【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第二部 異世界での訓練

219. 異世界1472日目 タイカン国を放浪

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 王都のタイカン付近はまだ暖かいのでいいんだが、今は2月と季節的にはもう秋なので、南下していくのはつらいだろう。なのでここから北上していくことにしたが、当初の予定通り、西の海岸沿いに出てから中都市のミントウアリアとルイトウを通っていくことにした。北上していくので季節は冬になっても亜熱帯から熱帯の気候となるので問題ないだろう。
 途中にいくつか遺跡もあるようなので一応遺跡の調査許可証はもらっておいた。この国でも一級の許可証があれば大体のところには入れると聞いているんだが、この国にはあまりめぼしい遺跡はなさそうなんだよね。遺跡の近くを通る場合には簡単には調査していくくらいのつもりで考えている。
 遺跡調査で見つかった地図にも当時の町の位置などは書かれていたんだけど、すでに発見されているところだけだったからなあ。地下の遺跡とかじゃないと調査しても収穫はないだろうね。


 王都のタイカンではいろいろと試食してからかなりの量のお米を購入した。気に入ったお米は3種類で、一つはスタンダードにコシヒカリのようなものだ。甘みも多くて温かいうちに食べるには最適だった。
 もう一つはちょっとさっぱりしているけど、冷えても十分においしいお米で、地球にいたときの地元で食べたミルキーなんたらというお米に似ているものだった。
 最後はあまり販売量がないらしく、なんとか無理を言って売ってもらえるだけ購入したものだ。これはどれに近いと言ってもすぐにわからないが、一番おいしく感じたものだった。
 全部合わせたら何俵くらいになるんだろうか?これで数年はお米を買わなくてもいいくらいだろう。収納していれば劣化もしないからね。まあ気に入ったものがあればまた買ってしまいそうだけど。


 ジェンはジェンでかなりの量のお酒を買っていた。酒屋で購入するだけでなく、その産地まで聞いていたので途中で寄っていくつもりだろうな。やっぱり農産物と水のおいしいところのお酒はおいしいんだろうね。おかげで寂しくなっていたお酒を補充できたとかなり喜んでいた。

 しかしいろいろと買い込んだせいで収納するスペースがかなり少なくなってしまったなあ。まあまだ収納スペースは普通に考えると十分なんだけどね。それに収納バッグもあるので何かの時には使えば大丈夫だろう。次元魔法がもう一段階レベルアップすればいいんだけどなあ。



 タイカン国は全体的に標高が低くて傾斜が少ないところが多いせいか、川幅も広いし、湖などもかなり多い。このため水生の魔獣が結構いるので途中は狩りをしながら進んでいくことにした。水生の魔獣はなかなか倒す機会もないからね。
 途中にある町で魔獣の情報を確認しながらだったのでペースは遅くなったがいろいろな魔獣を狩っていくことができた。ただ結構街道から離れても上階位の魔獣がせいぜいなので鍛錬にはあまりならなかったけどね。
 出てくるのは蛙タイプの土蛙、岩蛙、岩大蛙、大蛙、狂蛙、鰐タイプの大鰐、亀タイプの泥亀、牙亀という魔獣で今までも倒したことのあるものがほとんどだ。このあたりは素材として肉くらいしかないのでそのまま自分たちで使うことにした。

 あと川の中にいるので今まで倒したことのなかった水魚、雷魚なども倒していく。普通の魚よりも大きく、水魚は体長1キヤルドくらい、雷魚は大きなものは2キヤルドくらいに達する魚型の魔獣だ。陸上には上がってこないので普段の生活では問題視されないんだが、やはり水のそばに住んでいる人たちには不安材料なので定期的に討伐される対象となっている。
 水魚は並階位なんだが、簡単な水魔法を使う魔獣で、特に血のにおいに敏感で、水の中で血を流すとすぐに襲いかかってくる。ピラニアみたいなものか?
 雷魚は名前の通り雷魔法を使うようなんだが、説明を見る限り魔法ではなく、デンキナマズとかの類いじゃないのかな?放電することはできないので、水中で感電させるくらいしかできないようだ。こちらはかなり大きなこともあり、子供などは丸呑みされることもあるようだ。
 ただどちらも食用としても人気のあるもので、冒険者だけではなくこれを専門に捕っている漁師もいるみたい。


 釣りや網などで捕まえるのが普通らしいが、自分たちは索敵でだいたいの位置を確認してからいろいろと魔法で試してみた。
 火魔法や風魔法だと効果がないので、使えるとしたら土魔法か水魔法か雷魔法だろう。水魔法は水の中に攻撃しても威力が格段に落ちるので水中の魔獣には意味がない。雷魔法もそこまで効き目がなかった。
 結局、土魔法で銛のような石を魔獣めがけて飛ばすという方法にしたが、もちろん水面近くにいないと刺さらないのでなかなか大変だった。それでも索敵能力が高いおかげかそれなりの数を退治することができたのでよかったけどね。
 すぐに血抜きをしてから浄化魔法できれいにすると臭みもなくていい感じの身を手に入れることができた。ついでに普通の川魚やウナギなども捕まえたので処理をしておくが、さすがにウナギの処理は大変だったよ。
 ちなみに解体魔法は魔獣だけでなく普通の魚とかにも使うことができるのでいったんできるようになるととても便利だ。



 途中にあった遺跡にも寄っていくが、すでに探索し尽くされた後で、建物もすべて壊れてしまっていたので正直何も残っていない状態だった。風雨にさらされて文字などもほとんど残っていなかったからね。やはり遺跡として調査ができるのは地中に残っているものだけだな。
 地上に残っているものは基本的にすべて破壊されていると考えた方がいいのかもしれない。今まで調査できた遺跡も大体が地下などに造られた遺跡だったからね。地上にある調査できる遺跡はもしかしたら地下だった遺跡の天井が崩れた後なのかもしれない。


 まっすぐ行けば15日くらいで到着できる行程だったが、いろいろと寄り道したせいで港町のミントウアリアに着いた時には1ヶ月が経っていた。北上していたせいか、気温はあまり変わらず、快適な感じだったのは助かった。
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