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第32章:崩壊した日常と、管理された「肉の檻」
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大輝のマンションでの修羅場を経て、武田家という形骸は完全に砕け散った。 絶望の淵に突き落とされた謙介は、その夜、一言も発することなく夜の街へ消えた。数日後、彼が会社を辞め、どこか地方の安アパートに身を隠したという噂が届いたが、加代子にとってそれはもはや、遠い異国の出来事のようにしか感じられなかった。
加代子には、帰る家も、待つべき夫も、もういない。 彼女に残されたのは、大輝の狭いワンルームマンションと、海外から届く康助の「管理コード」だけだった。
「加代子さん、朝だよ。……ほら、康助さんから指示が来てる。『今日は一段と厳しく手入れしろ』ってさ」
大輝の声には、かつての純粋な恋慕は微塵もなかった。 あの日、電話越しに康助の圧倒的な支配力を見せつけられ、さらに「俺の代わりに手入れしておけ」という命令を受けたことで、大輝の精神は歪んだ方向へと振り切れていた。彼は自分を、康助という神に仕える「管理官」だと思い込むようになったのだ。
加代子は監禁同然の生活の中で、朝から晩まで大輝に弄ばれた。 大輝は康助に報告するための動画を撮影しながら、執拗に加代子の名器を攻め立てる。加代子が泣き叫ぼうが、許しを乞うて康助の名前を呼ぼうが、大輝の手が止まることはない。
「すごいよ、加代子さん。毎日毎日、こんなに酷使されているのに、中の方はどんどん締まっていく。康助さんが言った通りだ……あんたは、男たちの欲望を吸い込んで完成する、化け物みたいな名器だよ」
かつては「不細工だけど」と蔑んでいた言葉すら、今では「最高の素材」としての賛辞に変わっていた。だが、それは加代子を人間として見ているのではなく、半年後に康助に「納品」すべき最高級の肉塊として扱っているに過ぎなかった。
一ヶ月が経つ頃には、加代子の瞳から光が消え始めていた。 鏡に映る自分は、確かに艶やかで、恐ろしいほどに色香を放っている。しかし、その中身は空っぽだった。 大輝がいない時間は、康助から届く音声メッセージを聞くことだけが、彼女の唯一の「呼吸」だった。
『母さん、大輝に可愛がられてるみたいだね。……でも、まだ足りない。次は、和文も呼ぶように大輝に伝えてある。複数の男に同時に蹂躙されて、その名器を極限まで広げ、壊れかけるまで追い込め。それが、俺が帰るまでの宿題だ』
「……はい、康助……。あなたの、言う通りに……」
加代子はスマートフォンの画面に唇を寄せ、虚ろな笑みを浮かべた。 自尊心も、羞恥心も、母親としての記憶も、すべては名器という名の底なし沼に沈んでいった。
自分の肉体が、男たちの欲望によって摩耗し、使い潰されていくこと。 その無残なプロセスこそが、今の加代子に与えられた唯一の生存理由だった。
加代子には、帰る家も、待つべき夫も、もういない。 彼女に残されたのは、大輝の狭いワンルームマンションと、海外から届く康助の「管理コード」だけだった。
「加代子さん、朝だよ。……ほら、康助さんから指示が来てる。『今日は一段と厳しく手入れしろ』ってさ」
大輝の声には、かつての純粋な恋慕は微塵もなかった。 あの日、電話越しに康助の圧倒的な支配力を見せつけられ、さらに「俺の代わりに手入れしておけ」という命令を受けたことで、大輝の精神は歪んだ方向へと振り切れていた。彼は自分を、康助という神に仕える「管理官」だと思い込むようになったのだ。
加代子は監禁同然の生活の中で、朝から晩まで大輝に弄ばれた。 大輝は康助に報告するための動画を撮影しながら、執拗に加代子の名器を攻め立てる。加代子が泣き叫ぼうが、許しを乞うて康助の名前を呼ぼうが、大輝の手が止まることはない。
「すごいよ、加代子さん。毎日毎日、こんなに酷使されているのに、中の方はどんどん締まっていく。康助さんが言った通りだ……あんたは、男たちの欲望を吸い込んで完成する、化け物みたいな名器だよ」
かつては「不細工だけど」と蔑んでいた言葉すら、今では「最高の素材」としての賛辞に変わっていた。だが、それは加代子を人間として見ているのではなく、半年後に康助に「納品」すべき最高級の肉塊として扱っているに過ぎなかった。
一ヶ月が経つ頃には、加代子の瞳から光が消え始めていた。 鏡に映る自分は、確かに艶やかで、恐ろしいほどに色香を放っている。しかし、その中身は空っぽだった。 大輝がいない時間は、康助から届く音声メッセージを聞くことだけが、彼女の唯一の「呼吸」だった。
『母さん、大輝に可愛がられてるみたいだね。……でも、まだ足りない。次は、和文も呼ぶように大輝に伝えてある。複数の男に同時に蹂躙されて、その名器を極限まで広げ、壊れかけるまで追い込め。それが、俺が帰るまでの宿題だ』
「……はい、康助……。あなたの、言う通りに……」
加代子はスマートフォンの画面に唇を寄せ、虚ろな笑みを浮かべた。 自尊心も、羞恥心も、母親としての記憶も、すべては名器という名の底なし沼に沈んでいった。
自分の肉体が、男たちの欲望によって摩耗し、使い潰されていくこと。 その無残なプロセスこそが、今の加代子に与えられた唯一の生存理由だった。
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