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第一部 異世界ものの定番の人たち
77. 異世界372日目 蠍の尾メンバーと遭遇すると・・・
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久しぶりにサクラに戻ってきたので役場に顔を出す。役場には知っている顔がちらほらしているが、スレインさん達の顔も見える。こんな時間に珍しいなと思ったんだが、なにか絡まれているような雰囲気だ。大丈夫か?
スレインさんがこちらに気がついたみたいで、他の3人と一緒にこちらにやってきた。
「ジュンイチにジェン!久しぶり!! こっちに戻ってきたんだな。え、そうかそうか、そういうことならここでは無理だな。うちの家で話すことにしよう。いくよ!!」
一気にまくし立てられてそのまま拉致されてしまう自分たち。どうしたんだ?なんか絡んでいたと思われる人たちもあっけにとられている感じだった。
なにか事情があるようだったのでそのまままっすぐ家まで同行することになった。
「は~~~~、ジュンイチ、ジェン、助かったよ。」
「事情が分かりませんが、何があったんですか?」
少し落ち着いたところで今回の事情を聞いてみた。
「話は2週間前くらいになるんだが、大分暖かくなってきたところで少し南の方の町から魔獣の討伐依頼が出たので行ってきたんだよ。
数パーティーでの討伐でいろいろあったが他のパーティーで負傷者が出たくらいで達成はできたんだ。それは問題なかったんだけど・・・そこで出会った男性に求婚されたんだ。」
「そ、それは、おめでとうございます?って、誰が求婚されたんですか?」
「「「「4人だ(よ)。」」」」
「4人?」
「そう、4人全員だ。」
「えっと・・・みなさん全員がそれぞれ求婚されたってことでいいのかな?」
「そうだ。ただ、相手は一人だ。」
頭が追い付かない。
「えっと、確認なんですが、一人の男性がスレインさん達全員に求婚してきたということでいいのでしょうか?」
「そうだ。」
「かなりの女好きで何人にも求婚するような男性だったとか、すでに結婚していて妾に欲しいとか?」
たしかこの国では重婚は認められており、養う財力さえあれば問題ないということだったと思う。裕福な商人とかで妻が複数いたり、妾がいたりしていた筈だ。
「今まで他の女性に求婚したという話は聞いたことがないし、立場的にも簡単にはできない筈だ。求婚してほしいと思っている人は多いと思う。」
「有名な人なんですか?」
「有名といえば有名だな。この国の第二王子なんだ。」
「第二王子!!」
たしかこの間の建国祭でいた人の一人だよな。第二王妃の息子で21か22歳くらいだったと思う。
「経緯はよくわかりませんが、その第二王子に気に入られて王家に嫁ぐと?」
「いや、彼はいずれ王家から離れると言っている。このため、形式上は平民ということになる。まあ、普通の平民と言うわけでもないがな。」
貴族は形骸化しているから新たな貴族位はできないってことかな?昔だと公爵家とかになりそうだけど。
「ちなみにスレインさん達の気持ちはどうなんですか?」
「「「「特に嫌いというわけではないし、好感は持てる(わ)。」」」」
4人とも考えた後に出てきた言葉は同じだった。
「立場を利用して強引に迫ってくるわけでも、裏から手を回すわけでもなく、真摯に対応してくれているので悪い気分じゃないし、私たちを好きになった理由やどこが好きなのかなんかも一人一人にきちんと説明してくれている。
4人と結婚しても十分養う財力はあるみたいだが、結婚してもそのままパーティーとして冒険者は続けてもいいと言っている。ただ、毎回ではないかもしれないが彼も一緒に同行したいと言っているんだ。」
「一緒にパーティーをで戦ってもうまくいくんですか?」
「討伐の時に一緒に戦う機会があったんだが、彼は剣士で前衛ができるのでいい感じで連携が出来ていたんだ。なので一緒に戦うには問題はない。」
「どうしたいと思っているんですか?」
「「「「どうすればいい?」」」」
そう言われても、自分も恋愛関係なんて分からないよ・・・。でも嫌いではなく、好感が持てるのであれば前向きに考えてもいいのでは?
今まで話を聞いた限りでは男と付き合ったこともないようなのでどうしていいのかが分からないといった感じだ。
「正直恋愛についてはよくわからないんですが、自分の両親の話を引き合いに出すと、人には長所と短所があるけど、短所を補うくらい長所があれば、そして一緒にいることが苦ではなく楽しいのであれば付き合ってもいいのではないか?と言っていました。
もしだめだったらそのときに別れればいいだけですし、付き合って初めて見えてくることもあると思うんですよ。
「付き合う=結婚する」となるのであれば難しいかもしれませんが、検討期間ということができるのであれば付き合ってみてもいいのではないでしょうか?」
とりあえず両親から聞いたことを話してみる。どれが正解なのか正直わからないよ。
話をしているとお客が来たみたいでジャニーさんがどうするのか対応を聞きにやってきた。どうやら渦中の人のようである。
とりあえず部屋に通すことになったようで、しばらくすると3人の男性が入ってきた。後ろの二人は護衛のようだ。部屋にいる自分たちを見て驚いている。
「こんにちは。急な訪問申し訳ありません。ただ、どうしても確認しておきたくて寄らせてもらいました。
不躾な質問で申し訳ありませんが、彼はどういう人なんですか?あなたたちがあんなに親しげにしているというのはほとんどないと聞いています。」
そう言ってこっちをにらんできた。まあ、とりあえず挨拶だろう。
「初めまして、ジュンイチと言います。こちらはジェニファーと言い、アースというパーティーを組んでいます。
スレインさん達とは護衛任務でご一緒させていただいてからの縁で、時々訓練などにも付き合ってもらっています。」
こちらの自己紹介を受けて慌てて返事をしてきた。
「ああ、申し訳ない。ちょっと混乱していて挨拶を忘れていた。私はクリストフ・ヤーマンと言う。今はこの国の第二王子という立場だ。いろいろと事業もやっているが、冒険者としても活動を行っている。」
「・・・・」
「・・・・」
「ちょっと二人で話はできませんか?」
「いいだろう。」
スレインさん達に確認してから客室を借りることになった。護衛と思われる人たちはさすがに初対面の人と話すのに殿下から離れるわけにはいかないと言うことらしい。ただここでの話は他言しないと言うことで納得する。
「ヤーマン国の第2王子ということですが、申し訳ありませんが、王族に対する言葉使いなどは分かりません。もしかしたら無作法があるかもしれませんが、ご容赦ください。」
「気にしなくていい。もう少ししたら王族からは外れることになるし、私自身も特に気にしないのでかしこまる必要はない。護衛の二人もその点は理解しているのでいきなり切りつけるようなことは絶対にない。」
「誤解があるようなので最初に話しておきますが、自分はスレインさん達とは仲良くさせていただいていますが、別に男女の仲というわけではありません。」
「そうなのか?その言葉に嘘はないだろうな?」
「それは神に誓って間違いありません。確かに魅力的な女性達だとは思いますが、そう言う関係ではありませんよ。先輩の冒険者として尊敬はしていますけどね。」
「それじゃあ一緒にいる女性が彼女なのか?」
「正直なところ、そうだったらうれしいですけどね。
でも彼女はあくまで同郷というパーティーメンバーです。彼女には大事な人が故郷で待っているらしいので、故郷に帰るまで行動を共にしているという関係です。」
「・・・・」
「それでスレインさん達全員にプロポーズしたと聞いています。失礼を承知で聞きますが、本気ですか?」
「それは本気だ。今まで王族や金持ちと言うことでいろいろと色目を使ってくる女性がほとんどだったが、彼女たちは普通に接してくれた。もちろん自分の立場を知っている上でだ。一人の人間として普通に接してくれた。
最初はそれだけで興味を持ったくらいだったのだが、接しているうちに彼女たちの魅力に惹かれていった。ただ誰かを選ぶことはできなかったし、今の彼女たちの関係を崩したくもなかったのだ。
彼女たちはお金を稼ぐ目的もあるだろうが、冒険者としての活動にも人助けをするというはっきりとした目的を持って活動している。それを終わらせたくもないのだ。
そして彼女達と一緒にパーティーを組んだ時に初めて冒険者として自分の居場所ができたと思ったのだ。」
「自分の居場所ですか?」
「ああ。私が冒険者としてパーティーを組んでいるのは知っているだろう。そのメンバーは私の護衛の騎士だ。冒険者としてのレベルは私より高く、実力は優階位に相当する。そのため護衛してもらっているという形でしかない。
戦いになっても私は必要なのか?といつも悩んでいた。
今回蠍の尾のメンバーと行動した際に、初めてパーティーのメンバーとして役割を果たせたと思った。これが本当のパーティーなのだとわかった。」
「そういえばスレインさん達も初めてなのにいい感じに連携できたとか言っていましたよ。」
「本当か?それは嬉しいな。」
「その結果が4人へのプロポーズなんですね。」
「そうだ。彼女たちは好きだが、冒険者として活動する彼女たちが一番好きなのだと思う。」
「わかりました。恋愛経験のない自分ですので、大層なことは言えませんがひとつだけ言っておきます。彼女たちはこれまで男の人と付き合ったことがないと聞いています。なのでどう対応していいのかわからないのだと思います。いやな感情は持っていないと思いますので、真摯に向き合えばきっと理解してくれると思いますよ。」
「ほんとか?」
「絶対とはいえませんが、自分も短い期間とはいえ、彼女たちとはいろいろと話しましたからね。」
「そうか、その言葉信じるぞ。」
「いえ、こちらも彼女たちには幸せになってほしいと思っていますので。」
「わかった。がんばってみるよ。お返しに君とジェニファーさんだったか?二人の関係も進展するように手伝うよ。」
「!!それは気にしないでください。自分たちはそういう関係ではありませんので・・・」
「そうか?まあいいが・・・」
そのあとしばらくお互いのことを少し話したんだが、思ったよりも普通の感じだった。母親も冒険者だったと言うことで、普通の生活や常識を持っているようだった。
ただ彼女の母親は結婚する前に王妃教育がかなり大変だったようだ。第二王妃と言うことでまだ大目に見てもらえていたようだが、それでも結婚するまで3年ほどかかったらしい。スレインさんたちはそこまで必要は無いらしいが、場合により最低限のマナーの習得の必要があるかもしれないと言っていた。
一階に降りるとみんなは普通にお茶会みたいなことをやっていた。なんかえらく落ち着いているな?さっきまでのドタバタは何だったんだろう?
クリストフ殿下を見送った後は、みんなで少し話をする。話した感じだと、かなり好感を持てる人だったし、特に裏がある感じも受けないのでとりあえず付き合ってもいいんじゃないかといってみた。
4人とも顔を真っ赤にしている。
「「「「そんなこといっても・・・」」」」
思ったよりも遅くなってしまったし、宿も取っていなかったので今日も泊めてもらうことになった。
夕食をいただいてからも話は続くが、自分は途中でダウン。ジェンにお願いして先に休むことにした。
スレインさんがこちらに気がついたみたいで、他の3人と一緒にこちらにやってきた。
「ジュンイチにジェン!久しぶり!! こっちに戻ってきたんだな。え、そうかそうか、そういうことならここでは無理だな。うちの家で話すことにしよう。いくよ!!」
一気にまくし立てられてそのまま拉致されてしまう自分たち。どうしたんだ?なんか絡んでいたと思われる人たちもあっけにとられている感じだった。
なにか事情があるようだったのでそのまままっすぐ家まで同行することになった。
「は~~~~、ジュンイチ、ジェン、助かったよ。」
「事情が分かりませんが、何があったんですか?」
少し落ち着いたところで今回の事情を聞いてみた。
「話は2週間前くらいになるんだが、大分暖かくなってきたところで少し南の方の町から魔獣の討伐依頼が出たので行ってきたんだよ。
数パーティーでの討伐でいろいろあったが他のパーティーで負傷者が出たくらいで達成はできたんだ。それは問題なかったんだけど・・・そこで出会った男性に求婚されたんだ。」
「そ、それは、おめでとうございます?って、誰が求婚されたんですか?」
「「「「4人だ(よ)。」」」」
「4人?」
「そう、4人全員だ。」
「えっと・・・みなさん全員がそれぞれ求婚されたってことでいいのかな?」
「そうだ。ただ、相手は一人だ。」
頭が追い付かない。
「えっと、確認なんですが、一人の男性がスレインさん達全員に求婚してきたということでいいのでしょうか?」
「そうだ。」
「かなりの女好きで何人にも求婚するような男性だったとか、すでに結婚していて妾に欲しいとか?」
たしかこの国では重婚は認められており、養う財力さえあれば問題ないということだったと思う。裕福な商人とかで妻が複数いたり、妾がいたりしていた筈だ。
「今まで他の女性に求婚したという話は聞いたことがないし、立場的にも簡単にはできない筈だ。求婚してほしいと思っている人は多いと思う。」
「有名な人なんですか?」
「有名といえば有名だな。この国の第二王子なんだ。」
「第二王子!!」
たしかこの間の建国祭でいた人の一人だよな。第二王妃の息子で21か22歳くらいだったと思う。
「経緯はよくわかりませんが、その第二王子に気に入られて王家に嫁ぐと?」
「いや、彼はいずれ王家から離れると言っている。このため、形式上は平民ということになる。まあ、普通の平民と言うわけでもないがな。」
貴族は形骸化しているから新たな貴族位はできないってことかな?昔だと公爵家とかになりそうだけど。
「ちなみにスレインさん達の気持ちはどうなんですか?」
「「「「特に嫌いというわけではないし、好感は持てる(わ)。」」」」
4人とも考えた後に出てきた言葉は同じだった。
「立場を利用して強引に迫ってくるわけでも、裏から手を回すわけでもなく、真摯に対応してくれているので悪い気分じゃないし、私たちを好きになった理由やどこが好きなのかなんかも一人一人にきちんと説明してくれている。
4人と結婚しても十分養う財力はあるみたいだが、結婚してもそのままパーティーとして冒険者は続けてもいいと言っている。ただ、毎回ではないかもしれないが彼も一緒に同行したいと言っているんだ。」
「一緒にパーティーをで戦ってもうまくいくんですか?」
「討伐の時に一緒に戦う機会があったんだが、彼は剣士で前衛ができるのでいい感じで連携が出来ていたんだ。なので一緒に戦うには問題はない。」
「どうしたいと思っているんですか?」
「「「「どうすればいい?」」」」
そう言われても、自分も恋愛関係なんて分からないよ・・・。でも嫌いではなく、好感が持てるのであれば前向きに考えてもいいのでは?
今まで話を聞いた限りでは男と付き合ったこともないようなのでどうしていいのかが分からないといった感じだ。
「正直恋愛についてはよくわからないんですが、自分の両親の話を引き合いに出すと、人には長所と短所があるけど、短所を補うくらい長所があれば、そして一緒にいることが苦ではなく楽しいのであれば付き合ってもいいのではないか?と言っていました。
もしだめだったらそのときに別れればいいだけですし、付き合って初めて見えてくることもあると思うんですよ。
「付き合う=結婚する」となるのであれば難しいかもしれませんが、検討期間ということができるのであれば付き合ってみてもいいのではないでしょうか?」
とりあえず両親から聞いたことを話してみる。どれが正解なのか正直わからないよ。
話をしているとお客が来たみたいでジャニーさんがどうするのか対応を聞きにやってきた。どうやら渦中の人のようである。
とりあえず部屋に通すことになったようで、しばらくすると3人の男性が入ってきた。後ろの二人は護衛のようだ。部屋にいる自分たちを見て驚いている。
「こんにちは。急な訪問申し訳ありません。ただ、どうしても確認しておきたくて寄らせてもらいました。
不躾な質問で申し訳ありませんが、彼はどういう人なんですか?あなたたちがあんなに親しげにしているというのはほとんどないと聞いています。」
そう言ってこっちをにらんできた。まあ、とりあえず挨拶だろう。
「初めまして、ジュンイチと言います。こちらはジェニファーと言い、アースというパーティーを組んでいます。
スレインさん達とは護衛任務でご一緒させていただいてからの縁で、時々訓練などにも付き合ってもらっています。」
こちらの自己紹介を受けて慌てて返事をしてきた。
「ああ、申し訳ない。ちょっと混乱していて挨拶を忘れていた。私はクリストフ・ヤーマンと言う。今はこの国の第二王子という立場だ。いろいろと事業もやっているが、冒険者としても活動を行っている。」
「・・・・」
「・・・・」
「ちょっと二人で話はできませんか?」
「いいだろう。」
スレインさん達に確認してから客室を借りることになった。護衛と思われる人たちはさすがに初対面の人と話すのに殿下から離れるわけにはいかないと言うことらしい。ただここでの話は他言しないと言うことで納得する。
「ヤーマン国の第2王子ということですが、申し訳ありませんが、王族に対する言葉使いなどは分かりません。もしかしたら無作法があるかもしれませんが、ご容赦ください。」
「気にしなくていい。もう少ししたら王族からは外れることになるし、私自身も特に気にしないのでかしこまる必要はない。護衛の二人もその点は理解しているのでいきなり切りつけるようなことは絶対にない。」
「誤解があるようなので最初に話しておきますが、自分はスレインさん達とは仲良くさせていただいていますが、別に男女の仲というわけではありません。」
「そうなのか?その言葉に嘘はないだろうな?」
「それは神に誓って間違いありません。確かに魅力的な女性達だとは思いますが、そう言う関係ではありませんよ。先輩の冒険者として尊敬はしていますけどね。」
「それじゃあ一緒にいる女性が彼女なのか?」
「正直なところ、そうだったらうれしいですけどね。
でも彼女はあくまで同郷というパーティーメンバーです。彼女には大事な人が故郷で待っているらしいので、故郷に帰るまで行動を共にしているという関係です。」
「・・・・」
「それでスレインさん達全員にプロポーズしたと聞いています。失礼を承知で聞きますが、本気ですか?」
「それは本気だ。今まで王族や金持ちと言うことでいろいろと色目を使ってくる女性がほとんどだったが、彼女たちは普通に接してくれた。もちろん自分の立場を知っている上でだ。一人の人間として普通に接してくれた。
最初はそれだけで興味を持ったくらいだったのだが、接しているうちに彼女たちの魅力に惹かれていった。ただ誰かを選ぶことはできなかったし、今の彼女たちの関係を崩したくもなかったのだ。
彼女たちはお金を稼ぐ目的もあるだろうが、冒険者としての活動にも人助けをするというはっきりとした目的を持って活動している。それを終わらせたくもないのだ。
そして彼女達と一緒にパーティーを組んだ時に初めて冒険者として自分の居場所ができたと思ったのだ。」
「自分の居場所ですか?」
「ああ。私が冒険者としてパーティーを組んでいるのは知っているだろう。そのメンバーは私の護衛の騎士だ。冒険者としてのレベルは私より高く、実力は優階位に相当する。そのため護衛してもらっているという形でしかない。
戦いになっても私は必要なのか?といつも悩んでいた。
今回蠍の尾のメンバーと行動した際に、初めてパーティーのメンバーとして役割を果たせたと思った。これが本当のパーティーなのだとわかった。」
「そういえばスレインさん達も初めてなのにいい感じに連携できたとか言っていましたよ。」
「本当か?それは嬉しいな。」
「その結果が4人へのプロポーズなんですね。」
「そうだ。彼女たちは好きだが、冒険者として活動する彼女たちが一番好きなのだと思う。」
「わかりました。恋愛経験のない自分ですので、大層なことは言えませんがひとつだけ言っておきます。彼女たちはこれまで男の人と付き合ったことがないと聞いています。なのでどう対応していいのかわからないのだと思います。いやな感情は持っていないと思いますので、真摯に向き合えばきっと理解してくれると思いますよ。」
「ほんとか?」
「絶対とはいえませんが、自分も短い期間とはいえ、彼女たちとはいろいろと話しましたからね。」
「そうか、その言葉信じるぞ。」
「いえ、こちらも彼女たちには幸せになってほしいと思っていますので。」
「わかった。がんばってみるよ。お返しに君とジェニファーさんだったか?二人の関係も進展するように手伝うよ。」
「!!それは気にしないでください。自分たちはそういう関係ではありませんので・・・」
「そうか?まあいいが・・・」
そのあとしばらくお互いのことを少し話したんだが、思ったよりも普通の感じだった。母親も冒険者だったと言うことで、普通の生活や常識を持っているようだった。
ただ彼女の母親は結婚する前に王妃教育がかなり大変だったようだ。第二王妃と言うことでまだ大目に見てもらえていたようだが、それでも結婚するまで3年ほどかかったらしい。スレインさんたちはそこまで必要は無いらしいが、場合により最低限のマナーの習得の必要があるかもしれないと言っていた。
一階に降りるとみんなは普通にお茶会みたいなことをやっていた。なんかえらく落ち着いているな?さっきまでのドタバタは何だったんだろう?
クリストフ殿下を見送った後は、みんなで少し話をする。話した感じだと、かなり好感を持てる人だったし、特に裏がある感じも受けないのでとりあえず付き合ってもいいんじゃないかといってみた。
4人とも顔を真っ赤にしている。
「「「「そんなこといっても・・・」」」」
思ったよりも遅くなってしまったし、宿も取っていなかったので今日も泊めてもらうことになった。
夕食をいただいてからも話は続くが、自分は途中でダウン。ジェンにお願いして先に休むことにした。
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