良妻賢母の裏の顔

MisakiNonagase

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第9章:歪んだ視線

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監視を続け、母が相手と会うことを決めると、僕は日時場所までおさえているため、待ち合わせをする場所へ先回りする。

メッセージのやりとりは、母のほうは大きな隙を見せて、相手が肉体関係をしやすい流れを与えるという大胆さ。

これまでのように何度かデート繰り返してからホテル...ではなく、会う以前に肉体関係を約束していることが中心になっていた。

相手は相変わらず20代ばかり。母は「ケイコ」ではなく、今度は「マリ」という名を使っていた。

メッセージの内容は以前より露骨で、時には肉体関係の前後のやりとりがそのまま記録されていた。

最初は憤りだけだった。

家族を守るという大義名分があった。

しかし、ある夜、母と「ボーイフレンド」の一人との情熱的なメッセージのやり取りを読みながら、僕の中で何かが変わった。憤りは薄れ、代わりに得体の知れない熱い感情が込み上げてきた。その男が母に書いた言葉を、まるで自分が母に語りかけているかのように想像してしまったのだ。

「君の肌、すごく綺麗だったよ。」
「また会いたい、マリ。」

僕は画面から目を背け、冷たい水で顔を洗った。

鏡に映った自分の目は、紛れもない嫉妬と、禁断の欲望で曇っていた。

母を「女性」として意識している。

家族を守るという目的は、いつの間にか歪み、母という存在そのものへの執着にすり替わり始めていた。


(続く)
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