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プロローグ
~側近、龍仁朗。~
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雨が強く降っている。
東京では珍しい大降りで、いつも騒がしい東京が死んでしまった様に静かだった。
そんな雨の中、銀座に堂々と佇む宝石界のトップ、亜麻音グループのロビーから10歳の令嬢、歌羽はジッと雨を見つめていた。
そこに歌羽の父であり社長の大蔵が秘書と共にエレベーターから出てきて歌羽に話しかける。
「歌羽、こんな所で何をしているんだ?遊び部屋は二階だろう?」
「お父様!えっと、雨を見ているのです。」
不思議な返答に大蔵は顔を綻ばせる。
「見ていて楽しいかい?」
「はい!とっても楽しいです!」
そう言うと再び雨を見始める歌羽を大蔵は微笑ましく見つめる。
しかし、楽しそうに雨を見ていた歌羽が途端に目を見開いた。
「お父様!人が...人が倒れています!」
「え!?」
大蔵も慌てて窓に目をやる。
確かにビルの肉眼で見えるほどの距離にある橋の下に子供が倒れていた。
歌羽は立ち上がった。
「助けなきゃ!!!」
そう言うと歌羽はドアを開けて子供の所まで走っていく。
「歌羽!待ちなさい!!」
大蔵も係員を数名連れて歌羽を追いかけていった。
歌羽はあっという間に子供の前に着き、体を揺すった。
「もしもし!私の声が聞こえますか!?もしも...」
ー美しいー
倒れている子供は、その言葉が相応しい、歌羽と同年代だと思われる女の子だった。
黒い真っ直ぐの髪、潤んだ唇、白い肌に長いまつ毛ー。
歌羽が美しさに言葉を詰まらせていたら大蔵達が追いついてきた。
「歌羽!勝手に外に出てはダメじゃないか!
...!その子は平気なのか!?」
大蔵は子供に駆け寄り、胸に手を当てて心音を確かめた。
「よかった、生きている。」
「お父様!この子、お腹空かせているかもしれません!」
「うむ、ビルまで連れて行って何か食べ物を出してあげよう。誰か連絡をしてくれ!」
「はい!」
子供は係員にソッと抱きかかえられた。
歌羽は係員が持つ傘に雨から守られながら、子供をジッと見つめていた。
ここは亜麻音グループのビルの、ある一つの救護室。歌羽は心配そうに子供を見つめていると、子供はゆっくりと目を開いた。
子供の声は清らかで澄んだ声だった。
「うぅ...。こっ、ここは?」
「よかった!気づかれたのですね!お父様、目を覚ましました!」
大蔵は安堵の顔をした。
「ああ、良かった!どうなるかと思ったよ。」
子供は状況判断ができず、キョトンとしていた。
「あの...。すみませんが、ここはどこでしょうか?」
大蔵はにこやかに返答する。
「ここはおじさん達のお家なんだ。君はあそこの橋の下で倒れていたんだよ。」
子供はバッと橋を見る。子供はその瞬間、顔が曇った。
「いきなりだけど、君のパパとママを教えてくれるかな?」
大蔵がそう尋ねたら、子供がいきなり大粒の涙を流し始めた。
大蔵と歌羽はギョッとする。
「ど、どうしたんだい!?」
そう尋ねると、子供は唇を震わせながら声を漏らした。
「捨てられ...ました。」
「...え?捨てられた?」
コクリと子供は頷く。
「私が、9歳のとき...、アンタは男の子じゃないからいらない子だって言われて...。
お家からずっと遠い所のここの町で捨てられて、昨日の夜、あの橋の下で倒れた。」
大蔵は顔を歪ませた。
「お腹が空いたときとかはどうしたんだい?」
「お店からこっそり...とって食べてた。」
言い終わった瞬間、子供はもっと涙を流し、声を震わせた。
「...こわかった...。」
子供の一言で部屋が沈黙した。
少し時間が過ぎたら、大蔵は立ち上がり、子供の頭を撫でて、笑いかけた。
「ちょっと待っていなさい。もうすぐ暖かい料理が出来上がるよ。それまでこの子とおしゃべりをしていなさい。」
歌羽は大蔵を見上げた。
大蔵はニッコリと笑う。
「この子は歌羽というんだ。宜しくね。」
大蔵はそう言い残して部屋を出た。
部屋に気まずい空気が流れ、歌羽はチラリと子供を見る。
子供はまだ大粒の涙を流し、体を震わせながらひっそりと泣いていた。
その姿に歌羽は胸が締め付けられ
子供の手を優しく包んだ。
「大丈夫だよ。」
「泣かないで。」
その言葉に子供は思わず歌羽を見つめた。
涙はもう止まっていた。
歌羽はハンカチを子供に渡し、背中をさすりながら子供に話しかけた。
「お名前はなんて言うのですか?」
子供はゆっくりと涙を拭いて、綺麗な茶色の瞳を歌羽に向けて口を開いた。
「...龍仁朗。」
「...え?」
予想外の名前に歌羽は言葉を失った。
歌羽が絶句して数分が経った。
「りゅ、龍仁朗...?ほんとに...?」
龍仁朗は頷く。
「はい。女ですけど...。私は男の子じゃないから捨てられたのです...。」
「そ、そんな...。」
「一生、恥を掻かせてやる...って。」
歌羽は龍仁朗に訴えかけた。
「そんなの酷いです!お名前を変えましょうよ!」
龍仁朗はうっすらと笑い、首を横に振った。
「...大丈夫です。」
「なっ...なんで?嫌ではないのですか?」
「...。はい。何故か、嫌ではないのです。」
そう言い終わると龍仁朗は微笑んだ。
歌羽は動揺したが、それ以上訴えかけることをしようとは思えなくなった。
「そうですか...。女の子のお名前ではありませんが、カッコいいお名前ですね!」
龍仁朗は目を丸くした。
「...そう、ですか?」
「はい!ビックリはしましたが、いいお名前だと思います!」
歌羽はペコリとお辞儀をした。
「先程、お父様から紹介されましたが、私の名前は亜麻音歌羽と申します。宜しくね!龍仁朗ちゃん!」
「りゅっ、龍仁朗...ちゃん!?」
いきなりの”ちゃん”付けに龍仁朗は動揺したが、すぐに笑顔を取り戻した。
「はい!宜しくお願いします!歌羽様!」
「え!?さ、様なんて付けなくていいですよ~。」
和やかな雰囲気が流れ始めたら、係員が2人分の料理を運んできた。
大蔵は仲良くなっている2人を見て、優しい笑顔で頷いた。
「さぁ、食べなさい。そういえば、名前は何て言うのかな?」
歌羽は元気に大きな声で大蔵に名前を教えた。
「龍仁朗ちゃんです!先程聞きましたの!」
大蔵は驚いた顔をした。
「龍仁朗ちゃん?君は女の子だろう...?」
龍仁朗は礼儀正しく大蔵にワケを話した。
大蔵は龍仁朗の過去に苦い顔をしながらも、納得した。
「そうだったのか...。」
2人が楽しそうに話しながら料理を食べているのを見ながら、大蔵は顎に手を当てて何かを考えていた。
それに気づいた歌羽は大蔵に話しかける。
「お父様?どうしたのですか?」
「歌羽。龍仁朗ちゃんと一緒にいると、楽しいかね?」
歌羽は元気よく頷いた。
「はい!会ったばかりですがとても楽しいです!」
「龍仁朗ちゃんは?」
龍仁朗もフォークを置いて頷いた。
「はい、私も歌羽様と一緒にいると楽しいです。...私も、明るくなれる...気がします。」
「そうか...。分かった...。
よおし!!!」
大蔵が急に低くて太い声を張り上げたので部屋の中に人全員がビクッと体を震わせた。
「龍仁朗ちゃん、だね?」
「は、はい...。」
「君を私達が引き取ろう。歌羽の側近を頼みたい。」
『ザワッッ____。』
部屋にいた係員達全員が大蔵の言葉をに驚き、口々に喋り出した。
龍仁朗はポカンと口を開いたままで、歌羽は話がいきなり過ぎて驚き、大蔵と龍仁朗の顔を交互に見ていた。
龍仁朗は戸惑いながらこう言った。
「あの...。引き取る...とは?ソッキン?」
大蔵は大きく笑う。
「ハッハッハッ!そのままだよ、龍仁朗ちゃん。君の事を歌羽は必要としているし、君も歌羽を必要としている。」
龍仁朗の目を大蔵は真っ直ぐ見つめながらゆっくりと話し始めた。
「歌羽は何度も小学校を転校していて友達がいないんだ。係員にも同じ歳の子はいないしね。」
龍仁朗は歌羽を見たら、少し悲しそうな顔をしていた。
「だから君には歌羽の側にいて欲しいんだ。10歳で側近は早いと思うが、これから側近のあらゆるマナーや実技を学んでいけば大丈夫だし、家族の様な関係になれる。」
「家族...。」
龍仁朗は溜め込んでおいた感情が噴水の様に押し上げてきて、目頭が熱くなった。
「私達の元へ来なさい。歓迎するよ。」
龍仁朗の中で溢れそうな感情が勢いよく外へ漏れ出た。
「...はい。これからっ、宜しく...お願いっ、します!」
龍仁朗の言葉に歌羽はパァッと笑顔になり、龍仁朗に笑いかけて手を取った。
「やったあ!龍仁朗ちゃん!明日からいっぱい遊ぼうね!」
龍仁朗は涙ぐみながらニコッと笑った。
「はい!お嬢様!!」
この時から、2人の間には硬い絆が生まれていた。
しかし、この12年後、2人に大きな試練が訪れることをこの時は誰も知らない___。
東京では珍しい大降りで、いつも騒がしい東京が死んでしまった様に静かだった。
そんな雨の中、銀座に堂々と佇む宝石界のトップ、亜麻音グループのロビーから10歳の令嬢、歌羽はジッと雨を見つめていた。
そこに歌羽の父であり社長の大蔵が秘書と共にエレベーターから出てきて歌羽に話しかける。
「歌羽、こんな所で何をしているんだ?遊び部屋は二階だろう?」
「お父様!えっと、雨を見ているのです。」
不思議な返答に大蔵は顔を綻ばせる。
「見ていて楽しいかい?」
「はい!とっても楽しいです!」
そう言うと再び雨を見始める歌羽を大蔵は微笑ましく見つめる。
しかし、楽しそうに雨を見ていた歌羽が途端に目を見開いた。
「お父様!人が...人が倒れています!」
「え!?」
大蔵も慌てて窓に目をやる。
確かにビルの肉眼で見えるほどの距離にある橋の下に子供が倒れていた。
歌羽は立ち上がった。
「助けなきゃ!!!」
そう言うと歌羽はドアを開けて子供の所まで走っていく。
「歌羽!待ちなさい!!」
大蔵も係員を数名連れて歌羽を追いかけていった。
歌羽はあっという間に子供の前に着き、体を揺すった。
「もしもし!私の声が聞こえますか!?もしも...」
ー美しいー
倒れている子供は、その言葉が相応しい、歌羽と同年代だと思われる女の子だった。
黒い真っ直ぐの髪、潤んだ唇、白い肌に長いまつ毛ー。
歌羽が美しさに言葉を詰まらせていたら大蔵達が追いついてきた。
「歌羽!勝手に外に出てはダメじゃないか!
...!その子は平気なのか!?」
大蔵は子供に駆け寄り、胸に手を当てて心音を確かめた。
「よかった、生きている。」
「お父様!この子、お腹空かせているかもしれません!」
「うむ、ビルまで連れて行って何か食べ物を出してあげよう。誰か連絡をしてくれ!」
「はい!」
子供は係員にソッと抱きかかえられた。
歌羽は係員が持つ傘に雨から守られながら、子供をジッと見つめていた。
ここは亜麻音グループのビルの、ある一つの救護室。歌羽は心配そうに子供を見つめていると、子供はゆっくりと目を開いた。
子供の声は清らかで澄んだ声だった。
「うぅ...。こっ、ここは?」
「よかった!気づかれたのですね!お父様、目を覚ましました!」
大蔵は安堵の顔をした。
「ああ、良かった!どうなるかと思ったよ。」
子供は状況判断ができず、キョトンとしていた。
「あの...。すみませんが、ここはどこでしょうか?」
大蔵はにこやかに返答する。
「ここはおじさん達のお家なんだ。君はあそこの橋の下で倒れていたんだよ。」
子供はバッと橋を見る。子供はその瞬間、顔が曇った。
「いきなりだけど、君のパパとママを教えてくれるかな?」
大蔵がそう尋ねたら、子供がいきなり大粒の涙を流し始めた。
大蔵と歌羽はギョッとする。
「ど、どうしたんだい!?」
そう尋ねると、子供は唇を震わせながら声を漏らした。
「捨てられ...ました。」
「...え?捨てられた?」
コクリと子供は頷く。
「私が、9歳のとき...、アンタは男の子じゃないからいらない子だって言われて...。
お家からずっと遠い所のここの町で捨てられて、昨日の夜、あの橋の下で倒れた。」
大蔵は顔を歪ませた。
「お腹が空いたときとかはどうしたんだい?」
「お店からこっそり...とって食べてた。」
言い終わった瞬間、子供はもっと涙を流し、声を震わせた。
「...こわかった...。」
子供の一言で部屋が沈黙した。
少し時間が過ぎたら、大蔵は立ち上がり、子供の頭を撫でて、笑いかけた。
「ちょっと待っていなさい。もうすぐ暖かい料理が出来上がるよ。それまでこの子とおしゃべりをしていなさい。」
歌羽は大蔵を見上げた。
大蔵はニッコリと笑う。
「この子は歌羽というんだ。宜しくね。」
大蔵はそう言い残して部屋を出た。
部屋に気まずい空気が流れ、歌羽はチラリと子供を見る。
子供はまだ大粒の涙を流し、体を震わせながらひっそりと泣いていた。
その姿に歌羽は胸が締め付けられ
子供の手を優しく包んだ。
「大丈夫だよ。」
「泣かないで。」
その言葉に子供は思わず歌羽を見つめた。
涙はもう止まっていた。
歌羽はハンカチを子供に渡し、背中をさすりながら子供に話しかけた。
「お名前はなんて言うのですか?」
子供はゆっくりと涙を拭いて、綺麗な茶色の瞳を歌羽に向けて口を開いた。
「...龍仁朗。」
「...え?」
予想外の名前に歌羽は言葉を失った。
歌羽が絶句して数分が経った。
「りゅ、龍仁朗...?ほんとに...?」
龍仁朗は頷く。
「はい。女ですけど...。私は男の子じゃないから捨てられたのです...。」
「そ、そんな...。」
「一生、恥を掻かせてやる...って。」
歌羽は龍仁朗に訴えかけた。
「そんなの酷いです!お名前を変えましょうよ!」
龍仁朗はうっすらと笑い、首を横に振った。
「...大丈夫です。」
「なっ...なんで?嫌ではないのですか?」
「...。はい。何故か、嫌ではないのです。」
そう言い終わると龍仁朗は微笑んだ。
歌羽は動揺したが、それ以上訴えかけることをしようとは思えなくなった。
「そうですか...。女の子のお名前ではありませんが、カッコいいお名前ですね!」
龍仁朗は目を丸くした。
「...そう、ですか?」
「はい!ビックリはしましたが、いいお名前だと思います!」
歌羽はペコリとお辞儀をした。
「先程、お父様から紹介されましたが、私の名前は亜麻音歌羽と申します。宜しくね!龍仁朗ちゃん!」
「りゅっ、龍仁朗...ちゃん!?」
いきなりの”ちゃん”付けに龍仁朗は動揺したが、すぐに笑顔を取り戻した。
「はい!宜しくお願いします!歌羽様!」
「え!?さ、様なんて付けなくていいですよ~。」
和やかな雰囲気が流れ始めたら、係員が2人分の料理を運んできた。
大蔵は仲良くなっている2人を見て、優しい笑顔で頷いた。
「さぁ、食べなさい。そういえば、名前は何て言うのかな?」
歌羽は元気に大きな声で大蔵に名前を教えた。
「龍仁朗ちゃんです!先程聞きましたの!」
大蔵は驚いた顔をした。
「龍仁朗ちゃん?君は女の子だろう...?」
龍仁朗は礼儀正しく大蔵にワケを話した。
大蔵は龍仁朗の過去に苦い顔をしながらも、納得した。
「そうだったのか...。」
2人が楽しそうに話しながら料理を食べているのを見ながら、大蔵は顎に手を当てて何かを考えていた。
それに気づいた歌羽は大蔵に話しかける。
「お父様?どうしたのですか?」
「歌羽。龍仁朗ちゃんと一緒にいると、楽しいかね?」
歌羽は元気よく頷いた。
「はい!会ったばかりですがとても楽しいです!」
「龍仁朗ちゃんは?」
龍仁朗もフォークを置いて頷いた。
「はい、私も歌羽様と一緒にいると楽しいです。...私も、明るくなれる...気がします。」
「そうか...。分かった...。
よおし!!!」
大蔵が急に低くて太い声を張り上げたので部屋の中に人全員がビクッと体を震わせた。
「龍仁朗ちゃん、だね?」
「は、はい...。」
「君を私達が引き取ろう。歌羽の側近を頼みたい。」
『ザワッッ____。』
部屋にいた係員達全員が大蔵の言葉をに驚き、口々に喋り出した。
龍仁朗はポカンと口を開いたままで、歌羽は話がいきなり過ぎて驚き、大蔵と龍仁朗の顔を交互に見ていた。
龍仁朗は戸惑いながらこう言った。
「あの...。引き取る...とは?ソッキン?」
大蔵は大きく笑う。
「ハッハッハッ!そのままだよ、龍仁朗ちゃん。君の事を歌羽は必要としているし、君も歌羽を必要としている。」
龍仁朗の目を大蔵は真っ直ぐ見つめながらゆっくりと話し始めた。
「歌羽は何度も小学校を転校していて友達がいないんだ。係員にも同じ歳の子はいないしね。」
龍仁朗は歌羽を見たら、少し悲しそうな顔をしていた。
「だから君には歌羽の側にいて欲しいんだ。10歳で側近は早いと思うが、これから側近のあらゆるマナーや実技を学んでいけば大丈夫だし、家族の様な関係になれる。」
「家族...。」
龍仁朗は溜め込んでおいた感情が噴水の様に押し上げてきて、目頭が熱くなった。
「私達の元へ来なさい。歓迎するよ。」
龍仁朗の中で溢れそうな感情が勢いよく外へ漏れ出た。
「...はい。これからっ、宜しく...お願いっ、します!」
龍仁朗の言葉に歌羽はパァッと笑顔になり、龍仁朗に笑いかけて手を取った。
「やったあ!龍仁朗ちゃん!明日からいっぱい遊ぼうね!」
龍仁朗は涙ぐみながらニコッと笑った。
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この時から、2人の間には硬い絆が生まれていた。
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