身を委ねなさい。」
最後に見えたのは、薄笑いを浮かべるカイエンの顔だった。その光景を残して、意識は闇に沈んだ。
――――
――
「おっ、起きたか兄弟!!」
意識が覚醒して見えたのは、どこまでも続く暗く冷たい海だった。光はなく、冷たい水が体を押し包む。呼吸できているのかすら分からない。そもそも、ここが現実なのか異界なのかすら分からないのだ。
「お前、今とんでもないことになってるの、分かるかぁ?」
その声は、笑っているのか怒っているのかさえ分からない。不気味だった。
分かるのは――今、僕は鏡幻と二人きりだということだけ。
自分の力がクルイモノに通じる――その事実に胸が高鳴る。誰かの役に立てたことが、快感に似た充実感を押し上げていた。
そう浮足立つ一方で、全身に『危険だ、逃げろ!』と警告が鳴り響く。周囲には異常種の気配は一つもない。それなのに――
確かに、クルイモノ達の巣窟である曲野だから一般種は出現するし、中にはそれなりに凶暴なものもいるし、一気に多勢で襲ってくることも少なくない。でも、先輩方、透、柘榴ちゃん、僕たちでも十分対応できている。
それなのに胸の奥に引っかかる違和感は消えない。安定こそ嵐の前の静けさ――そう考えるだけで肌が粟立った。
さっき、カイエンが干渉してきたことも気がかりだ。僕が覚えている限り、あいつはせせらぎが全身全霊を持って自分ごと封印したはずだ。それなのになぜ、動いている?まさか――。いや、考えるのはやめよう。
まずはあいつの目的が何であるのか分からない以上、より一層気を引き締めていかないと。僕だけではなく、透達まで魔の手が及ぶかもしれない。それだけは防がないと。
そうだ。達成感に浸っている場合ではない。ここは、冷酷無比に命のやり取りをする戦場だということを噛みしめなければならない。
「菱谷くん、そんなに神妙な顔して……。体調、まだ本調子じゃないの?班長から、君は今日復帰したばかりだと聞いたけど……。余り調子が芳しくないのなら、一度休む?今日はなかなか順調に進んでいるし。」
前から聞こえた穏やかな声が、意識を現実へと引き戻した。声の主である添田先輩は、ただでさえ白い顔を青ざめさせながら飲み物を片手に僕のことをオロオロと覗き込んでいた。
冷や汗が背を伝い、焦りは止まらない。
「添田さん、大丈夫ですよ。多分、光希のやつ思考の海に沈んでいるだけですから。彼、何かに集中するとこうなることが多いんです。……あ、現実に戻って来たか。俺もお前と組むの久しぶりだからすっかり忘れていたけど、お前の集中力はやっぱりすごいなぁ。」
「……すみません。復帰したばかりで変に緊張しているからこうなっていると思います。」
「そっか、体調が悪いわけじゃないんだね。よかった。でも、さっき言った通り無理は余りしないでね。」
先輩は眉尻を緩く下げ、僕の頭を撫でながら優しく微笑んだ。彼もずっと不安だったのだろう、青ざめていた頬にようやく赤みが戻った。
透がいたことに心の底から感謝しないと。きっと自発的にしゃべるのが苦手な僕だけだったら、ここまで円滑なコミュニケーションをとることはできなかった。
透に感謝の意を込めて軽く会釈すると、彼はお茶目にも親指を立てながらウィンクを返す。こういう機転の利いた対応が自然とできるところは昔から何も変わっていない。
「それで、一体何について考えていたんだ?ただ集中しているだけだったらそこまで眉間に皺を寄せる必要はないだろう。うまく言葉にできそうなら教えてくれないか?」
彼は優しく僕に対して問いかける。喋るのがあまり上手じゃない僕に対する気遣いがひしひしと伝わり、すぐに答えられない自分にやるせなさを覚えてしまう。
これはあくまで僕の直感であり、何の根拠もない。それを堂々と彼らに伝えるべきなのだろうか。
『ごめんな、今まで。もう、俺と関わらなくていいから。』
涼介と決別してしまったときのことを思い出してしまう。あの日の記憶がヘドロのように喉に絡みつき、息が詰まる。
伝わらないかもしれない。怒らせてしまうかもしれない。その不安に押し潰され、この場から逃げ出したくなる。
『過去を後悔しても、過去を変えることはできません。けれど、未来なら変えることができる。なぜなら、まだ起こってもいないことなのだから。』
学院長先生の言葉が小さな灯火となって僕の胸に火をつける。そうだ。僕は決めたんだ。逃げないって。不安に押しつぶされそうになっても進み続けるんだって。
「さっき、本当に一瞬だけど、あの施設にいた異常種の中でも格別な強さを誇るクルイモノが干渉してきたんです。……あの男はせせらぎが彼女ごと封印したはずなのに。」
誰も一切言葉を発さずに僕が続きを言うのを静かに待つ。
「今すぐ、ここから離れた方がいいかと思います。恐らく、媒介手段にあ・の・イ・ン・ク・の・よ・う・な・瘴・気・を利用している。」
瘴気は、空から落ちる闇をかき混ぜたような色をして、絶え間なく流れていた。川のように広がり、ところどころで鏡・の・よ・う・な・反射を見せる。
カイエンが僕に干渉してきたとき、手で触れられたという感じはしなかった。何か液状に近いものが全身に纏わりついているという表現が適切だろう。
「せせらぎは腐っても水神だった。そして、あの男はせ・せ・ら・ぎ・が・人・間・だ・っ・た・頃・か・ら・彼女に執着している。」
必死に言葉を選んだつもりだ。それでも伝わっただろうか。上手く彼らに響いたのだろうか。そうじゃないと困る。
心臓が破裂しそうなほど鼓動が跳ねる。握りしめた拳からは汗が滴っていた。
「そういうことね。さっきから無数の目線を感じるような心地をするわけが分かったよ。……隆志、撤退の準備を。本部から指示が出ていないけど、それを仰ぐ時間は恐らくない。一刻も早く撤退を。」
「了解。でも、本当に本部に連絡しなくて大丈夫なのか?」
彼らのやり取りは、体全体にかかっていた余計な力をふっと抜けさせる。変にこわばっていた体はもう自由に動くみたいだ。
「いいの、そもそも異常種と接触している時点で撤退しても何も言われないわ。それに、連絡も不可能みたいだし。」
彼女は何とも言えない顔をしながら、端末とにらめっこしているようだった。ため息を一つついたと思ったら、僕の方に近づいてくる。
「菱谷くん、ありがとう。」
その短く告げられた言葉には、彼女なりの僕に対する最大限の敬意と感謝があるようだった。
「じゃあ、撤退しよう、か?!……なに、この揺れ?」
撤退を開始しようとした瞬間、突如として地面が大きく揺れ始める。縦横無尽に動き続けるさまは、大地が嘆き怒っているようだった。
立っていられるはずがない。余りの揺れに何度も目が回り気を失いかけてしまう。そんなことをしたら、空に弾き飛ばされ、地面に叩きつけられて――終わる。
「光希、後ろ!!後ろ見ろ!!」
「え?」
「ヘドロみたいのが、へばりついてる!!……あぁ、クソ。こんな揺れじゃそっちに行けない!!」
揺れの轟く音の中、かすかに聞こえる透の必死な声が耳に届く。彼は目を見開き、必死に身振りで僕に訴えかけていた。
うつ伏せになっている体を何とか捻り、自分の状態を確認する。揺れで視界がぶれる中でも、足に黒いナニカがまとわりついているのだけは分かった。
「これ、あのインクみたいな瘴気か。……あぁ、もう全然取れない!!」
瘴気はモチのように粘りつき、短刀で斬っても離れない。斬るほどに分裂するみたいで全身へ広がり、僕を呑み込もうとしていた。
「努力は認めましょう。ですが、それも終わりです。報われはしない。――その場所では、生きることすらできないのですから。さあ、眠りに身を委ねなさい。」
最後に見えたのは、薄笑いを浮かべるカイエンの顔だった。その光景を残して、意識は闇に沈んだ。
――――
――
「おっ、起きたか兄弟!!」
意識が覚醒して見えたのは、どこまでも続く暗く冷たい海だった。光はなく、冷たい水が体を押し包む。呼吸できているのかすら分からない。そもそも、ここが現実なのか異界なのかすら分からないのだ。
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