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第17話 家出の真相
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美味しいですね、と肉じゃがを口に運ぶ白虎に心の底から安心した。
お義母さんのお口に合って何よりです って感じだ。
朱雀はガツガツ掻き込むのかと思いきや、綺麗な箸使いで食事を進めている。一口がとても大きいので、多分誰よりも早く完食するだろう。
米は余分に炊いていなかったので、俺はパックの白米。二人が食べているのはルナも美味しいと言っていた母方の祖父母が送ってくれた完全無農薬で祖父母が自分達で育てている米だ。祖父母は両親が弟だけを連れて行ったことを気にしているようで、新米の季節には必ず米と、たまに味噌も送ってくれる。
俺は進学する高校も決まっていたし、何でも吸収するだろう年頃の弟を連れて海外に行くのは俺も当然だとは思うのだが。
「おい、白虎!」
「何ですか? また私が話すんですか? 私、お食事をいただきたいんですけど? こんなに美味しいなんて……はぅ……幸せ……和子、羨まし……」
クールなイメージの白虎が頬の片方にじゃがいもを詰めてハムスターみたいになっている姿は正直笑えた。
「だよな! こんな美味い飯なら和子がずいぶんと長い時間ココにいられたってのも納得だ。清涼な気に美味い飯! 最高じゃねぇか」
「本当に。普通なら逢魔時を無視して何の準備もせず飛び出して半年以上もこちらの世界で無事だったなんて……奇跡です」
「あのー……」
俺を無視して納得しないでほしい。
「何から聞きてぇ?」
朱雀に問われて考える。何からって、そりゃ……。
「色々あり過ぎて。何故ルナ……俺の伴侶はこっちに来たのか、今は元気になったのか、何故俺を呼ばなくなったのか、さっきからたまに言ってる和子側って何なのか? 教えてください」
二人の箸がピタリと止まった。
「何も聞いていないんですか?」
「はぁ……怒られて追い出されたって言っていたような記憶はあるけれど……」
「理由は聞かなかったのかよ?」
「いや、あの時はいきなり子猫がヒトになったからびっくりしちゃって……」
「その後いくらでも聞く機会はあったでしょう!?」
「いや、なんて言うか、ルナがいてくれたらそれでホント他はどうでも良かったんで、聞いていないんです……聞いて欲しいなら話すだろうし……」
あー、もう! と茶碗を置いた朱雀が麦茶を飲み干して白虎を見た。
「俺が話す。抜けてるトコがあったら白虎が足してくれ。んじゃまずは、家出からな? ちょ、深海、お茶のお代わりくれや」
「あ、私もいただきたいです、お茶。このお茶も香ばしくて美味しいですね」
食事中にはクールさがぶっ飛ぶ白虎がにこにこ顔でいそいそと湯呑みを差し出してくる。口には出せないけど、可愛いトコがあるもんだ。
「無何有郷の帝の庭には三百年に一度咲くって言われてる『瑠璃の桜』ってのがあるんだが、これが最後に咲いたって記録から八百年近く経っても咲く気配もない。文献によればそれはそれは美しい見事な花をつけるそうだ。おかしいだろ? 郷には色んな花が咲き乱れてんのに、とうに咲いて良いはずの瑠璃桜だけが咲かねぇってよ。で帝は和子に花を咲かせろって命令した。俺達も自然に介入する力は持ってるが和子のそれは桁違いだからな。で、和子は一晩瑠璃桜の前に座ってずっと話しかけてた。力使って命令すりゃ、おそらくすぐ咲くのにな。どうして咲かないの? 咲きたくない? 理由があるなら教えて? ってな」
ルナらしいなと思った。
ルナは全ての動植物を等しく愛していた。
テレビで野生動物のドキュメンタリー番組を一緒に見た時。産まれたばかりのインパラの仔をチーターが捕食した。産まれてすぐに終わったインパラの仔が可哀想で鼻をすすった俺にルナはひどく穏やかな声で語りかけた。
「泣く必要はないよ、深海。この仔は獣の生命の糧となり、他の獣の糧となり、肉食の昆虫の糧となり、肉体は大地へ還り、わずかでも土地を豊かにするだろう。仔を捕らえた獣もいずれは同じ道を辿るよ。生命尽きて果てた後は同じように違う獣の糧となるよ。恨みも憎しみもない。運命だ。そうやってこの世は廻っている。深海は獣が捕らえ損ねて飢えて死ぬ方が嬉しい? 同じ生命だよ、深海」
インパラ寄りに作られた内容の番組なのに、ルナは口の周りを血に染めたチーターさえも愛おしいよ、と微笑んだ。
「自然に生きる獣達は自然の理の中で生きてる。必要な時に必要なモノを必要な分だけ。得ることができなければ死を受け入れる。彼らは決して手当たり次第に狩りをして虐殺を楽しんでいるワケではないよ」
俺の着古しのだぼだぼのシャツを着たルナが紡ぐ言葉は時に深く胸に突き刺さる。しかも痛みを伴って。
それを二人に言うと
「和子らしい言葉ですね。残酷に思われますか? でもそれが私達の世界の理なんです」
と白虎が微笑んだ。俺は緩く頭を振った。
俺はルナの言葉に衝撃は受けたけど残酷だとは思わなかった。
ずっと疑問があったからだ。
破棄される弁当。日々報道される悲惨な事件。乱獲される希少動物。廃水に汚れる川や海。不法投棄の網に絡まり死んでゆく海鳥達、プラスチックの破片で死ぬ動物達。いつの時代もどこかで起こっている戦争、内戦、弾圧。
何かがおかしいだろう? どうしてこんなことになるんだ? 生命ってなんだ?
思いはいつも人間という存在に対する疑問に行き着くだけだった。
けれど、どんなに考えても疑問を持っても俺はこの世界で生きていて、乱獲を止める権力もなければ、動物愛護活動も自然保護活動もしていないただの怠惰な大学生だ。
しかも、ルナが来るまでは『いただきます』の意味すら曖昧になっていたただのバカだ。俺も俺が疑問に感じる人間だ。
でもルナが教えてくれた。
人間の傲慢を。生命の重さを。自然の理を。
だから残酷だなんて思わない。
「で、だ。一晩瑠璃桜と話をした和子は桜に咲かなくて良いって言ったんだ。それで命令を聞かなかった和子を帝が怒ってな。出て行け、生意気な! じょーとーだぁ出てってやらぁって……」
「ちょっと! 帝も和子もそんな言葉遣いしてませんよ! それに肝心な和子が咲かなくて良いと言った理由がスッポリ抜けてるじゃないですか……あのね深海さん。桜は和子に言ったんです。今日咲くか、明日は咲くかと何百年も期待されて、お前程美しい花はない、楽しみだと帝に言われ続けて怖くなったと。郷にはたくさんの花が咲いていて、日々人の目を楽しませている。そんな中自分が花をつけたとして、前評判が凄過ぎてこんな物かと落胆されるのが恐ろしい、と。だから和子は桜に咲かなくて良い。咲きたいと本心で思えるまで眠っていなさい。おそらく貴方の咲かせる花は美しいだろうが何より尊く美しいのは生命なのだから、ゆめゆめ枯れてその身を絶つことのないように。それだけは約束してくださいね、と。そして、帝には……力で無理に咲かせた花が真実美しいとお思いか? それで満足なさるならどうやら帝は目も心も濁ってしまわれたようだ、と言ってしまいまして……はい……」
「俺達の前で言っちまったからな、帝も大恥だぜ。和子に無礼を反省するまで帰って来るな、貴様などいなくても郷は変わらん! って。八つ当たり、だな、ありゃ。和子は和子で、承知。ならばこれにて。で、こっちの世界と道が繋がる時間帯の逢魔刻を無視して力技でこっちに来たんだよ。でお前と会った。ってワケ。理解したか?」
「和子が出て行ってしばらくして、花が咲かなくなっていったんです。枯れたワケではないんです。ただ花弁を閉ざしてしまって。帝も三日くらいで和子がこの世界の穢れに負けて帰って来ると思っていたんですが、ね」
「半年以上なんて最長記録達成だよな! しかも伴侶まで見つけて来てよ!」
「本当に。しかも郷イチの人間嫌いの尾白を前に一歩も退かず……私の愛した唯一の者、とまで言ってしまうなんて、ね」
笑いながら朱雀と白虎はそれぞれ食べ終えた食器を重ねた。朱雀に合わせるように白虎も手を合わせる。そして俺も。
「ありがとう。いただきました」
三人の声が揃って、驚いたと二人が俺を見る。
「ルナから聞いたんだ。こっちの方が俺は好きだ。聞くまで生命の重さをたまに忘れていた自分が恥ずかしい、です」
朱雀の雰囲気にのまれて敬語を忘れてしまって慌てて付け足すと
「深海、ごちそうさま。敬語なくて良いぞ。俺はもうお前を和子の伴侶って認めたからな」
「そうですよ、深海さん。本当にごちそうさまでした。とても美味しかったです。次は食後のこぉひぃですね!」
と屈託なく笑って俺の非礼を許してくれた。何かデザートも出した方が良いのだろうかと悩んで、何もないことに気付く。そんな俺に目敏く気付いた白虎が助け船を出してくれた。
「お茶菓子、ですか? 気を遣い過ぎですよ、深海さん。私達はお腹がいっぱいです。こぉひぃがいただければ充分ですよ?」
食後のコーヒーは二人とずいぶん打ち解けられて和やかに進んだ。
「次は、今の和子の状況を話してやらぁ」
お義母さんのお口に合って何よりです って感じだ。
朱雀はガツガツ掻き込むのかと思いきや、綺麗な箸使いで食事を進めている。一口がとても大きいので、多分誰よりも早く完食するだろう。
米は余分に炊いていなかったので、俺はパックの白米。二人が食べているのはルナも美味しいと言っていた母方の祖父母が送ってくれた完全無農薬で祖父母が自分達で育てている米だ。祖父母は両親が弟だけを連れて行ったことを気にしているようで、新米の季節には必ず米と、たまに味噌も送ってくれる。
俺は進学する高校も決まっていたし、何でも吸収するだろう年頃の弟を連れて海外に行くのは俺も当然だとは思うのだが。
「おい、白虎!」
「何ですか? また私が話すんですか? 私、お食事をいただきたいんですけど? こんなに美味しいなんて……はぅ……幸せ……和子、羨まし……」
クールなイメージの白虎が頬の片方にじゃがいもを詰めてハムスターみたいになっている姿は正直笑えた。
「だよな! こんな美味い飯なら和子がずいぶんと長い時間ココにいられたってのも納得だ。清涼な気に美味い飯! 最高じゃねぇか」
「本当に。普通なら逢魔時を無視して何の準備もせず飛び出して半年以上もこちらの世界で無事だったなんて……奇跡です」
「あのー……」
俺を無視して納得しないでほしい。
「何から聞きてぇ?」
朱雀に問われて考える。何からって、そりゃ……。
「色々あり過ぎて。何故ルナ……俺の伴侶はこっちに来たのか、今は元気になったのか、何故俺を呼ばなくなったのか、さっきからたまに言ってる和子側って何なのか? 教えてください」
二人の箸がピタリと止まった。
「何も聞いていないんですか?」
「はぁ……怒られて追い出されたって言っていたような記憶はあるけれど……」
「理由は聞かなかったのかよ?」
「いや、あの時はいきなり子猫がヒトになったからびっくりしちゃって……」
「その後いくらでも聞く機会はあったでしょう!?」
「いや、なんて言うか、ルナがいてくれたらそれでホント他はどうでも良かったんで、聞いていないんです……聞いて欲しいなら話すだろうし……」
あー、もう! と茶碗を置いた朱雀が麦茶を飲み干して白虎を見た。
「俺が話す。抜けてるトコがあったら白虎が足してくれ。んじゃまずは、家出からな? ちょ、深海、お茶のお代わりくれや」
「あ、私もいただきたいです、お茶。このお茶も香ばしくて美味しいですね」
食事中にはクールさがぶっ飛ぶ白虎がにこにこ顔でいそいそと湯呑みを差し出してくる。口には出せないけど、可愛いトコがあるもんだ。
「無何有郷の帝の庭には三百年に一度咲くって言われてる『瑠璃の桜』ってのがあるんだが、これが最後に咲いたって記録から八百年近く経っても咲く気配もない。文献によればそれはそれは美しい見事な花をつけるそうだ。おかしいだろ? 郷には色んな花が咲き乱れてんのに、とうに咲いて良いはずの瑠璃桜だけが咲かねぇってよ。で帝は和子に花を咲かせろって命令した。俺達も自然に介入する力は持ってるが和子のそれは桁違いだからな。で、和子は一晩瑠璃桜の前に座ってずっと話しかけてた。力使って命令すりゃ、おそらくすぐ咲くのにな。どうして咲かないの? 咲きたくない? 理由があるなら教えて? ってな」
ルナらしいなと思った。
ルナは全ての動植物を等しく愛していた。
テレビで野生動物のドキュメンタリー番組を一緒に見た時。産まれたばかりのインパラの仔をチーターが捕食した。産まれてすぐに終わったインパラの仔が可哀想で鼻をすすった俺にルナはひどく穏やかな声で語りかけた。
「泣く必要はないよ、深海。この仔は獣の生命の糧となり、他の獣の糧となり、肉食の昆虫の糧となり、肉体は大地へ還り、わずかでも土地を豊かにするだろう。仔を捕らえた獣もいずれは同じ道を辿るよ。生命尽きて果てた後は同じように違う獣の糧となるよ。恨みも憎しみもない。運命だ。そうやってこの世は廻っている。深海は獣が捕らえ損ねて飢えて死ぬ方が嬉しい? 同じ生命だよ、深海」
インパラ寄りに作られた内容の番組なのに、ルナは口の周りを血に染めたチーターさえも愛おしいよ、と微笑んだ。
「自然に生きる獣達は自然の理の中で生きてる。必要な時に必要なモノを必要な分だけ。得ることができなければ死を受け入れる。彼らは決して手当たり次第に狩りをして虐殺を楽しんでいるワケではないよ」
俺の着古しのだぼだぼのシャツを着たルナが紡ぐ言葉は時に深く胸に突き刺さる。しかも痛みを伴って。
それを二人に言うと
「和子らしい言葉ですね。残酷に思われますか? でもそれが私達の世界の理なんです」
と白虎が微笑んだ。俺は緩く頭を振った。
俺はルナの言葉に衝撃は受けたけど残酷だとは思わなかった。
ずっと疑問があったからだ。
破棄される弁当。日々報道される悲惨な事件。乱獲される希少動物。廃水に汚れる川や海。不法投棄の網に絡まり死んでゆく海鳥達、プラスチックの破片で死ぬ動物達。いつの時代もどこかで起こっている戦争、内戦、弾圧。
何かがおかしいだろう? どうしてこんなことになるんだ? 生命ってなんだ?
思いはいつも人間という存在に対する疑問に行き着くだけだった。
けれど、どんなに考えても疑問を持っても俺はこの世界で生きていて、乱獲を止める権力もなければ、動物愛護活動も自然保護活動もしていないただの怠惰な大学生だ。
しかも、ルナが来るまでは『いただきます』の意味すら曖昧になっていたただのバカだ。俺も俺が疑問に感じる人間だ。
でもルナが教えてくれた。
人間の傲慢を。生命の重さを。自然の理を。
だから残酷だなんて思わない。
「で、だ。一晩瑠璃桜と話をした和子は桜に咲かなくて良いって言ったんだ。それで命令を聞かなかった和子を帝が怒ってな。出て行け、生意気な! じょーとーだぁ出てってやらぁって……」
「ちょっと! 帝も和子もそんな言葉遣いしてませんよ! それに肝心な和子が咲かなくて良いと言った理由がスッポリ抜けてるじゃないですか……あのね深海さん。桜は和子に言ったんです。今日咲くか、明日は咲くかと何百年も期待されて、お前程美しい花はない、楽しみだと帝に言われ続けて怖くなったと。郷にはたくさんの花が咲いていて、日々人の目を楽しませている。そんな中自分が花をつけたとして、前評判が凄過ぎてこんな物かと落胆されるのが恐ろしい、と。だから和子は桜に咲かなくて良い。咲きたいと本心で思えるまで眠っていなさい。おそらく貴方の咲かせる花は美しいだろうが何より尊く美しいのは生命なのだから、ゆめゆめ枯れてその身を絶つことのないように。それだけは約束してくださいね、と。そして、帝には……力で無理に咲かせた花が真実美しいとお思いか? それで満足なさるならどうやら帝は目も心も濁ってしまわれたようだ、と言ってしまいまして……はい……」
「俺達の前で言っちまったからな、帝も大恥だぜ。和子に無礼を反省するまで帰って来るな、貴様などいなくても郷は変わらん! って。八つ当たり、だな、ありゃ。和子は和子で、承知。ならばこれにて。で、こっちの世界と道が繋がる時間帯の逢魔刻を無視して力技でこっちに来たんだよ。でお前と会った。ってワケ。理解したか?」
「和子が出て行ってしばらくして、花が咲かなくなっていったんです。枯れたワケではないんです。ただ花弁を閉ざしてしまって。帝も三日くらいで和子がこの世界の穢れに負けて帰って来ると思っていたんですが、ね」
「半年以上なんて最長記録達成だよな! しかも伴侶まで見つけて来てよ!」
「本当に。しかも郷イチの人間嫌いの尾白を前に一歩も退かず……私の愛した唯一の者、とまで言ってしまうなんて、ね」
笑いながら朱雀と白虎はそれぞれ食べ終えた食器を重ねた。朱雀に合わせるように白虎も手を合わせる。そして俺も。
「ありがとう。いただきました」
三人の声が揃って、驚いたと二人が俺を見る。
「ルナから聞いたんだ。こっちの方が俺は好きだ。聞くまで生命の重さをたまに忘れていた自分が恥ずかしい、です」
朱雀の雰囲気にのまれて敬語を忘れてしまって慌てて付け足すと
「深海、ごちそうさま。敬語なくて良いぞ。俺はもうお前を和子の伴侶って認めたからな」
「そうですよ、深海さん。本当にごちそうさまでした。とても美味しかったです。次は食後のこぉひぃですね!」
と屈託なく笑って俺の非礼を許してくれた。何かデザートも出した方が良いのだろうかと悩んで、何もないことに気付く。そんな俺に目敏く気付いた白虎が助け船を出してくれた。
「お茶菓子、ですか? 気を遣い過ぎですよ、深海さん。私達はお腹がいっぱいです。こぉひぃがいただければ充分ですよ?」
食後のコーヒーは二人とずいぶん打ち解けられて和やかに進んだ。
「次は、今の和子の状況を話してやらぁ」
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