【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第二部 異世界での新しい生活

167. 異世界940日目 結婚式の準備

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 結婚式まで余裕があると思っていたんだけど、いろいろと準備をしなければならなくなって結構大変な状況になってしまった。
 最初は教会に話をして、日程が決まったらあとは服の準備くらいの予定だった。大体1ヶ月前くらいに準備を始めるのが普通だったし、地球にいたときに話に聞いていたほど特に準備はいらないと思っていたからだ。式の後の食事会はクリスさんのところでいいだろうと簡単に考えていた。


 大変なことになってしまったのは結婚式の案内を出した少し後に遡る。他の町にいる人への連絡はお金はかかるがメールの内容を転送してもらう感じで送った。もっと気軽に使えるメールとかがあれば楽なんだけどね。電話とかは距離が離れると高すぎるしね。


 最初に声をかけたのはもちろんクリスさんたちで、屋敷を訪ねて直接話をした。みんなにはもう自分達の関係はわかっているようだったので、「やっと結婚する気になったのか、おめでとう!!」とすぐに返事をもらうことができた。
 やはり王族は一応抜けたとは言え、建国祭の時に各国の要人が結構やってくるのでいろいろと対応にかり出されてしまうようだ。ただ何があっても予定はあけると言われたので良かった。

 他の町にいる人にも連絡を取ったところ、クラーエルの二人や風の翼、アキラさんとマラルさんがなんとか調整してくるという返事をもらった。日程的には結構ギリギリになるけどせっかくだから建国祭の見学と合わせてやってくるみたいだ。


 あとはコーランさんに連絡すると、何人かの支店長や教育係の人も参加していいのかと聞かれる。せっかくなので支店長会議も併せて行うことにしたらしく、自分たちの知っている支店長の何名かも参加することになったのだ。まあいろいろとお世話になった人達だから来てもらえるのならかまわないけどね。
 アキラとマラルはその移動に便乗することとなったし、クラーエルや風の翼も護衛として一緒にやってくることとなったようだ。クラーエルさんたちは一応引退と言うことにはなっているけど、登録を抹消したわけではなかったしね。


 まあ人数はともかく、ある程度は参加するだろうとまだ予想範囲内だったんだが、驚いたのはこの後だった。

 お世話になったからと一応連絡を入れていたアルモニアのジョニーファン様が、なんと参加すると言ってきたのだ。ヤーマン建国祭の際に各国の代表がヤーマンにやってくるみたいなんだが、それに便乗してやってくると言われてしまった。

 さらにハクセンからもラクマニアさんの一家がやってくるらしい。もともと今年のヤーマン建国祭にやってくることにしていたらしく、ついでに自分たちにも会おうと思っていたようだ。このためラクマニアさんだけでなく、家族で一緒にやってくることになったみたい。
 せっかくやってくるのに招待しないわけにもいかなくなってしまったよ・・・。建国祭に合わせてしまったのは失敗だったかな?
 移動時間が半端ないと思ったんだが、飛行艇のようなものでやってくるので思ったよりも時間はかからないようだ。


 ここまで大きな話になってしまうと警備の関係から小さなところでは対応できないかもしれないと、仕方なくクリスさんに場所の相談をすると、国王陛下まで話が行ってしまったみたいで、警備についてはある程度兵士を派遣してもらうことになってしまった。もともと要人の滞在中に警備がつくのは大前提だからね。
 クリスさんも正式に二人の対応するように言われたらしい。「おかげで結婚式にどうどうと参加できるようになったよ。」と笑っていたけどね。

 もう普通の平民の結婚式じゃなくなってきているような気がする・・・。あの人達だから特別扱いをしなくても大丈夫とは思うんだけど、周りがなあ・・・。



 なんとか警備もできるそこそこ大きめの教会と食事会のできる場所の確保をする。ある程度の教会になると簡単には借りれないんだが、そこは伝を使わせてもらった。食事についてはクリスさんの店で行うんだが、ここも申し訳ないけど貸切にしてもらった。

 警備に関しては建物の内部は兵士を、建物の周りには冒険者を雇うこととなる。それに加えて魔法の使用を禁止する魔道具などの設置の手配なども行わなければならなくなってしまったよ。


 結婚式の内容についてもジェンが地球で行われていたようなことをしようといいだしたので結構大変な内容となってしまった。出席者にも色々とお願いしなければならないからね。こういうことを話し出すとジェンは「こんなのもいいわね?そういえばこんなこともやりたい。」と止まらなくなってしまったから、ある程度制限するのが大変だった。
 このせいでぜんぜんゆっくりする余裕もなく、かなりバタバタになってしまったよ。他のことも色々やりながらだとかなり大変な状況になってしまった。まあしょうが無いと言えばしょうが無いんだけどね。



 準備に結構色々と奔走して精神的にかなり疲れてしまったこともあり、8月30、31日のサクラの町で行われたのみの市ではゆっくり楽しむことにした。まあゆっくりと言ってもせっかくなので掘り出し物探しはやったけどね。こういうものを探すのもある意味楽しいからね。

 今回は鑑定が見るだけでできるというのがかなりありがたい。装備関係よりもアクセサリー関係を中心に見て回ることにした。転売できればいいけど、やはり自分たちが使えるものを探すのが第一の目的だからね。
 装備に関しては今が結構いい装備で買い換えは少なくとも1年以上先になるだろうから、よっぽどの掘り出し物でなければ変更することはないだろう。武器については無理をしなければ数年は持つと思う。レベル的にも十分なものだしね。

 まあうまく見つかればラッキーくらいで見て回ったんだけど、残念ながら装備を入れ替えるまでのものは見つからなかったが、転売できそうなものはそれなりに見つかった。出ている数が数だから一つ一つ手に取って鑑定していると無理だと思うけど、ざっと見て説明文が長いものを中心に見ていくだけでもかなりの効率アップだ。

 もっとシビアに見て回ったらいいものは見つかるかもしれなかったが、そこまでしたら祭りが楽しめないからね。まあ良階位以上のものとなるとそうそう見つかるわけではないのは仕方が無い。高レベルのものは結構あったけど、今更必要ではないからねえ。前に見つかった良レベルのはほんとに運が良かったのだろう。
 まあ今回見つけたものだけでも数十万ドールのもうけにはなりそうだけどね。さすがにすぐに売りに行くのはあからさますぎるので少し落ちつついたところで少しずつ売っていくことにしよう。


 装備は自分たちでもそれなりに作れるようにはなっているんだけど、本格的にやるには持っている鍛冶道具だと並レベルのものができるかどうかである。
 あと一番の問題は付与魔法の方だ。魔道具についてはまだ大きいことと、日本語を使うことでなんとかごまかしているんだが、装備につける付与魔法についてはまだレベルが足りなくて効果は発揮できても魔素の維持ができないレベルの大きさになってしまうのである。
 まあやり始めて1年くらいでそんなにすごいものができるようになったら苦労はないよね。もっと本格的にやればいいものもできるかもしれないけど、今のところそこまでは考えていないからね。
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