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第一部 異世界ものの定番の人たち
90. 異世界 クリストフSide 王子と冒険者の出会い
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私はクリストフ・ヤーマンというヤーマン国の第二王子だ。王族と言っても今は形骸化された身分になっており、一昔前のような絶対的な権限があるわけではない。そうはいっても他国との交渉や国の方針決定などやらねばならないことは多く、私も一部手伝いをしている。
王族とはいえ生活に関するお金は国の税金から支給されるため、変なことをすれば譲位させられることもあるようだ。まあ譲位させられた王は過去に1人だけだがな。王族の直轄地からの収入はある程度あるが、一昔前に比べるとかなり少なくなっている。
王位に興味がないこともあり、兄弟や最近は甥もできたため王族から抜けることを考えている。王族を抜けても昔みたいに爵位や領地が与えられるわけではないので、立場は一応平民となってしまう。まあ、王族に戻ることのできる一代限りの王爵という爵位がもらえるので、海外でも上位爵という扱いを受けることができる。
小さな頃から鍛錬をしており、16歳からは冒険者として活動している。まだ王族であるため一緒に行動してくれているのは実力のある騎士達なのでパーティーとしては優階位だが、私の実力は良階位相当だ。
その他にも冒険者だけでなく収入も必要と言うことで興味のあったレストランの経営に乗り出してそこそこうまくいっている。収益も出ており、十分独立できるレベルまでなった。
すでに21歳となっているのに結婚どころか彼女もいない私のことを両親はかなり心配しているが、興味を持てる女性に会えないのだから仕方がない。女性に興味がないわけではないんだが、最近は変な噂が出ているのも知っている。
小さな頃から王族として最近は資産家としていろいろな女性が近寄ってくるが、私ではなく、立場やお金を目当てに来ているのがいやでなかなか付き合えないでいる。
完全に割り切ってしまえばいいのかもしれないが、できればちゃんとして恋愛がしたいと思ってこの年になってしまった。両親の恋愛結婚が羨ましいのかもしれない。
今回、冒険者の特別依頼があり、魔獣の討伐に行くこととなった。思った以上に優階位の魔獣が多かったため、複数パーティーでの討伐依頼だ。
討伐の途中で優階位の魔獣が複数出てきたため、事前に取り決めたとおり私は蠍の尾のメンバーと一緒に行動することとなった。彼女たちは男性嫌いという話を聞いていたんだが、最初の挨拶の時にはそういう風には感じなかった。
いつものパーティーでは護衛されている感じだったんだが、このパーティーだと自分もパーティーの一員ということが実感できた。もともと前衛がアルドさんだけだったので前衛の攻撃としてちょうどすっぽりとはまった感じだと思っている。
他のメンバーにもことわり、今回の依頼の間は彼女たちと一緒に行動させてもらうようにした。もちろん図々しいお願いだと言うことは承知しているが、彼女たちも受け入れてくれたのでうれしかった。
サクラに戻ってから4人のことをいろいろと調べてもらった。南方の国の出身らしいが、調べているとどうも聞いている内容と違っていることが分かった。しかもどうやら貴族の出身らしい。なぜ偽っているのかは不明だが・・・。
あと4人と仲のいいジュンイチという男の存在を聞いた。パーティーは異なるが、一緒にいる女性とともに家に泊まったりもしているらしい。その男が彼氏なのか?
その報告を聞いたあとの記憶は曖昧だ。落ち着くと、目の前には茫然とした4人の姿があった。一緒に着いてきた護衛から、私が4人に求婚したことを聞かされた。
自分でも「なにやっているんだ?」と思ったんだが、これは本当に素直な気持ちなんだろうと思い直し、改めて求婚したが、「もう一度落ち着いてください。」と言われこの日は帰ることにした。
彼女たちにプロポーズをしているため、もちろん周りに知られることとなったが、気にしてはいられない。ただ、私は本気で彼女たちと付き合いたいので周りの人間には手出ししないことを強く言っておいた。それでも何かしら動こうとする奴らがいたので罰を与えることとなってしまった。
しばらくたったころ、役場で彼女たちを見つけて話をしていると、ジュンイチという男が現れて彼女たちが一緒に出て行った。
ジュンイチって噂になっている男のことか?気になって家に訪問してみると、彼が家にやってきていた。かなり強い嫉妬が私を支配したが、向こうから挨拶されて冷静になることができた。いつもはあまり感情の起伏がないと言われているんだが、どうも彼女たちのことが絡むと冷静でいられない自分がいる。
二人で話せないかと言われて別の部屋で話すこととなった。彼と話をしてみると完全に自分の誤解だったことがわかった。彼の言っていることは嘘のようには思えない。おそらく真実だろう。彼女たちのこともいろいろと教えてくれた。
しばらくして彼女たちと付き合うこととなった。ジュンイチが何か言ってくれたのかと思って彼を訪ねてお礼を言った。このときにクリスと呼んでくれと言うと「クリスさん」と言われて驚いてしまった。ちゃんと敬意は払ってくれていることはわかるのだが、王室に対する敬意とは異なるものだった。
ジュンイチは王子という立場を意識しなくていいのがありがたい。友人という付き合いはしたことがなかったが、これが友人関係と言えるものだろう。兄や弟の幼馴染みみたいなものか。
その後ジュンイチ達とも一緒にデートしたり、食事をとったりした。両親にも彼女たちを紹介し、前向きに検討していくこととなった。まだ分からないけど、来年くらいには結婚できるかなあ・・・と夢を見ている。
両親にジュンイチを紹介した時は面白かった。私のことを「クリスさん」と呼んだときの両親の驚いた顔は忘れられない。あとで何か言われるかもしれないと思ったが「いい友人に出会えたな。」と褒めてもらえた。
あと、ジュンイチにはジェニファーさんのことをもう少し考えてもらいたい。あれだけ好意を寄せてもらっているのになぜ気がつかないんだろう?自分なんかが付き合えるレベルではないと言っているがどう考えても自己評価が低すぎるぞ。
王族とはいえ生活に関するお金は国の税金から支給されるため、変なことをすれば譲位させられることもあるようだ。まあ譲位させられた王は過去に1人だけだがな。王族の直轄地からの収入はある程度あるが、一昔前に比べるとかなり少なくなっている。
王位に興味がないこともあり、兄弟や最近は甥もできたため王族から抜けることを考えている。王族を抜けても昔みたいに爵位や領地が与えられるわけではないので、立場は一応平民となってしまう。まあ、王族に戻ることのできる一代限りの王爵という爵位がもらえるので、海外でも上位爵という扱いを受けることができる。
小さな頃から鍛錬をしており、16歳からは冒険者として活動している。まだ王族であるため一緒に行動してくれているのは実力のある騎士達なのでパーティーとしては優階位だが、私の実力は良階位相当だ。
その他にも冒険者だけでなく収入も必要と言うことで興味のあったレストランの経営に乗り出してそこそこうまくいっている。収益も出ており、十分独立できるレベルまでなった。
すでに21歳となっているのに結婚どころか彼女もいない私のことを両親はかなり心配しているが、興味を持てる女性に会えないのだから仕方がない。女性に興味がないわけではないんだが、最近は変な噂が出ているのも知っている。
小さな頃から王族として最近は資産家としていろいろな女性が近寄ってくるが、私ではなく、立場やお金を目当てに来ているのがいやでなかなか付き合えないでいる。
完全に割り切ってしまえばいいのかもしれないが、できればちゃんとして恋愛がしたいと思ってこの年になってしまった。両親の恋愛結婚が羨ましいのかもしれない。
今回、冒険者の特別依頼があり、魔獣の討伐に行くこととなった。思った以上に優階位の魔獣が多かったため、複数パーティーでの討伐依頼だ。
討伐の途中で優階位の魔獣が複数出てきたため、事前に取り決めたとおり私は蠍の尾のメンバーと一緒に行動することとなった。彼女たちは男性嫌いという話を聞いていたんだが、最初の挨拶の時にはそういう風には感じなかった。
いつものパーティーでは護衛されている感じだったんだが、このパーティーだと自分もパーティーの一員ということが実感できた。もともと前衛がアルドさんだけだったので前衛の攻撃としてちょうどすっぽりとはまった感じだと思っている。
他のメンバーにもことわり、今回の依頼の間は彼女たちと一緒に行動させてもらうようにした。もちろん図々しいお願いだと言うことは承知しているが、彼女たちも受け入れてくれたのでうれしかった。
サクラに戻ってから4人のことをいろいろと調べてもらった。南方の国の出身らしいが、調べているとどうも聞いている内容と違っていることが分かった。しかもどうやら貴族の出身らしい。なぜ偽っているのかは不明だが・・・。
あと4人と仲のいいジュンイチという男の存在を聞いた。パーティーは異なるが、一緒にいる女性とともに家に泊まったりもしているらしい。その男が彼氏なのか?
その報告を聞いたあとの記憶は曖昧だ。落ち着くと、目の前には茫然とした4人の姿があった。一緒に着いてきた護衛から、私が4人に求婚したことを聞かされた。
自分でも「なにやっているんだ?」と思ったんだが、これは本当に素直な気持ちなんだろうと思い直し、改めて求婚したが、「もう一度落ち着いてください。」と言われこの日は帰ることにした。
彼女たちにプロポーズをしているため、もちろん周りに知られることとなったが、気にしてはいられない。ただ、私は本気で彼女たちと付き合いたいので周りの人間には手出ししないことを強く言っておいた。それでも何かしら動こうとする奴らがいたので罰を与えることとなってしまった。
しばらくたったころ、役場で彼女たちを見つけて話をしていると、ジュンイチという男が現れて彼女たちが一緒に出て行った。
ジュンイチって噂になっている男のことか?気になって家に訪問してみると、彼が家にやってきていた。かなり強い嫉妬が私を支配したが、向こうから挨拶されて冷静になることができた。いつもはあまり感情の起伏がないと言われているんだが、どうも彼女たちのことが絡むと冷静でいられない自分がいる。
二人で話せないかと言われて別の部屋で話すこととなった。彼と話をしてみると完全に自分の誤解だったことがわかった。彼の言っていることは嘘のようには思えない。おそらく真実だろう。彼女たちのこともいろいろと教えてくれた。
しばらくして彼女たちと付き合うこととなった。ジュンイチが何か言ってくれたのかと思って彼を訪ねてお礼を言った。このときにクリスと呼んでくれと言うと「クリスさん」と言われて驚いてしまった。ちゃんと敬意は払ってくれていることはわかるのだが、王室に対する敬意とは異なるものだった。
ジュンイチは王子という立場を意識しなくていいのがありがたい。友人という付き合いはしたことがなかったが、これが友人関係と言えるものだろう。兄や弟の幼馴染みみたいなものか。
その後ジュンイチ達とも一緒にデートしたり、食事をとったりした。両親にも彼女たちを紹介し、前向きに検討していくこととなった。まだ分からないけど、来年くらいには結婚できるかなあ・・・と夢を見ている。
両親にジュンイチを紹介した時は面白かった。私のことを「クリスさん」と呼んだときの両親の驚いた顔は忘れられない。あとで何か言われるかもしれないと思ったが「いい友人に出会えたな。」と褒めてもらえた。
あと、ジュンイチにはジェニファーさんのことをもう少し考えてもらいたい。あれだけ好意を寄せてもらっているのになぜ気がつかないんだろう?自分なんかが付き合えるレベルではないと言っているがどう考えても自己評価が低すぎるぞ。
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