息子と母の純愛物語

MisakiNonagase

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第5章 再びの遠征

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「母さん、今度またアウェー戦があるんだけど…」

2ヶ月後、淳也が夕食の席でそう切り出した。今度は新潟での試合で、やはり泊まりがけになる。

「お父さんと兄さんに声かけたけど、行かないって!」

「今回は僕がホテルを手配するね」淳也が申し出た。前回のことがあったから、今回は自分が主導権を握りたかった。

真澄は少し驚いたようだったが、「ありがとう。じゃあ、お願いするわ」と笑った。

ホテルを予約する際、淳也はわざと真澄に確認した。

「部屋はどうする?前回と同じツインがいい?それともシングル二部屋?」

電話の向こうで真澄が少し間を置いた。「…前回と同じでいいわ。別に」

その返事に、淳也の心は躍った。もし彼女が本当に恐れていたら、別々の部屋を希望したはずだ。もしかしたら——いや、考えすぎかもしれない。彼女は単に「親子だから」という理由で同室を選んだだけだろう。

しかし、希望は膨らんだ。また二人きりで旅行できること、それだけで彼は幸せだった。

出発前日、淳也は真澄へLINEをした。

「明日の準備は大丈夫?」

真澄はスーツケースを閉めようとしていた。

「ええ、終わったわ。淳也は?」

「僕もバッチリ終わったよ。あっ、しっかり喉飴も持ったよ。真澄さんが応援で声を枯らしてもケアできるように」

真澄は驚いたように「ありがとう。気が利くのね」

「真澄さんは熱中しすぎちゃうもんね


その言葉に、真澄はほんのり頬を染めた。「…そうね。気をつけるわ😉」

出発当日、真澄は、前回とは違う服装だった。ベージュのトレンチコートに、黒のスキニーパンツ。髪はいつもより丁寧にセットされていた。

「おはよう。すごく…おしゃれだね」淳也は思わず口に出した。

「バカ」真澄は軽く淳也の腕を叩いたが、嬉しそうだった。

新幹線の中では、前回よりもリラックスした雰囲気だった。淳也が大学の話をすると、真澄は真剣に耳を傾け、時折鋭い質問を投げかけた。

「就職活動はそろそろ始めるんでしょ?どんな会社に興味があるの?」

「まだあまり考えてないけど…開発系かな。できれば家から通える範囲で。離れたくないし。」

「離れたくない?」真澄は不思議そうな顔をした。

「だって…」淳也は言葉を詰まらせた。「家族から離れるのは寂しいから」

真澄は優しく微笑んだ。「子供はいつか巣立つものよ。それが自然なこと」

「でも、母さんのことはずっと側にいたい」

その言葉に、真澄は目を伏せた。「…淳也」

「ごめん、変なこと言って」淳也は慌てて話題を変えた。「あ、試合の相手チーム、最近調子いいらしいね」

試合は前回とは逆に、応援するチームの快勝だった。3-1の完勝で、完全アウェーの中で少数サポーターたちは大喜び。

一緒に歓喜を味わう淳也と真澄。淳也は真澄のことしか目に入らなかった。

「すごかったね!」試合後、真澄は興奮冷めやらぬ様子で言った。「あの2列目の攻撃、完璧だったわ!」

「母さん、もう完全に専門家だよ」淳也は感心した。

会場を出ると、夕暮れ時だった。最寄り駅まで歩く道のり、二人は自然に横に並んだ。


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