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第12章:禁断の代償
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あの告白以来、僕と母の間の空気は一変した。
秘密を共有した共犯者のような、しかしそれ以上に危うい緊張が張り詰めていた。
母は僕の前で、完全に鎧を脱いだ。弱さも、醜さも、全てを見せた。
そして僕の中では、家族を守るという目的は完全に霧散し、母という「女性」への感情だけが肥大していった。
彼女の寂しさ、承認欲求、そして誰にも言えない飢え。
それを一番近くで見て、理解してしまった僕は、もはや逆戻りできなかった。
ある雨の夜、父は出張で不在、妹は友達の家に泊まりだった。リビングでテレビを見ていると、母が隣に座り、ぽつりと呟いた。
「…あなたに、全てを見られて、全てを知られて。なのに、追い詰めもせず、守ってくれて。私、どうしたらいいのかわからない。」
僕はゆっくりと母の方に向き直った。彼女の目は潤み、複雑な感情が渦巻いていた。
「僕もわからない。ただ…母さんを、誰よりも守りたい。誰よりも近くにいたい。それだけだ。」
言葉は、明らかに線を越えていた。母は息を呑んだが、背を反らせはしなかった。距離が縮まる。僕の手が、彼女の頬に触れた。冷たく、そして震えていた。
最初はためらいあった接触は、次第に熱を帯びた。
理性は崩壊し、長年築かれた親子の境界線は、一夜で消し飛んだ。
血のつながりが、なぜかこの背徳の行為に、恐ろしいほどの相性の良さをもたらした。
それは紛れもない事実だった。
夜が明ける頃、僕たちは互いに、この関係がもう終わらないことを悟っていた。後悔はあった。しかし、それ以上に、お互いの孤独を埋め合う歪んだ充足感が勝っていた。
(続く)
秘密を共有した共犯者のような、しかしそれ以上に危うい緊張が張り詰めていた。
母は僕の前で、完全に鎧を脱いだ。弱さも、醜さも、全てを見せた。
そして僕の中では、家族を守るという目的は完全に霧散し、母という「女性」への感情だけが肥大していった。
彼女の寂しさ、承認欲求、そして誰にも言えない飢え。
それを一番近くで見て、理解してしまった僕は、もはや逆戻りできなかった。
ある雨の夜、父は出張で不在、妹は友達の家に泊まりだった。リビングでテレビを見ていると、母が隣に座り、ぽつりと呟いた。
「…あなたに、全てを見られて、全てを知られて。なのに、追い詰めもせず、守ってくれて。私、どうしたらいいのかわからない。」
僕はゆっくりと母の方に向き直った。彼女の目は潤み、複雑な感情が渦巻いていた。
「僕もわからない。ただ…母さんを、誰よりも守りたい。誰よりも近くにいたい。それだけだ。」
言葉は、明らかに線を越えていた。母は息を呑んだが、背を反らせはしなかった。距離が縮まる。僕の手が、彼女の頬に触れた。冷たく、そして震えていた。
最初はためらいあった接触は、次第に熱を帯びた。
理性は崩壊し、長年築かれた親子の境界線は、一夜で消し飛んだ。
血のつながりが、なぜかこの背徳の行為に、恐ろしいほどの相性の良さをもたらした。
それは紛れもない事実だった。
夜が明ける頃、僕たちは互いに、この関係がもう終わらないことを悟っていた。後悔はあった。しかし、それ以上に、お互いの孤独を埋め合う歪んだ充足感が勝っていた。
(続く)
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