淫魔王と堕ちた聖女 あなたの肉の棒をください

空廻ロジカ

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第三章 王子の覚悟、聖女の決意

╭በ╮ⅩⅥ.蜜夜の果て、そして(2)

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「ミオリ……っ」

 苦しいくらいに激しい欲情を身に宿し、ウォルフスはミオリの脚を掴みぐっと押し開いた。

 下袴の前をくつろげ、痛いほどに勃起した熱棒をミオリに押し付ける。
 泥濘ぬかるむ花床がほころぶように彼の雄を包み込み、潤沢な蜜がぬるりと纏わりついた。

 必死に挿入への欲望をこらえながらウォルフスは腰を振り、前後に激しく動かし始めた。

「ウォルフス……っ、あ、熱くて……、ひぁ、あん……っっ」

 身を動かすたびにぬらつく性器と性器が密着し、お互いを貪るようにひくつき喘ぐ。

 舌や指先での愛撫と違い、その刺激は大味である。にもかかわらず、ミオリはかつてない悦楽に翻弄され、その身を淫靡にくねらせた。

「ああ、いっちゃ、いっちゃ……う……っ」

 ミオリは絶頂の予感に眉根を寄せ、甲高く鳴いた。

「く……っ、俺も……っ」

 ウォルフスもまた喉仏を上下させ、密着する部分から全身へと伝播してゆく快楽を味わう。
 彼の首筋からは大粒の汗が伝い、ミオリの胸にぽたぽたと雫を落としてゆく。

「ふ……あっ、はぁ……っ、アァ――――……っ」

 やがてミオリはがくがくと全身を引き攣らせ、法悦の極みを迎えた。
 ウォルフスがなおも擦り上げるとさらなる極みが押し寄せ、ミオリは身を仰け反らせる。

「く、う……っ」

 ウォルフスはミオリの両脚に手をかけ、ぐっと抱え込んだ。彼の雄はミオリの淫肉で挟み込まれ、圧迫されるかたちとなった。

「出すぞ……っっ」
「っふぁ――……っ」

 ウォルフスが低く呻いた瞬間、彼の先端から飛沫が迸った。白く濃厚な液体が、ミオリの胸と腹に散ってゆく。

「……ぁ、あぁ……」

 ミオリが胸を大きく上下させると、白濁がとろりと肌の上を流れる。ミオリはうっとり瞳を閉じ、絶頂の余韻と精の匂いに酔い痴れた。

 挿入こそされていないが、濃密な性交の後のように全身が甘く痺れ、快い疲労感が体中に満ちている。

「……は……っ」

 ウォルフスは荒い息をき、ミオリの隣にごろりと寝転がった。

 全身に力が入らない。今は、すぐに後処理をする気になれなかった。

 ミオリが手を伸ばしてきたので、ウォルフスは彼女の指に自らの指を絡めた。そのま、固く、手を繋ぎ合う。
 汗ばんだ掌同士が重なり、どくどくという脈動をお互いに伝えた。

 ――一体どのくらいの間、そうしていたのか。
 ウォルフスはそっと手を解くと立ち上がった。このままでは、自分はともかくミオリが風邪を引いてしまう。

 布を探し体を拭ってやり、寝台へと運ぶ。自らも着衣を整えると、彼は上掛けの下から見上げるミオリを見つめた。
 ウォルフスを見つめ返すミオリの瞳にも、痛いくらいの想いが込められている。

「…………」

 二人とも、なかなか視線を外すことができない。こんな風に見つめあえるのは、これが最後なのだろうから。

 やがて、睡魔が訪れたミオリはゆっくりと目を閉じ、夢の中へと落ちていった。
 ミオリが完全に眠ってしまってもまだ、ウォルフスは寝台の脇に佇んでいた。

 彼は、誰よりも愛しい聖女の寝顔を、いつまでも見つめていたのだった。



 翌朝。
 リュートとミオリたちは少数の護衛を伴い、マ・クバス=イオスの王都を出立した。

 ウォルフスは晴れやかな笑顔で見送ってくれた。だからミオリも、最高の笑顔で彼にさよならを告げようと努めた。
 果たして上手くできているかは、自信がないけれど……。

「ありがとう、ウォルフス。そして……さようなら」

 馬上で背を預けるリュートに促され、ミオリは前に向き直った。ぎゅっと手綱を握り直す。

 ――もう、振り返らない。これからは、リュートとともに生きてゆくのだから。

   † † †

 ミオリを伴ったリュートは荒野を抜け、街道を避け進んだ。

 ミオリとウォルフスとの二人旅だったマ・クバス=イオスへの逃避行とは違い、護衛もいるため少人数とはいえ目立ってしまう。神殿に嗅ぎつけられないために一行は宿屋をとらず、夜は野宿だった。

 そして辿り着いたのは、聖都チェレステ=ラクイアではなかった。離宮のあるヨアヒネという街だ。

 街道の分岐点であり交易の要所となっているヨアヒネには、異国人の姿も見られる。厳格なサウラ=ウルにあっては比較的自由な気風の街で、神殿からの影響も及びにくいのだ。

「現在サウラ=ウルの国軍は、このヨアヒネを拠点にしている」

 離宮に迎えられたミオリは、リュートの説明を受けながら宮殿内を案内された。国王夫妻にも参謁し、軍の兵士たちとも顔を合わせた。

 これまでであれば聖女はけして表には出ない存在であったから、ミオリの振る舞いはおぼつかなかった。それでも、彼らは聖女をあたたかく迎え入れてくれた。

 だから、ミオリも精一杯に聖女の責務を全うするべく努力した。感傷に浸る余裕がないのは、ミオリにとっても幸いなのだった。
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