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第三十話 誕生日
「おはよう。ノア、誕生日おめでとう」
朝一番に大好きな人から誕生日を祝ってもらえるなんて、こんな最高の日があってもいいのだろうか。
感動で何も言えないでいると、旦那様は僕に微笑みかけ頭を撫でてくれた。
「今日は午前中で仕事を切り上げるから、午後からは二人でゆっくり過ごそう」
「はい! 約束ですよ!」
飛び起きて横にいたジェラルド様に抱きつく。
ジェラルド様は目を丸くした後、くすくす笑った。
「ああ、約束だ」
声は穏やかなのに、密着した身体から伝わる鼓動は早鐘を打っている。
「ジェラルド様、大好き」
「私も大好きだ」
このままだと動けなくなりそうで、僕は勢い込んで立ち上がった。
「着替えてきます!」
「いってらっしゃい」
温かく見守られながら、自分の部屋に繋がる扉を開ける。
朝からこの調子で心臓が持つか少しだけ不安になったけど、今日は思いきりジェラルド様に甘えると決めていたので、僕は拳を上げて気合を入れた。
昼食後、僕のわがままによりジェラルド様と庭園を散策することになった。
「ジェラルド様、腕を組んでもいいですか?」
「もちろん」
ジェラルド様が軽く腕を曲げ、その腕に自分の腕を通す。初めて腕を組んでみたけど、思ったより密着してドキドキする。
お互い特に何か言うことはなく、散策を続ける。
「庭の景色も、少しだけ変わってきましたね」
「花のことはよくわからなくて」
「咲いている花が増えたのと、あとは日差しが強くなりました」
「そうか。暑くなってきたな」
「ええ」
季節の移り変わりを目でも肌でも感じる。でも暑いのはそれだけが原因ではない。
腕組みって意外と密着感があるな、というのが僕の素直な感想だ。
こう、二人だけの世界というか、安心感がすごい。
今までは手を繋いで歩いていたけど、身長差を考えるとこちらのほうが楽なのかもしれない。
「うーん」
「どうした?」
腕組みに不満はない。むしろ最高なんだけど、これで満足していいのかと思ってしまった。
結婚してから初めて迎えた誕生日で、わざわざ事前にわがままを言うと宣言しているのだ。日常の延長みたいな戯れで特別感を演出できるのか。
「もっとくっつきたいです」
どうしたら密着感が出るかはジェラルド様に任せよう。だって今日はわがままを聞いてくれる日だから。
「これでいいか?」
視界が変わったと思ったら、ジェラルド様が僕を横抱きにした。
「あの、重くないですか?」
「全然。遠征中はオーガを運んだりするから、軽すぎて不安になるくらいだ」
「オーガと比べられるのはちょっと……」
「え? あっ、すまない!」
普段より近くに顔があるから表情の変化がよくわかる。
悪気がないのと本当に焦っているのが伝わって、可笑しくて愛おしくて笑い声が出てしまう。
「下ろしていいか?」
「わー! ごめんなさい! ジェラルド様が可愛くてつい」
「冗談だ」
ジェラルド様が悪戯に笑って、それから僕の唇に口付ける。その仕草がかっこよくて、ぼーっと見つめてしまう。
「可愛いのは君の方だと思う」
言い返そうとしても何も思いつかない。ちょっぴり悔しくて強引に話を逸らす。
「暑いですね」
「ああ、暑いな」
僕が思っているよりずっと、夏は近いのかもしれない。
頭上に降り注ぐ陽光を全身に受けて、そんなことを思った。
庭園にセッティングしてもらったティーテーブルは可愛らしいデザインで、和やかな気持ちになる。
すぐ隣にジェラルド様がいて、テーブルの上には季節のフルーツと紅茶が載っている。夕食があるから控えめにしたらしい。
今日は二人きりでいたいから給仕は遠慮してもらった。
「静かですね」
「そうだな」
「風が心地よくて、いくらでも過ごせそうです」
素敵なティーセット、紅茶のほのかに甘い香り、庭園の花々は鮮やかに咲き誇って、遠くで小鳥が鳴いている。
そんな穏やかな空間にジェラルド様の低い声が響く。
「あ、あーん」
ジェラルド様は果物を手に取って、ためらいがちに僕の口元へ運んだ。
「嬉しいですけど、急にどうしたんですか?」
「前に君がしてほしいと言ったから……」
そういえばそんなことを言ったような気がする。恥ずかしそうにもう一度「あーん」と言うジェラルド様が可愛い。
もう少し見ていたいけど、さすがに申し訳ないか。
口元に運ばれた果物を半分かじる。皮を破って出てきた果肉は瑞々しく甘くて美味しい。
ゆっくり咀嚼をしていたら、ジェラルド様の指に果汁が伝うのが見えた。
もったいない
気づいた時にはジェラルド様の指ごと果物を口に含んでいた。
「えっ!? なっ!」
鍛練以外でジェラルド様の大声を聞くのは久しぶりだ。
ちょっとだけ悪戯心が湧いて、節くれだった指を舌先でくすぐった。
甘みが感じられなくなるまで舐めてから口を離す。すると、ジェラルド様が真っ赤な顔で僕を見ていた。
「なんで、そんなこと!」
普段冷静なジェラルド様が動転するのは珍しい。
「ごめんなさい。お行儀が悪かったですね」
「そういう問題じゃない」
落ち着きを取り戻したジェラルド様が長く息を吐く。
「もうしないほうがいいですか?」
ジェラルド様は考え込むように動きを止めて、それから首を横に振った。
「二人きりの時なら、いい」
「わかりました! 二人きりの時ですね!」
僕はそう言って口を開いたままジェラルド様を見つめる。
ジェラルド様は呆れたような顔をして、それから仕方ないなぁと言いたげに笑って、再び果物を僕の口へ差し出した。
二人きりの甘いお茶会は、テーブルの上にある果物が全部なくなるまで続いた。
夕食はとても豪華で、ジェラルド様が狩ってきた魔物肉も並んでいた。
「食べ過ぎちゃいました」
「すごい量だったな」
ベッドに横になりながら、ジェラルド様と話す。
「ジェラルド様も一緒に寝転がりましょう」
「わかった」
ベッドの縁に座るジェラルド様を誘った瞬間、一つわがままを思いついた。
「ごめんなさい。寝るのはなしで」
「どうした?」
起き上がり、向かい合ってベッドの上に座る。
寝衣のジェラルド様は柔らかい薄手のシャツを着ていて、身体の線がはっきりとわかる。
「筋肉を触ってもいいですか?」
「好きにしなさい」
さすがに一日の後半ともなればジェラルド様もわがまま慣れしたようで、あっさり許してくれた。
シャツの裾をたくし上げてもらい、露出した腹筋にそっと触れる。
鍛えられた肉体は硬く、しっかりと筋肉がついている。
「わあ、すごい!」
腹筋だけではなく全体が引き締まった身体はどこを触っても硬そうだ。そのまま指で脇腹をなぞる。
「ふ……くすぐったい」
「あっ! ごめんなさい!」
慌てて顔を上げると、ジェラルド様と目が合った。頬がうっすら赤く染まっていて、今さら自分が恥ずかしい要求をしてしまったことに気付く。
もうここまできたら徹底的にやってしまおう。
「ジェラルド様、シャツを脱いでください」
「わかった」
何回も見ているはずなのに意識するとドキドキする。男らしい身体つきに見惚れてしまう。
「失礼します」
両手の手のひらで胸筋に触れる。弾力のある筋肉は手のひらを沈めたら跳ね返してきて、少し汗ばんだ肌がしっとりと吸い付く。
しばらく表面をなぞっていると、ジェラルド様の身体がぴくりと動いた。
「触るならもっとしっかり触ってくれ」
「えっと、なんか緊張しちゃって」
「君は大胆なのかそうでないのかわかりにくいな」
ジェラルド様の目は明らかに僕をからかっている。悔しくなった僕は、無茶振りをすることにした。
「じゃあ、今までキスしたことがないところにキスしてください」
「え」
ジェラルド様は僕の身体に上から下までゆっくり視線を落とし、優しく押し倒した。
「あったか?」
ジェラルド様の小さな呟きが耳に届く。言われてみれば確かに、ないかもしれない。
シャツのボタンが一つずつ外されていく。次にジェラルド様は僕の腰に手を添えて脇腹に唇を落とした。
「ふふっ。くすぐったいです」
「さっきの仕返しだ」
ジェラルド様は楽しげに答えて、僕の胸にも唇を落とした。
「あっ」
ちりっとした痛みに思わず声が出る。
「痛かったか?」
「いつものことだから慣れました。ちゃんと考えて下さい」
「そう言われてもなぁ……」
困ったように眉を寄せるジェラルド様が愛おしくて、彼の首に腕を回し唇を合わせる。
「降参ですか?」
「ああ、降参だ」
「ごめんなさい。意地悪を言いました」
過去につま先から足の先まで余すところなくキスされているので、答えは最初からあってないようなものだ。
「だからお詫びに一つだけ、ジェラルド様もわがままを言っていいですよ」
「そうか。なら——」
夫夫がベッドで触れ合っているのだ。答えはわかりきっている。それでも今後の展開に期待して、僕は静かに目を閉じた。
朝一番に大好きな人から誕生日を祝ってもらえるなんて、こんな最高の日があってもいいのだろうか。
感動で何も言えないでいると、旦那様は僕に微笑みかけ頭を撫でてくれた。
「今日は午前中で仕事を切り上げるから、午後からは二人でゆっくり過ごそう」
「はい! 約束ですよ!」
飛び起きて横にいたジェラルド様に抱きつく。
ジェラルド様は目を丸くした後、くすくす笑った。
「ああ、約束だ」
声は穏やかなのに、密着した身体から伝わる鼓動は早鐘を打っている。
「ジェラルド様、大好き」
「私も大好きだ」
このままだと動けなくなりそうで、僕は勢い込んで立ち上がった。
「着替えてきます!」
「いってらっしゃい」
温かく見守られながら、自分の部屋に繋がる扉を開ける。
朝からこの調子で心臓が持つか少しだけ不安になったけど、今日は思いきりジェラルド様に甘えると決めていたので、僕は拳を上げて気合を入れた。
昼食後、僕のわがままによりジェラルド様と庭園を散策することになった。
「ジェラルド様、腕を組んでもいいですか?」
「もちろん」
ジェラルド様が軽く腕を曲げ、その腕に自分の腕を通す。初めて腕を組んでみたけど、思ったより密着してドキドキする。
お互い特に何か言うことはなく、散策を続ける。
「庭の景色も、少しだけ変わってきましたね」
「花のことはよくわからなくて」
「咲いている花が増えたのと、あとは日差しが強くなりました」
「そうか。暑くなってきたな」
「ええ」
季節の移り変わりを目でも肌でも感じる。でも暑いのはそれだけが原因ではない。
腕組みって意外と密着感があるな、というのが僕の素直な感想だ。
こう、二人だけの世界というか、安心感がすごい。
今までは手を繋いで歩いていたけど、身長差を考えるとこちらのほうが楽なのかもしれない。
「うーん」
「どうした?」
腕組みに不満はない。むしろ最高なんだけど、これで満足していいのかと思ってしまった。
結婚してから初めて迎えた誕生日で、わざわざ事前にわがままを言うと宣言しているのだ。日常の延長みたいな戯れで特別感を演出できるのか。
「もっとくっつきたいです」
どうしたら密着感が出るかはジェラルド様に任せよう。だって今日はわがままを聞いてくれる日だから。
「これでいいか?」
視界が変わったと思ったら、ジェラルド様が僕を横抱きにした。
「あの、重くないですか?」
「全然。遠征中はオーガを運んだりするから、軽すぎて不安になるくらいだ」
「オーガと比べられるのはちょっと……」
「え? あっ、すまない!」
普段より近くに顔があるから表情の変化がよくわかる。
悪気がないのと本当に焦っているのが伝わって、可笑しくて愛おしくて笑い声が出てしまう。
「下ろしていいか?」
「わー! ごめんなさい! ジェラルド様が可愛くてつい」
「冗談だ」
ジェラルド様が悪戯に笑って、それから僕の唇に口付ける。その仕草がかっこよくて、ぼーっと見つめてしまう。
「可愛いのは君の方だと思う」
言い返そうとしても何も思いつかない。ちょっぴり悔しくて強引に話を逸らす。
「暑いですね」
「ああ、暑いな」
僕が思っているよりずっと、夏は近いのかもしれない。
頭上に降り注ぐ陽光を全身に受けて、そんなことを思った。
庭園にセッティングしてもらったティーテーブルは可愛らしいデザインで、和やかな気持ちになる。
すぐ隣にジェラルド様がいて、テーブルの上には季節のフルーツと紅茶が載っている。夕食があるから控えめにしたらしい。
今日は二人きりでいたいから給仕は遠慮してもらった。
「静かですね」
「そうだな」
「風が心地よくて、いくらでも過ごせそうです」
素敵なティーセット、紅茶のほのかに甘い香り、庭園の花々は鮮やかに咲き誇って、遠くで小鳥が鳴いている。
そんな穏やかな空間にジェラルド様の低い声が響く。
「あ、あーん」
ジェラルド様は果物を手に取って、ためらいがちに僕の口元へ運んだ。
「嬉しいですけど、急にどうしたんですか?」
「前に君がしてほしいと言ったから……」
そういえばそんなことを言ったような気がする。恥ずかしそうにもう一度「あーん」と言うジェラルド様が可愛い。
もう少し見ていたいけど、さすがに申し訳ないか。
口元に運ばれた果物を半分かじる。皮を破って出てきた果肉は瑞々しく甘くて美味しい。
ゆっくり咀嚼をしていたら、ジェラルド様の指に果汁が伝うのが見えた。
もったいない
気づいた時にはジェラルド様の指ごと果物を口に含んでいた。
「えっ!? なっ!」
鍛練以外でジェラルド様の大声を聞くのは久しぶりだ。
ちょっとだけ悪戯心が湧いて、節くれだった指を舌先でくすぐった。
甘みが感じられなくなるまで舐めてから口を離す。すると、ジェラルド様が真っ赤な顔で僕を見ていた。
「なんで、そんなこと!」
普段冷静なジェラルド様が動転するのは珍しい。
「ごめんなさい。お行儀が悪かったですね」
「そういう問題じゃない」
落ち着きを取り戻したジェラルド様が長く息を吐く。
「もうしないほうがいいですか?」
ジェラルド様は考え込むように動きを止めて、それから首を横に振った。
「二人きりの時なら、いい」
「わかりました! 二人きりの時ですね!」
僕はそう言って口を開いたままジェラルド様を見つめる。
ジェラルド様は呆れたような顔をして、それから仕方ないなぁと言いたげに笑って、再び果物を僕の口へ差し出した。
二人きりの甘いお茶会は、テーブルの上にある果物が全部なくなるまで続いた。
夕食はとても豪華で、ジェラルド様が狩ってきた魔物肉も並んでいた。
「食べ過ぎちゃいました」
「すごい量だったな」
ベッドに横になりながら、ジェラルド様と話す。
「ジェラルド様も一緒に寝転がりましょう」
「わかった」
ベッドの縁に座るジェラルド様を誘った瞬間、一つわがままを思いついた。
「ごめんなさい。寝るのはなしで」
「どうした?」
起き上がり、向かい合ってベッドの上に座る。
寝衣のジェラルド様は柔らかい薄手のシャツを着ていて、身体の線がはっきりとわかる。
「筋肉を触ってもいいですか?」
「好きにしなさい」
さすがに一日の後半ともなればジェラルド様もわがまま慣れしたようで、あっさり許してくれた。
シャツの裾をたくし上げてもらい、露出した腹筋にそっと触れる。
鍛えられた肉体は硬く、しっかりと筋肉がついている。
「わあ、すごい!」
腹筋だけではなく全体が引き締まった身体はどこを触っても硬そうだ。そのまま指で脇腹をなぞる。
「ふ……くすぐったい」
「あっ! ごめんなさい!」
慌てて顔を上げると、ジェラルド様と目が合った。頬がうっすら赤く染まっていて、今さら自分が恥ずかしい要求をしてしまったことに気付く。
もうここまできたら徹底的にやってしまおう。
「ジェラルド様、シャツを脱いでください」
「わかった」
何回も見ているはずなのに意識するとドキドキする。男らしい身体つきに見惚れてしまう。
「失礼します」
両手の手のひらで胸筋に触れる。弾力のある筋肉は手のひらを沈めたら跳ね返してきて、少し汗ばんだ肌がしっとりと吸い付く。
しばらく表面をなぞっていると、ジェラルド様の身体がぴくりと動いた。
「触るならもっとしっかり触ってくれ」
「えっと、なんか緊張しちゃって」
「君は大胆なのかそうでないのかわかりにくいな」
ジェラルド様の目は明らかに僕をからかっている。悔しくなった僕は、無茶振りをすることにした。
「じゃあ、今までキスしたことがないところにキスしてください」
「え」
ジェラルド様は僕の身体に上から下までゆっくり視線を落とし、優しく押し倒した。
「あったか?」
ジェラルド様の小さな呟きが耳に届く。言われてみれば確かに、ないかもしれない。
シャツのボタンが一つずつ外されていく。次にジェラルド様は僕の腰に手を添えて脇腹に唇を落とした。
「ふふっ。くすぐったいです」
「さっきの仕返しだ」
ジェラルド様は楽しげに答えて、僕の胸にも唇を落とした。
「あっ」
ちりっとした痛みに思わず声が出る。
「痛かったか?」
「いつものことだから慣れました。ちゃんと考えて下さい」
「そう言われてもなぁ……」
困ったように眉を寄せるジェラルド様が愛おしくて、彼の首に腕を回し唇を合わせる。
「降参ですか?」
「ああ、降参だ」
「ごめんなさい。意地悪を言いました」
過去につま先から足の先まで余すところなくキスされているので、答えは最初からあってないようなものだ。
「だからお詫びに一つだけ、ジェラルド様もわがままを言っていいですよ」
「そうか。なら——」
夫夫がベッドで触れ合っているのだ。答えはわかりきっている。それでも今後の展開に期待して、僕は静かに目を閉じた。
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